徴収(2023本試験)
2023年12月27日
92問目は、択一式の労働保険徴収法です。
正答率26%の問題です。
※徴収法の中で一番難しかった問題です。
※難問です。
<問題( 択一式 徴収 雇問9 )>
〔問 9〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 日雇労働被保険者が負担すべき額を賃金から控除する場合において、労働保険徴収法施行規則第60条第2項に定める一般保険料控除計算簿を作成し、事業場ごとにこれを備えなければならないが、その形式のいかんを問わないため賃金台帳をもってこれに代えることができる。
B 事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、労働保険徴収法施行規則第42条第1項に掲げる事項を記載した申請書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければならない。
C 印紙保険料納付計器を厚生労働大臣の承認を受けて設置した事業主は、使用した日雇労働被保険者に賃金を支払う都度、その使用した日の被保険者手帳における該当日欄に納付印をその使用した日数に相当する回数だけ押した後、納付すべき印紙保険料の額に相当する金額を所轄都道府県労働局歳入徴収官に納付しなければならない。
D 事業主は、雇用保険印紙が変更されたときは、その変更された日から1年間、雇用保険印紙を販売する日本郵便株式会社の営業所に雇用保険印紙購入通帳を提出し、その保有する雇用保険印紙の買戻しを申し出ることができる。
E 日雇労働被保険者を使用する事業主が、正当な理由がないと認められるにもかかわらず、雇用保険印紙を日雇労働被保険者手帳に貼付することを故意に怠り、1,000円以上の額の印紙保険料を納付しなかった場合、労働保険徴収法第46条の罰則が適用され、6月以下の懲役又は所轄都道府県労働局歳入徴収官が認定決定した印紙保険料及び追徴金の額を含む罰金に処せられる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
A
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法32条1項、則60条2項、コンメンタール)本肢のとおりである。
B × (則42条1項)事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙購入通帳交付申請書を「所轄公共職業安定所長」に提出して、雇用保険印紙購入通帳の交付を受けなければならない。
C × (法23条3項、則51条2項)本肢の場合には、印紙保険料納付計器により表示することができる印紙保険料の額に相当する金額の総額を、あらかじめ当該印紙保険料納付計器を設置した事業場の所在地を管轄する都道府県労働局収入官吏に納付しなければならない。
D × (則43条2項)雇用保険印紙が変更された場合、買戻しの期間は、雇用保険印紙が変更された日から6月間である。
E × (法46条)本肢の場合には、法46条の罰則が適用され、6月以下の懲役又は「30万円以下の罰金」に処せられる。なお、法46条の罰則は、「日雇労働被保険者を使用する事業主が、法23条2項(印紙保険料の納付)の規定に違反して雇用保険印紙をはらず、又は消印しなかった場合」に適用されるものであり、「1,000円以上」という規定はない。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働保険徴収法の雇用問9は、D以外のいずれの肢も難易度が高く、正解するのは難しかったと思われます。
次回もがんばりましょう。
2023年12月12日
77問目は、択一式の労働保険徴収法です。
正答率44%の問題です。
<問題( 択一式 徴収 (災)問8 )>
〔問 8〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問においては保険年度の中途に特別加入者の事業の変更や異動等はないものとする。
A 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の4であり、当該中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第1種特別加入保険料の額は17,520円となる。
B 有期事業について、中小事業主等が労災保険法第34条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者が概算保険料として納付すべき第1種特別加入保険料の額は、同項の承認に係る全期間における特別加入保険料算定基礎額の総額の見込額に当該事業についての第1種特別加入保険料率を乗じて算定した額とされる。
C 労災保険法第35条第1項の規定により労災保険の適用を受けることができることとされた者に係る給付基礎日額が12,000円である場合、当該者の事業又は作業の種類がいずれであっても令和5年度の保険年度1年間における第2種特別加入保険料の額が227,760円を超えることはない。
D フードデリバリーの自転車配達員が労災保険法の規定により労災保険に特別加入をすることができる者とされた場合、当該者が納付する特別加入保険料は第2種特別加入保険料である。
E 中小事業主等が行う事業に係る労災保険率が1,000分の9であり、当該中小事業主等に雇用される者が労災保険法第36条第1項の規定により保険給付を受けることができることとされた者である場合、当該者に係る給付基礎日額が12,000円のとき、令和5年度の保険年度1年間における第3種特別加入保険料の額は39,420円となる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
E
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法13条、則21条)本肢のとおりである。給付基礎日額が12,000円のときは、保険料算定基礎額は4,380,000円(12,000円×365日)となり、労災保険料率が1,000分の4であるので、令和5年度の第1種特別加入保険料は17,520円(4,380,000円×1,000分の4)となる。
B 〇 (法13条、則21条、平7.3.30労徴発28号)本肢のとおりである。
C 〇 (法14条、則23条、則別表第5)本肢のとおりである。第2種特別加入保険料率は、最高1,000分の52から最低1,000分の3の範囲内で定められている。最高が1,000分の52であるため、第2種特別加入保険料の額が、227,760円(12,000円×365日×1,000分の52)を超えることはない。
D 〇 (法14条、則23条、則別表第5、労災則46条の17)本肢のとおりである。
E × (法14条の2、則23条の3)第3種特別加入保険料率は、事業の種類にかかわらず1,000分の3の定率であるため、本肢の場合、第3種特別加入保険料の額は13,140円(12,000円×365日×1,000分の3)となる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働保険徴収法の労災問8は、計算を伴う肢もあり、難しいと思われます。Eはひっかけですが、見抜くことができれば難なく得点できますが、なかなかそうはいかないと思います。
次回もがんばりましょう。
2023年12月08日
73問目は、択一式の労働保険徴収法です。
正答率46%の問題です。
<問題( 択一式 徴収 (雇)問8 )>
〔問 8〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 不動産業を継続して営んできた事業主が令和5年7月10日までに確定保険料申告書を提出しなかった場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知するとともに労働保険徴収法第27条に基づく督促が行われる。
B 小売業を継続して営んできた事業主が令和4年10月31日限りで事業を廃止した場合、確定保険料申告書を同年12月10日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官あてに提出しなければならない。
C 令和4年6月1日に労働保険の保険関係が成立し、継続して交通運輸事業を営んできた事業主は、概算保険料の申告及び納付手続と確定保険料の申告及び納付手続とを令和5年度の保険年度において同一の用紙により一括して行うことができる。
D 令和4年4月1日に労働保険の保険関係が成立して以降金融業を継続して営んでおり、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業主は、令和5年度の保険年度の納付すべき概算保険料の額が10万円であるとき、その延納の申請を行うことはできない。
E 令和4年5月1日から令和6年2月28日までの期間で道路工事を行う事業について、事業主が納付すべき概算保険料の額が120万円であったとき、延納の申請により第1期に納付すべき概算保険料の額は24万円とされる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
C
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A × (法19条4項、コンメンタール)認定決定が行われた場合には、労働保険徴収法27条に基づく督促が行われるのは、認定決定に係る通知があってもなお法定納期限(通知を受けた日から15日以内)までに納付しないときに限られる。
B × (法19条1項)令和4年10月31日に事業を廃止した場合は、保険関係が消滅した日(事業の廃止の日の翌日)から50日以内である「12月20日」までに、確定保険料申告書を提出しなければならない。
C 〇 (法15条1項、法19条1項、様式6号、コンメンタール)本肢のとおりである。継続事業については通常の場合、確定保険料の申告・納期限は概算保険料の申告・納期限と同日となるため、確定保険料の申告・納付手続と概算保険料の申告・納付手続とを同一用紙により一括して行うことができる。
D × (法18条、則27条)労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託しているときは、概算保険料の金額にかかわらず、延納の申請を行うことができる。
E × (法18条、則28条)本肢の場合には、延納の回数は6回となるため、第1期に納付すべき概算保険料の額は「20万円」である。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働保険徴収法の雇用問8は、Aと正解肢のCで迷うところになると思われます。いずれもコンメンタールからの出題で、どちらかが明確にわかっていれば正解できることになりますが、わからなければ2択となり五分五分の確率になってしまいます。
次回もがんばりましょう。
2023年11月09日
42問目は、択一式の労働保険徴収法です。
正答率70%の問題です。
<問題( 択一式 徴収 (雇)問10 )>
〔問 10〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 労働保険徴収法における「賃金」のうち、食事、被服及び住居の利益の評価に関し必要な事項は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長が定めることとされている。
B 国の行う立木の伐採の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては、特例により算定した額を当該事業に係る賃金総額とすることが認められている。
C 雇用保険率は、雇用保険法の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らし、将来にわたって、雇用保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとされる。
D 厚生労働大臣は、労働保険徴収法第12条第5項の場合において、必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見を聴いて、各保険年度の1年間単位で雇用保険率を同項に定める率の範囲内において変更することができるが、1年間より短い期間で変更することはできない。
E 一般の事業について、雇用保険率が1,000分の15.5であり、二事業率が1,000分の3.5のとき、事業主負担は1,000分の9.5、被保険者負担は1,000分の6となる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
E
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A × (法2条3項)賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、「厚生労働大臣」が定める。
B × (法11条3項)労災保険に係る保険関係が成立している立木の伐採の事業であって、賃金総額を正確に算定することが困難なものについては賃金総額の特例が適用されるが、国の行う事業については労災保険の保険関係が成立しないため、この特例は適用されない。
C × (法12条2項・4項)本肢のような規定はない。なお、労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らし将来にわたって、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならない。
D × (法12条5項)厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見を聴いて、「1年以内」の期間を定め、雇用保険率を一定の範囲内において変更することができる。
E 〇 (法31条1項・3項)本肢のとおりである。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働保険徴収法の雇用問10のEの雇用保険率は、覚えておかないとならない数字ですので、ここは正解したいところです。
次回もがんばりましょう。
2023年10月31日
32問目は、択一式の労働保険徴収法です。
本日は月末に付き、問題数の調整のため3問出題しますが、本日の2問目になります。
正答率76%の問題です。
<問題( 択一式 徴収 (災)問10 )>
〔問 10〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 事業主が同一人である2以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、労働保険徴収法施行規則第10条で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該2以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることを継続事業の一括という。
B 継続事業の一括に当たって、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業と、一元適用事業であって労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立している事業とは、一括できない。
C 継続事業の一括に当たって、雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業については、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくしている必要はない。
D 暫定任意適用事業にあっては、継続事業の一括の申請前に労働保険の保険関係が成立していなくとも、任意加入の申請と同時に一括の申請をして差し支えない。
E 労働保険徴収法第9条の継続事業の一括の認可を受けようとする事業主は、所定の申請書を同条の規定による厚生労働大臣の一の事業の指定を受けることを希望する事業に係る所轄都道府県労働局長に提出しなければならないが、指定される事業は当該事業主の希望する事業と必ずしも一致しない場合がある。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
C
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法9条)本肢のとおりである。なお、継続事業の一括は事業主が申請をし、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
B 〇 (法9条、則10条1項)本肢のとおりである。一括に当たっては、保険関係の同一性が必要とされる。
C × (法9条、コンメンタール)雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業についても、それぞれの事業が労災保険率表による事業の種類を同じくする必要がある。
D 〇 (法9条、コンメンタール)本肢のとおりである。則10条1項の「保険関係が成立している事業」とは、必ずしも一括の申請前に保険関係が成立している場合に限らないとされている。
E 〇 (法9条、コンメンタール)本肢のとおりである。指定事業は、一括される事業のうち労働保険事務を的確に処理する事務能力を有すると認められるものに限られる。したがって、事業主の希望する事業と必ずしも一致しない場合がある。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働保険徴収法の労災問10は、正解肢であるCの誤りが比較的気付きやすいことから、正解することは難しくなかったと思われます。
次回もがんばりましょう。