健保

2023年11月06日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第39問です。
39問目は、択一式の健康保険法です。

正答率71%の問題です。


<問題( 択一式 健保 問9 )>

〔問 9〕 健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 被保険者甲の産前産後休業開始日が令和4年12月10日で、産前産後休業終了日が令和5年3月8日の場合は、令和4年12月から令和5年2月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。

イ 被保険者乙の育児休業等開始日が令和5年1月10日で、育児休業等終了日が令和5年3月31日の場合は、令和5年1月から令和5年3月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。

ウ 被保険者丙の育児休業等開始日が令和5年1月4日で、育児休業等終了日が令和5年1月16日の場合は、令和5年1月の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。

エ 入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)とする。

オ 特定長期入院被保険者(療養病床に入院する65歳以上の被保険者)が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等である病院又は診療所のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。

A (アとイ)  B (アとウ)  C (イとウ)
D (ウとオ)  E (エとオ)


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step1 正解は・・・


A


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step2 解説

(法159条の3)本肢のとおりである。産前産後休業期間中については、事業主が申し出ることにより、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、被保険者に関する保険料は徴収されない。

(法159条1項)本肢のとおりである。育児休業等を開始した日の属する月とその育児休業等が終了する日の翌日が属する月とが異なる場合には、育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの月について、保険料免除の対象となる。

× (法159条1項)本肢の場合、育児休業等の日数が14日未満であるため、令和5年1月の保険料は免除されない。

× (法85条2項)入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)から、「食事療養標準負担額を控除した額」である。

× (法85条の2第1項)本肢の場合には、「入院時生活療養費」が支給される。なお、「生活療養」とは、①食事の提供である療養、②温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養であって、病院又は診療所への入院たる療養の給付と併せて行われるもの(特定長期入院被保険者に係るものに限る)をいう。


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問9のア~ウはいずれも事例問題でしたが、この3つについては、セットで押さえておくべき内容です。そこが分かっていれば、本問は正解できます。



次回もがんばりましょう。




2023年11月05日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第38問です。
38問目は、択一式の健康保険法です。

正答率72%の問題です。


<問題( 択一式 健保 問6 )>

〔問 6〕 健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 別居している兄弟が共に被保険者であり、その父は弟と同居しているが、兄弟が共に父を等分の扶養により生計を維持している場合、父が死亡したときの家族埋葬料は、兄弟の両方に支給される。

B 療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る事由が第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者は、30日以内に、届出に係る事実並びに第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)及び被害の状況を記載した届書を保険者に提出しなければならない。

C 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない。

D 被保険者又は被保険者であった者が、少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき又は刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたときのいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行わないが、その被扶養者に係る保険給付も同様に行わない。

E 厚生労働大臣は、指定訪問看護事業を行う者の指定の申請があった場合において、申請者が、社会保険料について、当該申請をした日の前日までに、社会保険各法又は地方税法の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく3か月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料又は地方税法に基づく税を一部でも引き続き滞納している者であるときは、その指定をしてはならない。(R5-6E)



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step1 正解は・・・


C


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step2 解説

× (法113条、昭23.4.28保発623号)本肢の場合には、その父は弟の被扶養者として取り扱い、その家族埋葬料は弟である被保険者に支給する。

× (則65条)本肢の届書は、「30日以内」ではなく「遅滞なく」提出しなければならない。

(法55条4項)本肢のとおりである。なお、「他の法令」とは、災害救助法等が該当する。

× (法118条)前段部分は正しいが、被扶養者に係る保険給付は行われる。

× (法89条4項)厚生労働大臣は、指定訪問看護事業を行う者の指定の申請があった場合において、申請者が、社会保険料について、当該申請をした日の前日までに、社会保険各法又は地方税法の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく3月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料の「すべてを」引き続き滞納している者であるときは、その指定をしてはならない。


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問6は、A、B、D辺りは誤りであることがわかると思われますので、消去法からでも正解にたどり着けたであろう問題です。



次回もがんばりましょう。




2023年10月23日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第23問です。

23問目は、択一式の健康保険法です。


正答率80%の問題です。


<問題( 択一式 健保 問10 )>

〔問 10〕 傷病手当金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が業務外の疾病により労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して4日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。

B 傷病手当金の待期期間について、疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能になった場合は、待期の適用がない。

C 傷病手当金を受ける権利の消滅時効は2年であるが、その起算日は労務不能であった日ごとにその当日である。

D 令和5年4月1日に被保険者の資格を喪失した甲は、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上の被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)期間を有する者であった。甲は、令和5年3月27日から療養のため労務に服することができない状態となったが、業務の引継ぎのために令和5年3月28日から令和5年3月31日までの間は出勤した。この場合、甲は退職後に被保険者として受けることができるはずであった期間、傷病手当金の継続給付を受けることができる。

E 傷病手当金の支給期間中に被保険者が死亡した場合、当該傷病手当金は当該被保険者の死亡日の前日分まで支給される。


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step1 正解は・・・


B

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step2 解説

× (法99条1項)被保険者(任意継続被保険者を除く)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して「3日を経過した日」から労務に服することができない期間、傷病手当金が支給される。

(法99条1項、昭2.3.11保理1085号)本肢のとおりである。待期は同一の傷病について1回完成させればよい。

× (法193条、昭30.9.7保険発199号の2)傷病手当金の消滅時効の起算日は、「労務不能であった日ごとにその翌日」である。

× (法104条)傷病手当金の継続給付は、「被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていること」が要件とされる。したがって、退職日に出勤したときは、継続給付を受ける要件を満たさないため、資格喪失後の傷病手当金は支給されない。

× (法99条、法36条)死亡当日は被保険者の資格があるので、本肢の場合は「死亡日の分」まで支給される。なお、被保険者が死亡した場合には、民法の規定による相続人が当然請求権を有する(昭2.2.18保理719号)。


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問10は、Dが事例で長文でしたから、少々やっかいでしたが、正解肢のBが正しいことは比較的見抜きやすく、他の選択肢の誤りも基本事項でしたから、正解できた人が多かったようです。



明日もがんばりましょう。




2023年10月21日

「ランチタイム・スタディ( 2023本試験)」の第21問です。

21問目は、択一式の健康保険法です。


正答率81%の問題です。


<問題( 択一式 健保 問8 )>

〔問 8〕 健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 令和4年10月1日より、弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業に該当する個人事業所のうち、常時5人以上の従業員を雇用している事業所は、健康保険の適用事業所となったが、外国法事務弁護士はこの適用の対象となる事業に含まれない。

B 強制適用事業所が、健康保険法第3条第3項各号に定める強制適用事業所の要件に該当しなくなった場合において、当該事業所の被保険者の2分の1以上が任意適用事業所となることを希望したときは、当該事業所の事業主は改めて厚生労働大臣に任意適用の認可を申請しなければならない。

C 事業所の休業にかかわらず、事業主が休業手当を健康保険の被保険者に支給する場合、当該被保険者の健康保険の被保険者資格は喪失する。

D 被保険者等からの暴力等を受けた被扶養者の取扱いについて、当該被害者が被扶養者から外れるまでの間の受診については、加害者である被保険者を健康保険法第57条に規定する第三者と解することにより、当該被害者は保険診療による受診が可能であると取り扱う。

E 保険料の免除期間について、育児休業等の期間と産前産後休業の期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されることから、育児休業等から引き続いて産前産後休業を取得した場合は、産前産後休業を開始した日の前日が育児休業等の終了日となる。この場合において、育児休業等の終了時の届出が必要である。


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step1 正解は・・・


D


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step2 解説

× (法3条3項、令1条)外国法事務弁護士についても、常時5人以上の従業員を雇用している事業所は、健康保険の適用事業所となる。なお、令和4年10月1日から適用対象とされた士業は、弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、弁理士である。

× (法32条)強制適用事業所が強制適用の要件に該当しなくなったときは、その事業所について任意適用の認可があったものとみなされる。したがって、改めて厚生労働大臣に任意適用の認可を申請する必要はない。

× (昭25.4.14保発20号)本肢の場合には、被保険者資格を継続させる。なお、休業手当等も支払われず、雇用契約は存続していても事実上の使用関係がないと認められるときは被保険者の資格を喪失させる。

(令3.3.29保保発0329第1号)本肢のとおりである。被保険者が自己の故意の犯罪行為等により給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない旨の定めがなされており(法116条)、被保険者の故意の犯罪行為等により被扶養者が療養を受けたときは、当該療養に係る家族療養費は、当該被保険者に支給されるものであることから同条の規定が適用され、保険給付は制限されると解されている。しかしながら、当該被害者が被扶養者から外れるまでの間において、被扶養者の資格のまま緊急的に受診し、金銭的負担を負わざるを得ない場合があるところ、このような場合についてまで法116条の規定を適用し、保険診療による受診を制限することは、故意の犯罪行為等により給付事由を生じさせた被保険者への懲罰的意味において保険給付を行わないこととした同条の規定の趣旨に沿わないものであるとともに、被扶養者から外れるまでの間、実質的に保険給付が受けられない結果となるものである。したがって、当該被害者が被扶養者から外れるまでの間の受診については、加害者である被保険者を法57条に規定する第三者と解して同条の規定を適用し、当該被害者は、保険診療による受診が可能であると取り扱うことが同法の趣旨等に沿うものである。

× (法159条、則135条2項)本肢の場合には、育児休業等の終了時の届出は不要である。育児休業期間と産前産後休業期間が重複する場合には、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されるため、例えば、第1子の育児休業期間中に第2子の産前産後休業を開始したときは、第2子の産前産後休業取得者申出書を提出することで、自動的に第1子の育児休業は終了する。したがって、育児休業取得者終了届を提出する必要はない。




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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問8は、正解肢のDの難易度がやや高かったものの、他の肢の誤りが明確でしたから、消去法での正解が可能でした。



明日もがんばりましょう。




2023年10月20日

「ランチタイム・スタディ(2023本試験)」の第20問です。

20問目は、選択式の健康保険法です。

正答率81%の問題です。


<問題( 選択式 健保 A)>

健康保険法第5条第2項によると、全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、 A が行う。



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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

⑭ 厚生労働大臣
⑮ 全国健康保険協会支部
⑯ 全国健康保険協会本部
⑲ 日本年金機構


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step2 正解は・・・



A → ⑭ 厚生労働大臣(法5条2項)

   

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step3 コメント

・選択式の健康保険法のAは、択一式でも出題される可能性がある基本問題であるため、確実に得点したいところです。



明日もがんばりましょう。