統計15 令和7年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況について
2026年05月19日
<問題(賃金引上げ等の実態、賃金形態、春季賃上げ要求・妥結状況)>
1 A とベースアップは、同じく給与の増額を指すものであり、また、時を同じくして行われることが多いが、本来全く異なるものである。
すなわち、 A が、一定期間企業に勤務し、一定の条件を満たした従業員に、あらかじめ定められた基準に従って毎年一定の時期に個別に賃金を引き上げるものであるのに対して、ベースアップは、多くの場合は労使交渉に基づいて、あらかじめ定めていない額について、企業の賃金水準そのものを変更するものである。
最近の我が国では、労働者の高齢化を反映して、50歳から55歳前後で A を逓減ないし停止する等により、年功賃金制の修正を試みる企業が増えている。
2 厚生労働省「令和7年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況について」によれば、令和7年春闘における民間主要企業の春季賃上げ交渉の妥結状況をみると、妥結額は18,629円、賃上げ率は5.52%となっており、これより調査範囲が広い厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」によって、 B について賃金改定の実態をみても、賃金の改定額が13,601円、賃金の改定率が4.4%となった、としている。
3 賃金がどのような単位の下で計算されているかによる分類を C という。 C は、日給制や月給制のような一定の労働時間を単位として賃金を計算する定額制と、出来高に応じて賃金を決定する出来高制に分けられる。
step1 A及びCについては、選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。Aは平成9年、Cは平成10年の記述式での出題です。当時は、選ぶのではなく(選択肢は無く)、正しい語句を書けなければ正解になりません。
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step2 Bについては、次の選択肢の中から答を選んでください。
Bの選択肢
① 零細企業 ② 中小企業
③ 企業規模10人以上の企業 ④ 企業規模100人以上の企業
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step3 正解は・・・
A → 定期昇給 (令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概要)(H9)
B → ④ 企業規模100人以上の企業 (平成19年版労働経済白書、令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概要)(H20)
C → 賃金形態 (「賃金支払形態」でも可)(平成26年就労条件総合調査結果の概況)(H10)
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step4 コメント
・賃金の動向からの選択式の問題です。AとCは、書けましたか? 記述式の時代では、書けないとアウトですから、ひたすら書いて覚えていくのが常套手段でした。選択式でも書いて覚えることで、確実に覚えることが可能になるはずです。ただ、Cの「賃金形態」という語句は現在の就労条件総合調査には取り上げられていないので難しかったと思います。
・Bについては、「賃金引上げ等の実態に関する調査」は「常用労働者100人以上を雇用する会社組織の民営企業」が対象ですが、「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況について」は、「資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業」が対象となりますので、その違いを問う問題でした。ただ、選択肢が①零細企業、②中小企業などというものや、③企業規模10人以上の企業でしたので、ここは勘でも正解できたかもしれません。
次回もがんばりましょう。
2026年05月18日
春季賃上げ要求・妥結状況
【令和7年民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況について】
平均妥結額は18,629円で、前年(17,415円)に比べ1,214円の増。
また、現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率は5.52%で、前年(5.33%)に比べ0.19ポイントの増。
賃上げ額、賃上げ率はともに昨年を上回った。

・妥結額18,629円は、賃上げ額、賃上げ率はともに昨年を上回っています。ただ、この表を見ていてわかるとおり、平成28年から令和4年までは、妥結額が毎年約6,000円~7,000円程度なのに、現行ベース(交渉前の平均賃金)は上がっていません。これは、「個人の給料は年を重ねるごとに数千円ずつ上がっていた(定期昇給)」ものの、「会社全体で見ると、高給取りが辞めて若い世代や再雇用世代に置き換わった」ため、大企業全体の平均賃金(現行ベース)は31万円台のまま変わらなかった、というのがこの時期の停滞の理由です。令和5年以降は、物価高を受けて定期昇給とは別に基本給そのものを数千円〜1万円規模で底上げする「ベースアップ(ベア)」が本格化したため、現行ベースの金額もようやく上昇に転じています。
次回もがんばりましょう。
