「平成30年版労働経済白書」読み解き

2019年01月20日

『「平成30年版労働経済白書」読み解き』を開始します。

どういうものかといいますと、「平成30年版労働経済白書」の要旨を掲載していきます。
基本的には、各単元ごとに、「要旨」→「練習問題(択一式)」の並びで実施していきます。

最新版の平成30年版労働経済白書の内容を短期間に詰め込むよりも、少しずつ」、「早め」に目を通しておきたい方向けです。
ただ、最後にもう一回、全部を振り返ることも可能ですから、あとで一気にやることも可能です。

現在、「平成30年版厚生労働白書」は、例年に比べ大幅に遅い発行となっており、1月20日時点でいまだ、発売されていない状況ですが、「平成30年版労働経済白書」は例年どおりの日程で発売されていますので、早めに目を通しておいて損はありません。

基本的に土・日・祝日にアップしていきます。
第1回は、1月26日(土)です。


それでは、お楽しみに!



2019年01月26日

「平成30年版労働経済白書」読み解き1を始めます。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。

1.雇用・失業等の動向

●企業倒産は減少を続けているが、「求人難型」の倒産件数はやや増加している
企業の倒産件数の動向について、(株)東京商工リサーチの調査による倒産件数の推移をみると、リーマンショックの影響を受けた2008年に増加したが、2009年以降は減少が続いており、2017年で9年連続の減少となった。他方、2017年の人手不足関連倒産件数の状況をみると、「後継者難」型が最も多くなっているが、「求人難」型における倒産件数がやや増加した。

●実質GDP成長率が上昇するほど完全失業率は低下する関係がみられる
一般経済の動向と雇用情勢との関係性について確認すると、実質GDPの変化と完全失業率の変化との間には、オークンの法則と呼ばれる負の相関が成り立つことが知られている。我が国における2000年以降の状況について確認すると、実質GDP成長率が上昇するほど完全失業率が低下するといった負の相関を確認することができる。すなわち、日本経済が緩やかに回復していることが、完全失業率の低下など雇用情勢の改善につながっていくことが分かる。

●失業率の国際比較について
OECD主要国の失業率の動向を比較すると、2017年の年齢計のOECD平均は5.8%となる中、我が国は2.8%と3%ポイント低い水準にあり、OECD主要国と比較しても最も低い水準となっている。
また、我が国の2017年における15~24歳の失業率は4.7%と、OECD主要国の中で最も低い水準にあるが、これは、若年層の雇用環境が改善していることに加え、新卒一括採用等といった我が国の雇用慣行による影響があるものと考えられる。

●若年層においても非自発的な失業は減少している
年齢階級別及び求職理由別に完全失業者数の動向を概観すると、2013年以降、「65歳以上」を除く各年齢階級において非自発的な理由による完全失業者は減少傾向にあり、その減少幅は各年齢階級とも約5割程度となっている。

●短期失業者だけでなく、長期失業者も減少傾向にある
年齢階級別及び失業期間別に完全失業者数の動向を概観すると、2013年以降、各年齢階級において失業期間1年以上の完全失業者(以下「長期失業者」という。)は減少傾向にある。また、失業期間1年未満の完全失業者(以下「短期失業者」という。)についても、「65歳以上」を除き、おおむね減少傾向にある。


お疲れ様でした。
明日は、この部分の練習問題です。



2019年01月27日

「平成30年版労働経済白書」読み解き1「雇用・失業等の動向」の練習問題です。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。


〔問〕 雇用・失業等の動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問においては「平成30年版労働経済白書」を参照している。

A 2017年の人手不足関連倒産件数の状況をみると、「求人難」型が最も多くなっているが、「後継者難」型における倒産件数がやや増加した。

B 我が国における2000年以降の状況について確認すると、実質GDP成長率が上昇するほど完全失業率が上昇するといった正の相関を確認することができる。

C OECD主要国の失業率の動向を比較すると、2017年の年齢計のOECD平均は2.8%となる中、我が国は5.8%と3%ポイント高い水準にあり、OECD主要国と比較しても最も高い水準となっている。

D 年齢階級別及び求職理由別に完全失業者数の動向を概観すると、2013年以降、「25歳未満」を除く各年齢階級において非自発的な理由による完全失業者は減少傾向にある。

E 年齢階級別及び失業期間別に完全失業者数の動向を概観すると、2013年以降、各年齢階級において長期失業者(失業期間1年以上の完全失業者)は減少傾向にある。また、短期失業者(失業期間1年未満の完全失業者)についても、「65歳以上」を除き、おおむね減少傾向にある。





-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



E



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

A ☓ (平成30年版白書) 2017年の人手不足関連倒産件数の状況をみると、「後継者難」型が最も多くなっているが、「求人難」型における倒産件数がやや増加した。

B ☓ (平成30年版白書) 我が国における2000年以降の状況について確認すると、実質GDP成長率が上昇するほど完全失業率が「低下」するといった「負」の相関を確認することができる。

C ☓ (平成30年版白書) OECD主要国の失業率の動向を比較すると、2017年の年齢計のOECD平均は「5.8%」となる中、我が国は「2.8%と3%ポイント「低い」水準にあり、OECD主要国と比較しても最も「低い」水準となっている。

D ☓ (平成30年版白書) 年齢階級別及び求職理由別に完全失業者数の動向を概観すると、2013年以降、「65歳以上」を除く各年齢階級において非自発的な理由による完全失業者は減少傾向にある。

E 〇 (平成30年版白書) 本肢のとおりである。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・平成30年版白書から、雇用・失業等の動向に関する問題です。白書の問題を解くうえでは、すべてを完全に理解しようとせずに、完全に誤りである肢を見抜く中で、正解である可能性の高い肢をしぼっていくよう心掛けましょう。



次回もがんばりましょう。




2019年02月02日

「平成30年版労働経済白書」読み解き2を始めます。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。

2.就業者・雇用者の動向

●就業者数、雇用者数は増加傾向にある一方で、自営業者・家族従業者数は減少傾向にある
就業者数、雇用者数、自営業主・家族従業者数の推移をみると、就業者数、雇用者数ともに2012年以降から増加傾向にあるが、自営業主・家族従業者数は趨勢的に減少傾向にあり、2017年は679万人となり、700万人を下回った。企業の経営者の平均年齢が2009年の59.6歳から2017年には61.5歳に上昇し、経営者の高齢化が進む中、休廃業・解散の増加についても、経営者の高齢化が大きな要因となっているものと考えられる。

●男女ともに正規雇用労働者が大きく増加している
雇用形態別に雇用者数の推移をみると、リーマンショックの影響によって2009年に一時的に減少したものの、非正規雇用労働者の数は趨勢的に増加傾向にあり、2015年以降からは正規雇用労働者の数も増加傾向にある。

●非正規の働き方は、男女ともに65歳以上において増加している
男女別、年齢階級別及び雇用形態別に雇用者数の動向をみると、非正規雇用労働者については、2013年以降、男女ともに「65歳以上」で大きく増加しているが、これは、定年退職後も継続雇用等により、自分の都合のよい時間で、また、家計補助の目的などで非正規によって働き続ける高齢者が増加していることが一因となっていると考えられる。また、女性では「45~54歳」や「55~64歳」においても、増加傾向にあることが分かる。

●15~54歳において、正規転換は引き続き増加している
15~54歳の層における過去3年間に離職した者のうち「非正規から正規へ転換した者」の人数から「正規から非正規へ転換した者」の人数を差し引いた人数(以下「正規転換を行った者の人数」という。)をみると、年平均では2013年以降5年連続でプラスとなっている。
厚生労働省「平成27年転職者実態調査」により、非正社員から正社員に転換した者が、現在の勤め先を選んだ理由をみると、「自分の技能・能力が活かせる」「仕事の内容・職種に満足」が多くなっており、さらに「労働条件(賃金以外)がよい」といった理由を挙げる者も多くなっている。

●製造業、非製造業ともに人手不足感が高まっており、バブル期に次ぐ水準となっている
短観の雇用人員判断D.I.の推移を全産業でみると、2013年に過剰から不足に転じた後、人手不足感は趨勢的に高まっており、直近の2018年3月調査の雇用人員判断D.I.は、全産業・製造業・非製造業のいずれもバブル期に次ぐ人手不足感となっており、1992年3月調査以来26年ぶりの水準となっている。


お疲れ様でした。
明日は、この部分の練習問題です。



2019年02月03日

「平成30年版労働経済白書」読み解き2「就業者・雇用者の動向」の練習問題です。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。


〔問〕 就業者・雇用者の動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問においては「平成30年版労働経済白書」を参照している。

A 就業者数、雇用者数、自営業主・家族従業者数の推移をみると、就業者数、雇用者数ともに2012年以降から増加傾向にあり、自営業主・家族従業者数は趨勢的に増加傾向にある。

B 雇用形態別に雇用者数の推移をみると、非正規雇用労働者の数は趨勢的に減少傾向にあり、2015年以降からは正規雇用労働者の数は増加傾向にある。

C 男女別、年齢階級別及び雇用形態別に雇用者数の動向をみると、非正規雇用労働者については、2013年以降、男女ともに「65歳以上」で大きく増加している。

D 15~54歳の層における過去3年間に離職した者のうち「非正規から正規へ転換した者」の人数から「正規から非正規へ転換した者」の人数を差し引いた人数(以下「正規転換を行った者の人数」という。)をみると、年平均では2013年以降5年連続でマイナスとなっている。

E 厚生労働省「平成27年転職者実態調査」により、非正社員から正社員に転換した者が、現在の勤め先を選んだ理由をみると、「自分の技能・能力が活かせる」「仕事の内容・職種に満足」が多くなっているが、「労働条件(賃金以外)がよい」といった理由を挙げる者は少ない。




-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



C



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

A ☓ (平成30年版白書) 就業者数、雇用者数、自営業主・家族従業者数の推移をみると、就業者数、雇用者数ともに2012年以降から増加傾向にあるが、自営業主・家族従業者数は趨勢的に「減少」傾向にあり、2017年は679万人となり、700万人を下回った。企業の経営者の平均年齢が2009年の59.6歳から2017年には61.5歳に上昇し、経営者の高齢化が進む中、休廃業・解散の増加についても、経営者の高齢化が大きな要因となっているものと考えられる。

B ☓ (平成30年版白書) 雇用形態別に雇用者数の推移をみると、非正規雇用労働者の数は趨勢的に「増加」傾向にあり、2015年以降からは正規雇用労働者の数も増加傾向にある。

C 〇 (平成30年版白書) 本肢のとおりである。男女別、年齢階級別及び雇用形態別に雇用者数の動向をみると、非正規雇用労働者については、2013年以降、男女ともに「65歳以上」で大きく増加しているが、これは、定年退職後も継続雇用等により、自分の都合のよい時間で、また、家計補助の目的などで非正規によって働き続ける高齢者が増加していることが一因となっていると考えられる。また、女性では「45~54歳」や「55~64歳」においても、増加傾向にあることが分かる。

D ☓ (平成30年版白書) 15~54歳の層における過去3年間に離職した者のうち「非正規から正規へ転換した者」の人数から「正規から非正規へ転換した者」の人数を差し引いた人数(以下「正規転換を行った者の人数」という。)をみると、年平均では2013年以降5年連続で「プラス」となっている。

E ☓ (平成30年版白書) 厚生労働省「平成27年転職者実態調査」により、非正社員から正社員に転換した者が、現在の勤め先を選んだ理由をみると、「自分の技能・能力が活かせる」「仕事の内容・職種に満足」が多くなっており、さらに「労働条件(賃金以外)がよい」といった理由を挙げる者も「多くなっている」。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・平成30年版白書から、就業者・雇用者の動向に関する問題です。「日本では人手不足に悩む企業が多い」ことを前提として、おかしい内容の文章を探しだしましょう。すべてが完全に理解できなくても、白書の文面にに日頃から触れていると、誤りの肢の問題文には違和感があることに気づくようになるはずです。



次回もがんばりましょう。