2025年向け 学習に関するアドバイス
2024年09月05日
[質問内容]
標準的な学習時間はどの位を設定されていますか?
合格に必要な時間ではなくて、講座を一通り完了させるのにどの位必要か?という質問です。
[回答]
基本的に、インプット講義の場合には受講後1週間以内にその倍の時間の復習を、アウトプット講義の場合は講義及び演習に要する時間の倍の時間の予習をお願いしています。
たとえば、労働基準法①②の講義を受講した場合、講義に要した時間は「2.5時間×2コマ=5時間」ですから、次の講義視聴までに、その倍の10時間の復習をしていただくという形となります。
このように考えますと、全ての講義の時間の合計は「200時間超」となりますから、その講義に伴う予習・復習の合計時間が、「200時間超」×2≒450時間(50時間ごとの繰り上げ)となりますので、合計650時間となります。
あとは、直前期には特に、「プラスα」の学習時間をどれだけ上積みできるかということになります。
700時間~800時間程度を見込んでおいてください。

2024年09月04日
直前期になって、どの科目もあやふやで、どこから手を付けていいのかわからないという状態になってしまう方がいます。
そういう方の多くは、インプットがしっかりと学習できていないまま直前期を迎えてしまったという方が多いように思われます。
インプット学習を、畑(家庭菜園のような小規模な畑を連想してください。)でナスを作ることを例としてお伝えしますと、きちんとクワで畑を耕してからナスの種を植える(こちらをAとします。)のと、耕さないでナスの種を植える(こちらをBとします。)のでは、春先の4月位までは同じように成長するのですが、耕さないでナスの種を植えたBの方は、5月になると成長が急に止まります。
というのも、根が土の奥深くまではっていくことができないため、養分や水分を十分に吸収できないからです。
一方、きちんとクワで畑を耕してからナスの種を植えたAの方はというと、地中深くまで根をはっていくことができるため、5月以降も成長を続け、夏場には大きなナスが実ります。
Aの場合には、台風に備えること、害虫を駆除すること、水をやることという手間だけで、立派に成長できるわけです。
Bの方はというと、5月以降にいくら世話をしたとしても手遅れです。
このように、最初のインプットの際に、どれだけ土を耕していくことができるかが、大きな収穫になるか否かの分かれ道となります。
佐藤塾では、このような土を耕して種を植える地道な作業を全部で47区画行っていきます。
(労基6区画、安衛2区画、労一4区画、労災5区画、雇用5区画、徴収3区画、健保6区画、社一4区画、国年6区画、厚年6区画の全47区画)
こうやって地道な学習をしていくと、直前期となる5月には、やるべきことが見えてきて、落ち着いて学習していくことができるようになります。
Bの方はどうかというと、10科目の学習を皿回しに例えると、労基法の皿がぐらぐら揺れていて何とかしないといけないと思っている矢先に、健保、雇用、安衛と、次々に皿が揺らいで落ちそうになります。
その都度、落ちないように補強を繰り返すことになりますが、「労多くして益なし」のように、学習時間が多い割には、「傷の手当」だけに奔走することになりますから、くたくたになってしまいます。
焦りも伴い、不安な気持ちが先行して、地道な学習ができなくなってしまいます。
今から行うインプット学習を確実に実践していくことが、直前期の学習にも影響してくることになります。
[参考]
・ 最初のインプットこそが重要その1
・『繰り返し学習』による記憶への定着について

2024年08月29日
確かに、問題を解く量が少なかったことも択一式の得点が伸びない原因のひとつであるとは思いますが、多くの方に見受けられる誤った認識に、「自分はインプットはできている。」と思ってしまっていることです。
8/27のブログ(『繰り返し学習』による記憶への定着について )で、記憶力の算式について書かせていただきました。
K(記憶力)=I(信号の強さ)×R(反復)
この算式でいうと、問題演習を多くするということは、「R(反復)」に力点を置くということになります。
ex.「2024年向けの学習では過去問を3回、回しただけだったので、今回は10回、回すようにしよう。」等。
しかし、今が直前期であれば、「R(反復)」に軸足を移すのはうなずけますが、まだ本試験まで約1年ほどの期間がありますから、インプットをじっくり習得する時間があります。
元々、インプットとは、例えて言うなら、タンスに服など(上着、ズボン、靴下、シャツ、パンツ等)をどれだけ多く、整理してしまうことができるかをいい、アウトプットとは、タンスにしまわれた服などを、どれだけ早く正確に引き出しから取り出すことができるかを指しますから、インプットで、たとえタンスに多くのものをしまえたとしても、整理して入れていないと、引き出すときに時間がかかることになってしまいます。
反対に、インプットでしっかりと服などを整理してしまえたとしても、その量が少ないと、引き出しに何が入っているかはすぐにわかっても、探したい物が元々入っていないため取り出すことはできません。
ex.タンスの中にある「赤い靴下」を探そうとする場合に、靴下がしまわれている引き出しは簡単に見つけ出せても、元々、「赤い靴下」が入っていないと引き出せない。
この時期は、まずはインプット学習で、試験で問われる知識をより多く、整理して習得していくことが肝心です。
そのうえで、反復していくことができれば、かなりの得点アップが見込まれるはずです。
「自分は今年の本試験に向けた学習でインプット学習は十分やってきたので心配ない。」と思われている方であっても、再度、「引き出しの中のものを増やすことと整理すること」ことを心がけてみてください。
抜け落ちていたところや、間違った認識で理解していたところが見つかるかもしれません。
実はこの点に関しては、本試験択一式で50点以上の得点を取ったにもかかわらず、選択式で合格できなかったという人ほど、インプット学習を大事にします。
そういう方は「インプットが十分なんてとんでもない!!インプットが不十分だったから合格できなかったんです。」と明確に言葉にだされます。
学習開始のこの時期にこういう言われ方をした方は、ほぼ間違いなく次年度に合格しています。
ところが、「自分はインプット学習は十分やってきたので心配ない。」などと思っている人の本試験択一式の得点状況は、だいたい37点~43点位の方に多く、この場合、問題演習の繰り返しだけでは得点を伸ばすことができない結果に終わる可能性が高いようです。
インプット学習を大事にしていくことが、実は合格への近道となります。

2024年08月27日
次のようなご質問をよくいただきます。
[質問]
年のせいか、学習して覚えたつもりでも、すぐに忘れてしまいます。
覚えるには繰り返し学習するしかないと思うのですが、何か注意点はありますか?
[回答]
同じ箇所を繰り返し学習することはとても大事なことです。
というのも、1回のインプット学習だけで覚えられる人はまずいません。
したがって、最初にインプット学習をした後に、一定の間隔で問題を解いてみたり、テキストを読み返すことで知識は定着していきます。
※インプット学習:テキスト等に目を通し、知識や情報を整理し理解すること。
※アウトプット学習:問題を解き、得られた知識が定着しているどうかを確認すること。
ただし、最初に行うインプットで「制度趣旨や根幹にある考え方をじっくりと確実に理解する」ことが反復学習の効果を高める上でも肝心です。
社労士試験は範囲が多岐にわたり、覚えなければならない量が多いのが特徴ですが、
K(記憶力)=I(信号の強さ)×R(反復)
という算式が成り立ちます。
確実に覚えるためには、最初の信号(I)が強くなければ、反復を繰り返しても思った通りの結果になりません。
最初のインプット学習をおざなりにする(信号が強くない)と、反復する効果が低くなります。
この最初のI(信号の強さ)は、その箇所を「どうやって覚えるか」というところまでやっておくべきです。
たとえば、安衛法の安全衛生管理体制のしくみをかんたんな表にまとめておくとか、老齢厚生年金の加給年金額と障害厚生年金の加給年金額の違いを整理しておくなど、 最初のインプットの際に、どれだけ明確に違いを際立たせ、ポイントを押さえるかが重要です。
裏を返すと、資格の学校のインプットの時間が長いのは、最初のI(信号の強さ)が重要なことがわかっているからです。
いずれにしても一度学習した範囲を繰り返すことは必要ですが、最初のI(信号の強さ)が強いと、反復に要する労力が少なくて済みますので、その分、直前期には早く楽に反復することができますから、多くの科目に目を通すことが可能となり、択一式の得点が合格ラインに達するわけです。
