統計17 第20回中高年者縦断調査の概況

2026年06月01日

「ランチタイム・スタディ2026統計数値」の152日目は、「第20回中高年者縦断調査の概況」において、「縦断調査」が出てきたことから「調査手法及びデータの種類」を取り上げています。なお、今回の問題は、社労士本試験とは出題内容がかけ離れていますので、出来なくても構いません。横断調査や縦断調査の意味合いを知っていただきたいために掲載したものになります。


<問題(調査手法及びデータの種類)>

〔問〕 横断調査と縦断調査に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 職場の安全衛生に関する事業所調査を、1月に北海道、2月に東北地方、3月に関東地方でと日本を縦断し最後に九州・沖縄地方で同じ内容の調査を行えば、縦断調査といえる。

B パネル調査における「パネルの摩耗(又は脱落)」とは、第1回目の調査において無回答者が生じることをいう。

C 今年、東京都で標本抽出を行って労働実態調査を行い、来年再び同じ東京都で標本抽出を行って同じ内容の労働実態調査を行うならば、パネル調査といえる。

D 内閣を支持するか否かについて、5月と6月に横断調査を繰り返し、内閣支持率に変化がなければ、支持・不支持の態度が変化した人がいなかったことが分かる。

E 2変数の関連について、パネル調査であれば、因果関係を推論することができるが、横断調査ではできない。


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step1 正解は・・・


E


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step2 解説

A × 同じ内容の調査であっても、毎回異なる地域に限定して調査を実施する場合には、標本抽出が変わるため縦断調査にはならない。縦断調査とは、一定の調査対象者に対して一定の期間をおいて繰り返して行う調査手法である。

B × パネル調査における「パネルの摩耗」とは、第2回・第3回と回を重ねるごとに回答者数が減っていくことをいう。

C × 改めて行う標本抽出により抽出される調査対象者が変わってしまうためパネル調査には該当しない。パネル調査とは、同じ標本(パネラー)に対して同一の調査を時系列で実施する方法であり、固定した対象者に期間を隔てて一定期間内における行動・意識の変化を探り、その理由・過程を追求するものである。

D × 支持していた人が不支持になった数と不支持から支持になった数が同数であれば、全体の数値は変化しないため、支持・不支持の態度が変化した人がいなかったとはいえない。

E 〇 横断調査は「ある一時点での」調査であるため、2つの現象が同時に観測されたとして、関係があるのかどうかや、関係があるとしてもそのどちらが原因(先)でどちらが結果(後)なのかは確認できない。一方、パネル調査は縦断調査の種類の中のひとつであり、調査対象者に対して一定の期間をおいて繰り返して行う調査手法であるため、因果関係や前後関係を推論することができる。




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step3 コメント

・Eの「2変数の関連について、横断調査では因果関係を推論できない。」ということをかみ砕いてお伝えすると、例えば、公共交通機関を利用し通勤している人と、車で通勤している人の体重を調査したところ、公共交通機関を利用して通勤している人のほうが体重が軽い人が多いという調査結果が出たとします。
この場合、「公共交通機関を利用し通勤する人のほうがよく歩く(原因)ので、肥満になりにくい(結果)」と推論することは可能ですが、この横断調査だけではその因果関係を特定することはできません。
というのも、「体重が軽い人は体を動かしやすい(原因)ので、公共交通で通勤する人が多い(結果)」かもしれないからです。
また、そもそも通勤で歩くことと体重には因果関係がないかもしれません。
このように、横断調査では1時点のデータしか収集されず、どちらかの出来事が先行して発生したかを明確にできませんので、因果関係を特定するための方法としては適しません。
横断調査とは、ある1時点において調査したデータ結果を、年齢別、性別、学歴別などの基本属性別に分類し特性を分析するもので、厚生労働省の調査の多くは、この横断調査を採用しています。

・ここは、あまり深入りする必要はありませんが、前回のランチタイム・スタディでも取り上げたとおり、選択式で過去に「パネル」が抜かれていましたので、意味合いを知っておいて損はありません。
なお、ここに掲載した問題は、社会福祉士試験に過去に出題された問題を多少アレンジして掲載しています。



次回もがんばりましょう。




2026年05月30日

「ランチタイム・スタディ2026統計数値」の152日目は「第20回中高年者縦断調査の概況」から「中高年者の生活に関する継続調査」及び「調査手法の種類」の過去問焼き直し問題で選択式です。


<問題(中高年者の生活に関する継続調査)>

政府は、平成17年度から「中高年者縦断調査(厚生労働省)」を毎年実施している。

この調査は団塊の世代を含む全国の中高年者世代の男女を追跡して調査しており、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的としている。

平成17年10月末現在で50~59歳であった全国の男女約4万人を対象として開始され、前回調査又は前々回調査に回答した人に調査票を送るという形式で続けられている。

このような調査形式によって得られたデータを A データという。

第1回調査から第17回調査までの就業状況の変化をみると、「正規の職員・従業員」は、第1回39.0%から第20回2.1%と減少している。

「パート・アルバイト」は第1回から第20回にかけて B 


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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

Aの選択肢
① クロスセクション  ② サンプル
③ タイムシリーズ  ④ パネル

Bの選択肢
⑤ 減少傾向である  ⑥ 10ポイント以上増加した  
⑦ ほぼ半減した  ⑧ ほぼ横ばいで推移している


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step2 正解は・・・


A → ④ パネル

B → ⑤ 減少傾向である

※主に「第20回中高年者縦断調査の概況」による


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step3 コメント

・「第20回中高年者縦断調査の概況」からの出題で、平成27年本試験の選択式そのものです。ただし、現在の中高年者縦断調査は第20回ですが、出題された平成27年当時は第9回であり、数値に変化がみられます。

「パート・アルバイト」については、出題当時は「ほぼ横ばいで推移している」でしたが、数年前から「減少傾向である」に変わってきています。



次回もがんばりましょう。




2026年05月29日

「ランチタイム・スタディ2026統計数値」の151日目は、「第20回中高年者縦断調査の概況」において、「縦断調査」が出てきたことから「調査手法及びデータの種類」を取り上げています。

調査手法及びデータの種類

(2)横断調査、縦断調査

1 横断調査

横断調査」とは、調査対象の時間経過による変化を意識せずに、調査実施の時点における1回の調査で、男女別、地域別、年齢別など回答者を分類し、調査対象となる集団の実態や意識など把握しようとするものである。



2 縦断調査

縦断調査」とは、1時点で1回限りしか行わないのではなく、一定の時間間隔をおいて繰り返し行う調査である。

特定の調査対象を継続的に調査し、その実態や意識の変化を捉えることにより、集団の変化とそのタイミングや、変化とニーズの分析等ができる。

縦断的調査には、動向調査(傾向分析)、集団調査(コーホート分析)、パネル調査の3つの種類がある。


動向調査(傾向分析)は、調査エリアや回答者の条件などを決めて、定期的に調査することで、調査対象となる集団の動向や傾向を把握しようとするものである。

小学6年生の全国学力調査や、国勢調査が該当する。

ここでは調査対象の定義は変化しないが、集団内部の個体は変している。

たとえば、小学6年生の全国学力調査では、小学6年生という調査対象の定義は変化しないが、実際に回答する小学6年生は毎年入れ替わることになる。


集団調査(コーホート分析)は、同時期に生まれた(年齢の等しい)年代集団を追跡して調査することである。

たとえば、団塊ジュニア層に対して、中学、高校、大学、社会人と毎年繰り返し調査を行うことで、彼らの意識や行動が変化していく様子を把握する調査ができる。

ちなみに、コーホート分析の場合は、「同時期に生まれた人」ということが重要とされ、団塊ジュニアであれば、毎回、違う回答者に回答してもらってもよく、標本を構成する個体は各回で異なっている。


パネル調査は、固定した対象者を追跡するものであり、同じ人(パネラー)に繰り返し調査をすることである。

時間の経過とともに対象者個人がどのように変化したかを検討できるが、初回のパネラーが、2回目以降に死亡、行方不明、調査拒否などのなんらかの理由で調査対象から脱落していくことが想定され、これをパネルの摩耗(パネルの脱落、標本摩耗)という。

「中高年者縦断調査」は、縦断調査の中のパネル調査である。


<コメント>
・横断調査と縦断調査を区別するポイントは、「時点」です。

・「ある一時点で」調査するのが横断調査ですが、間隔を空けて「いくつかの時点で」繰り返し調査をするのが縦断調査になります。



次回もがんばりましょう。



2026年05月28日

「ランチタイム・スタディ2026統計数値」の150日目は、「第20回中高年者縦断調査の概況」において、「縦断調査」が出てきたことから「調査手法及びデータの種類」を取り上げます。


調査手法及びデータの種類

(1)定量調査、定性調査

調査の手法には、大きく分けて2つに分類される。

定量調査

調査対象の「量」や「割合」を調べるのが、「定量」調査である。

たとえば、「1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1人平均は18.1日、このうち労働者が取得した日数は12.1日で、取得率は66.9%」であるが、ここでは「量(日数)」や「割合(取得率)」を調べている。

社労士本試験で問われる各種調査の内容は、そのほとんどが定量調査といえる。

定量調査では、数値データとしての信頼性を確保するために、比較的多くのサンプル数が必要とされる。

たとえば、先ほど記載した「年次有給休暇の取得率」については、「就労条件総合調査」で触れられているが、ここでは、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)のうちから、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が対象とされ、令和7年調査の調査対象数(調査客体数)は 6,448社であり、 有効回答数 3,820社、 有効回答率 59.2%となっている。

定量調査の特徴としては、データが数値化されているため、調査結果の数値は表やグラフなどで表すことが可能で理解しやすい

ただし、データを数値化するためには、質問とその回答となる選択肢が予め用意されていなければならない。


定性調査

数字では表せない調査対象者の意見や行動などを探るのが、「定性」調査である。

たとえば、先ほど触れた「年次有給休暇の取得率」では、取得日数が少ない人を対象に、「どうして年休が取れないのか」を聞き取り調査することなどは定性調査に該当し、ある事象に対する理由や要因を深く探ることができる。

定性調査は、数値化できないデータの収集を目的とした調査で、通常1対1や数名のグループなど、比較的少ないサンプルで実施される。

定性調査の代表的な手法は「グループ・インタビュー」、個別の対象者を長時間にわたって面接する「深層面接法」、対象者の態度や行動、あるいは反応などを観察する「観察法」などがある。



<コメント>
・労一の選択式では、各種調査に関する問題が過去に出題されています。前提として、この程度の理解は必要と思われます。



次回もがんばりましょう。



2026年05月27日

「ランチタイム・スタディ2026統計数値」の149日目は、「第20回中高年者縦断調査の概況」から「中高年者の生活に関する継続調査」の調査記載内容です。


中高年者の生活に関する継続調査

【第20回中高年者縦断調査の概況】

(3)調査の概要

① 「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」は、平成17年10月末現在で50~59歳である団塊の世代を含む中高年者世代を継続的に観察することにより、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的として、平成17年度を初年として実施しているものである。

この調査は、従来から行われてきた横断調査毎回調査客体を替え、調査時点の実態を明らかにする調査手法)と異なり、同一客体を継続的に調査し、その実態や意識の変化、行動変化を把握し、詳細な分析を行う縦断調査(または「パネル調査」)」という調査手法により実施している。

② 厚生労働省が実施している縦断調査(パネル調査)として、本調査のほか、「21世紀出生児縦断調査」「21世紀成年者縦断調査」などがある。

③ 第18回の調査対象者の年齢は、69~78歳となっている。



次回もがんばりましょう。