2023統計数値(ランチタイム・スタディ)
2023年01月04日
「ランチタイム・スタディ2023統計数値」の1日目は、「令和4年就労条総合調査結果の概況」から「所定労働時間・休日等の動向」の調査記載内容です。
所定労働時間・休日等の動向
【令和4年就労条件総合調査結果の概況】
(1) 所定労働時間
1日の所定労働時間は、1企業平均7時間48分、労働者1人平均7時間47分となっている。
週所定労働時間は、1企業平均39時間28分となっており、これを産業別にみると、「金融業,保険業」が38時間19分で最も短く、「宿泊業,飲食サービス業」が39時間52分で最も長くなっている。
また、労働者1人平均の週所定労働時間は39時間08分となっている。
<ポイント>
・数字を正確に覚える必要はありません。1日の所定労働時間は「8時間弱」、週所定労働時間は「39時間強」で構いません。
・「1企業平均」と「労働者1人平均」が出てきますが、主としてとらえていただきたい方は「1企業平均」です。
(2) 週休制
主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は83.5%となっており、さらに「完全週休2日制」を採用している企業割合は48.7%となっている。
[主な週休制の形態別企業割合(令和4年調査)]
<ポイント>
・「何らかの週休2日制」と「完全週休2日制」を混同しないようにしてください。「何らかの週休2日制」は、「完全週休2日制」と「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」との合計であり、「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」は含まれていません。
・「完全週休2日制」の採用企業割合は5割に達していません。
・「何らかの週休2日制」の採用企業割合が8割台なので、万一、「何らかの週休2日制にも満たない企業の割合」を聞かれた場合、「1割を超えている」と思わないでください。「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」を採用している企業割合が、1割弱ありますので、「何らかの週休2日制にも満たない企業の割合」は1割を割り込みます。このことは、「週休1日制」や「週休1日半制」では、人員確保がおぼつかないことを意味しています。逆に言うと、「週休1日制」や「週休1日半制」を採用している企業は、その分、賃金が高くなければ労働者の確保ができないということになります。
「完全週休2日制」を採用している企業を企業規模別にみると、企業規模が大きいほど完全週休2日制を採用している企業割合は高い。
[企業規模別週休2日制の採用企業割合]
<ポイント>
・「完全週休2日制」を採用している企業を企業規模別にみると、企業規模が大きいほど完全週休2日制を採用している企業割合は高くなり、「1,000人以上規模企業」、「300~999人規模企業」では、6割を超えています。
週休制の形態別適用労働者割合をみると、「何らかの週休2日制」は86.7%となっており、さらに「完全週休2日制」は59.8%となっている。
[週休2日制の形態別適用労働者割合]
<ポイント>
・「何らかの週休2日制」は「採用企業割合」も「適用労働者割合」も8割台で変わりませんが、「完全週休2日制」は、「採用企業割合」は5割に満たないのに対し、「適用労働者割合」は6割近くになります。
(3) 年間休日総数
令和4年調査における令和3年1年間の年間休日総数の1企業平均は107.0日(令和3年調査110.5日)、労働者1人平均は115.3日(同116.1日)となっている。
1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、企業規模が大きいほど休日日数は多い。
<ポイント>
・年間休日総数の1企業平均が、前回よりも3.5日も短くなり、110日を割り込んでいます。ここは、少々気に留めておいた方がいいかもしれません。
初回から盛りだくさんで、「わーっ、大変だ!」と思った人がいるかもしれません。
少々、動きがみられるので、作成するのにも時間がかかりました。
今回は、ちょうど切りのいいところで終えたかったこともありますので、次回以降は刻んでいきます。
次回もがんばっていきましょう。

2023年01月05日
「ランチタイム・スタディ2023統計数値」の2日目は、「令和4年就労条総合調査結果の概況」から「所定労働時間・休日等の動向」の調査記載内容です。
所定労働時間・休日等の動向
【令和4年就労条件総合調査結果の概況】
(4) 年次有給休暇の取得状況
令和3年の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1人平均は17.6日、このうち労働者が取得した日数は10.3日で、取得率は58.3%となっており、昭和59年以降過去最高となっている。
取得率を産業別にみると、「複合サービス事業」が72.4%と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」が44.3%と最も低くなっている。
[労働者1人平均年次有給休暇の企業規模別取得状況]
<ポイント>
・取得率は58.3%でしたから、過去最高といえども、昨年の56.6%より2%も伸びていません。
・取得率を企業規模別にみると、企業規模が大きい企業ほど取得率が高く、すべての企業規模で50%を超えています。
・1,000人以上規模企業のみ、取得率は60%を超えています。
・今回も前回に引き続き、男女別はまだ出ていません。(概況に掲載しない理由は、男女別よりも企業規模別、産業別の方が重要とのことです。)
(5) 年次有給休暇の計画的付与制度
年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は43.1%となっており、これを計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が71.4%と最も高くなっている。
<ポイント>
・年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は5割弱です。
・有給休暇取得日の指定義務化に対する企業側の対応の選択肢には、「個別指定方式」と「計画年休制度の導入」が挙げられますが、「計画年休制度の導入」を採用した場合に、計画的付与日数が「3~4日」では漏れが出てきてしまう労働者が出てきてしまうことを考えると、強制付与の「5日」とした企業が多かったことがうかがえます。
<有給休暇取得日の指定義務化に対する企業側の対応の選択肢(参考)>
次回もがんばりましょう。

2023年01月06日
「ランチタイム・スタディ2023統計数値」の3日目は、「令和4年就労条件総合調査結果の概況」から「所定労働時間・休日等の動向」の調査記載内容です。
所定労働時間・休日等の動向
【令和4年就労条件総合調査結果の概況】
(6) 特別休暇制度
夏季休暇、病気休暇等の特別休暇制度がある企業割合は58.9%となっており、これを特別休暇制度の種類(複数回答)別にみると、「夏季休暇」41.5%、「病気休暇」22.7%、「リフレッシュ休暇」11.8%、「ボランティア休暇」4.2%、「教育訓練休暇」4.0%、「左記以外の1週間以上の長期の休暇」15.1%となっている。
<ポイント>
・特別休暇制度がある企業割合は約6割です。
・特別休暇制度がある企業の種類は、「夏季休暇」が一番多く、次いで「病気休暇」、「1週間以上の長期の休暇」の順で、「ボランティア休暇」や「教育訓練休暇」は少ない状況です。
・ただし、一番多い「夏季休暇」でも約4割であり、5割には達していません。特別休暇制度がある企業6割、うち「夏季休暇」がある企業4割と押さえておきましょう。
[特別休暇制度の有無、種類別企業割合(%)]
<ポイント>
・特別休暇制度がある企業の割合は、企業規模が大きいほど多くなっています。
・ただし、特別休暇制度の中で「夏季休暇」は、企業規模が小さいほど制度がある企業割合は高くなっています。
・特別休暇制度がある企業の種類は、全体では「夏季休暇」が一番多くなりますが、1,000人以上規模企業の場合、「リフレッシュ休暇」が最も高く、次いで「病気休暇」、「夏季休暇」の順となります。
・「ボランティア休暇」については、全体では約4%しか制度を採用している企業はありませんが、1,000人以上規模企業の場合には約2割と、約5社に1社に制度があることがわかります。
次回もがんばりましょう。

2023年01月09日
(1月7日(土)はお休みしてしまいました。)
変形労働時間制及びみなし労働時間制の採用状況
【令和4年就労条件総合調査結果の概況】
(1)変形労働時間制の採用状況
変形労働時間制を採用している企業割合は64.0%となっており、これを企業規模別にみると、「1,000人以上」が77.9%、「300~999人」が69.7%、「100~299人」が66.1%、「30~99人」が62.4%と企業規模が大きいほど採用している企業割合は高い。
変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が34.3%、「1か月単位の変形労働時間制」が26.6%、「フレックスタイム制」が8.2%となっている。
変形労働時間制の適用を受ける労働者割合は52.1%となっており、これを変形労働時間制の種類別にみると、「1年単位の変形労働時間制」は19.0%、「1か月単位の変形労働時間制」は22.7%、「フレックスタイム制」は10.3%となっている。
<ポイント>
・変形労働時間制を採用している「企業割合」は約6割、変形労働時間制の適用を受ける「労働者割合」は約5割です。
・ただし、今回の調査では、変形労働時間制を採用している企業割合は64.0%と、前回の59.6%より大きく伸びていますので気に留めておきたいところです。それに伴い、「30~99人」が62.4%と、企業規模が最も小さい企業でも6割を上回っています。
・変形労働時間制を採用している企業割合は、企業規模が大きいほど高くなっています。
※ここは、おかしいなと思った方もいらっしゃると思います。というのも、「変形労働時間制を採用している企業割合は、企業規模が大きいほど高い」のであれば、『「企業割合」よりも、「労働者割合」の方が高くなるはずではないか?』と思われるはずです。しかし、仮に従業員1,000人の大企業が、変形労働時間制を採用していても、適用労働者は1,000人(全従業員)とは限らず、むしろ適用労働者数は100人であったりするので、労働者割合の方が低くなります。
・変形労働時間制を採用している企業割合を種類別にみると、「1年単位」が最も多く、次いで「1か月単位」、「フレックス」となっていますが、変形労働時間制の適用を受ける労働者割合を種類別にみると、「1か月単位」が最も多く、次いで「1年単位」、「フレックス」で順番が違います。これは、1,000人以上の大企業が、「1か月単位」を採用することが多いため、労働者でカウントすると、「1か月単位」の方が「1年単位」よりも多くなるからです。(大企業は、企業数は「1」であっても、適用労働者数はたとえば「1,000」などととカウントされるためです。)
・就労条件総合調査の概況の文章の記述はありませんが、1,000人以上の大企業は、「1か月単位」(約5割)、「フレックス」(約3割)、「1年単位」(約2割)の順になります。「1か月単位」次にくるのが「フレックス」であることは試験対策としても重要です。
・就労条件総合調査の概況の文章の記述はありませんが、「1年単位」を採用している企業割合を企業規模別にみると、企業規模が大きくなるほど採用割合は低くなっています。反対に、「1か月単位」「フレックス」を採用している企業割合は、企業規模が大きくなるほど採用割合が高くなっています。
ここは、これだけの記述ですが、いくつもの試験問題を作ることが可能な箇所であり、見逃せない箇所ですので、頑張って覚えていってください。
次回もがんばりましょう。

2023年01月10日
変形労働時間制及びみなし労働時間制の採用状況
【令和4年就労条件総合調査結果の概況】
(2)みなし労働時間制の採用状況
みなし労働時間制を採用している企業割合は14.1%となっており、これをみなし労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が12.3%、「専門業務型裁量労働制」が2.2%、「企画業務型裁量労働制」が0.6%となっている。
みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は7.9%となっており、これをみなし労働時間制の種類別にみると、「事業場外みなし労働時間制」が6.5%、「専門業務型裁量労働制」が1.2%、「企画業務型裁量労働制」が0.2%となっている。
<ポイント>
・みなし労働時間制を採用している企業割合は10%を超えていますが、みなし労働時間制の適用を受ける労働者割合は10%を超えていません。以前、本試験に出題された箇所です。
・就労条件総合調査結果の概況の文章には記載されていませんが、みなし労働時間制を採用している企業割合は、企業規模が大きくなるほど採用割合が高くなっています。
※みなし労働時間制を採用している企業割合は、企業規模が大きくなるほど採用割合が高くなっているにもかかわらず、採用企業の割合よりも適用労働者割合の方が低い理由は、以前のポイントに書いたものと同じ理由です。
・みなし労働時間制を採用している企業割合、適用を受ける労働者割合共に、種類別(複数回答)にみた場合、「事業場外みなし」が最も多く、次いで「専門業務型」、「企画業務型」となっています。特に「企画業務型」は、1%にも満たないことは頭の片隅に留めておいてください。
次回もがんばりましょう。
