徴収

2022年11月17日

「ランチタイム・スタディ( 2022本試験)」の第49問です。

49問目は、択一式の労働保険徴収法です。


正答率62%の問題です。



<問題( 択一式 徴収 (雇)問9 )>

〔問〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 事業主は、労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業が、保険年度又は事業期間の中途に、労災保険に係る保険関係のみ成立している事業に該当するに至ったため、当該事業に係る一般保険料率が変更した場合、既に納付した概算保険料の額と変更後の一般保険料率に基づき算定した概算保険料の額との差額について、保険年度又は事業期間の中途にその差額の還付を請求できない。

B 事業主は、労災保険に係る保険関係のみが成立している事業について、保険年度又は事業期間の中途に、労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業に該当するに至ったため、当該事業に係る一般保険料率が変更した場合、労働保険徴収法施行規則に定める要件に該当するときは、一般保険料率が変更された日の翌日から起算して30日以内に、変更後の一般保険料率に基づく労働保険料の額と既に納付した労働保険料の額との差額を納付しなければならない。

C 事業主は、保険年度又は事業期間の中途に、一般保険料の算定の基礎となる賃金総額の見込額が増加した場合に、労働保険徴収法施行規則に定める要件に該当するに至ったとき、既に納付した概算保険料と増加を見込んだ賃金総額の見込額に基づいて算定した概算保険料との差額(以下「増加概算保険料」という。)を納期限までに増加概算保険料に係る申告書に添えて申告・納付しなければならないが、その申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は正しい増加概算保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされている。

D 事業主は、政府が保険年度の中途に一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率、第三種特別加入保険料率の引下げを行ったことにより、既に納付した概算保険料の額が保険料率引下げ後の概算保険料の額を超える場合は、保険年度の中途にその超える額の還付を請求できない。

E 事業主は、政府が保険年度の中途に一般保険料率、第一種特別加入保険料率、第二種特別加入保険料率、第三種特別加入保険料率の引上げを行ったことにより、概算保険料の増加額を納付するに至ったとき、所轄都道府県労働局歳入徴収官が追加徴収すべき概算保険料の増加額等を通知した納付書によって納付することとなり、追加徴収される概算保険料に係る申告書を提出する必要はない。



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step1 正解は・・・



C


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step2 解説

(法16条、法附則5条)本肢のとおりである。

(法16条、法附則5条)本肢のとおりである。なお、「労働保険徴収法施行規則に定める要件」は、増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であること、とされている(則25条1項)。

× (法16条、法15条3項)増加概算保険料の申告書の記載に誤りがあると認められる場合であっても、所轄都道府県労働局歳入徴収官による認定決定は行われない。

(法17条)本肢のとおりである。保険年度の途中において一般保険料率及び特別保険料率の「引下げ」を行った場合であっても、労働保険料は還付されない。

(法17条、則26条、コンメンタール)本肢のとおりである。保険料率の引き上げによる概算保険料については、まず、所轄都道府県労働局歳入徴収官が追加徴収すべき概算保険料の増加額等を事業主に通知し、事業主は当該通知が発せられた日から起算して30日を経過した日(すなわち、通知が発せられた日から30日以内に)までに、当該概算保険料の増加額を、納付書により、所定の納付場所へ納付しなければならない。この場合、事業主は、保険料申告書を提出する必要はなく、また納付場所は、概算保険料等についてのそれと同じである。




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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の(雇用)問9は、正解肢であるCについて、増加概算保険料については認定決定は行われないという点が理解できていれば、誤りを問う問題でしたので、正解できるはずですが、そうでないと他の4肢がいずれも正しいという消去法で正解するのは難しかったかもしれません。



明日もがんばりましょう。




2022年10月23日

「ランチタイム・スタディ( 2022本試験)」の第23問です。

23問目は、択一式の労働保険徴収法です。


正答率79%の問題です。



<問題( 択一式 徴収 (雇)問10 )>

〔問〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 雇用保険法第6条に該当する者を含まない4人の労働者を雇用する民間の個人経営による農林水産の事業(船員が雇用される事業を除く。)において、当該事業の労働者のうち2人が雇用保険の加入を希望した場合、事業主は任意加入の申請をし、認可があったときに、当該事業に雇用される者全員につき雇用保険に加入することとなっている。

B 雇用保険の適用事業に該当する事業が、事業内容の変更、使用労働者の減少、経営組織の変更等により、雇用保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日に、自動的に雇用保険の任意加入の認可があったものとみなされ、事業主は雇用保険の任意加入に係る申請書を所轄公共職業安定所長を経由して所轄都道府県労働局長に改めて提出することとされている。

C 事業の期間が予定されており、かつ、保険関係が成立している事業の事業主は、当該事業の予定されている期間に変更があったときは、その変更を生じた日の翌日から起算して10日以内に、①労働保険番号、②変更を生じた事項とその変更内容、③変更の理由、④変更年月日を記載した届書を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって届け出なければならない。

D 政府は、労働保険の事業に要する費用にあてるため保険料を徴収するが、当該費用は、保険給付に要する費用、社会復帰促進等事業及び雇用安定等の事業に要する費用、事務の遂行に要する費用(人件費、旅費、庁費等の事務費)、その他保険事業の運営のために要する一切の費用をいう。

E 政府は、労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を納付しない事業主に対して、同法第27条に基づく督促を行ったにもかかわらず、督促を受けた当該事業主がその指定の期限までに労働保険料その他同法の規定による徴収金を納付しないとき、同法に別段の定めがある場合を除き、政府は、当該事業主の財産を差し押さえ、その財産を強制的に換価し、その代金をもって滞納に係る労働保険料等に充当する措置を取り得る。



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step1 正解は・・・



B


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step2 解説

(法附則2条3項)本肢のとおりである。雇用保険暫定任意適用事業については、その事業に使用される労働者の2分の1以上が希望するときは、当該事業主は任意加入の申請をしなければならない。また、任意加入の認可を受けた場合には、当該事業に雇用される者(適用除外となる者を除く)は、当該認可があった日に被保険者となる。

× (整備法5条3項、法附則2条4項)本肢の場合には、自動的に雇用保険の任意加入の認可があったものとみなされ、保険関係は引き続き成立するため、改めて任意加入に係る申請書を提出する必要はない。

(法4条の2第2項、則5条2項)本肢のとおりである。

(法10法1項、コンメンタール)本肢のとおりである。法10法1項は、①政府が保険料を徴収する権限を有すること、及び、②保険料は労働保険の事業の運営に要する費用の財源とするために徴収するものであることを明らかにしている。

(法27条3項、コンメンタール)本肢のとおりである。なお、法27条3項の「滞納処分」とは、労働保険料等の滞納金を強制的に徴収するため、滞納者の財産を差押え、差押財産を換価してその代金をもって滞納金に充てる行政処分をいい、したがって、滞納処分の根幹をなすものは「財産の差押え」「財産の換価」及び「換価代金等の配当」である。



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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の(雇)問10は、正解肢のBが基本的論点の誤りでしたので、ここは正解しておきたい問題といえます。



明日もがんばりましょう。




2021年12月31日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第92問で最終回です。

92問目は択一式の労働保険徴収法です。
2021年本試験で一番難しかった問題だといえます。

正答率10%の問題です。


<問題( 択一式 徴収 (雇)問8 )>

〔問〕 特例納付保険料の納付等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 雇用保険の被保険者となる労働者を雇い入れ、労働者の賃金から雇用保険料負担額を控除していたにもかかわらず、労働保険徴収法第4条の2第1項の届出を行っていなかった事業主は、納付する義務を履行していない一般保険料のうち徴収する権利が時効によって既に消滅しているものについても、特例納付保険料として納付する義務を負う。

B 特例納付保険料の納付額は、労働保険徴収法第26条第1項に規定する厚生労働省令で定めるところにより算定した特例納付保険料の基本額に、当該特例納付保険料の基本額に100分の10を乗じて得た同法第21条第1項の追徴金の額を加算して求めるものとされている。

C 政府は、事業主から、特例納付保険料の納付をその預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があった場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。

D 労働保険徴収法第26条第2項の規定により厚生労働大臣から特例納付保険料の納付の勧奨を受けた事業主が、特例納付保険料を納付する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対して書面により申し出た場合、同法第27条の督促及び滞納処分の規定並びに同法第28条の延滞金の規定の適用を受ける。

E 所轄都道府県労働局歳入徴収官は、労働保険徴収法第26条第4項の規定に基づき、特例納付保険料を徴収しようとする場合には、通知を発する日から起算して30日を経過した日をその納期限と定め、事業主に、労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項並びに納期限を通知しなければならない。



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step1 正解は・・・



D
   


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step2 解説

× (法26条1項)特例納付保険料の納付は任意の制度であり、対象事業主が「納付する義務を負う」のではなく、「納付することができる」とされている。

× (法26条1項、則57条)特例納付保険料の額は、「特例納付保険料の基本額」に「厚生労働省令で定める額」を加算した額とされているが、特例納付保険料の加算額は、「特例納付保険料の基本額に100分の10を乗じて得た額」であるが、この加算額は追徴金ではない。

× (法26条1項、法21条の2、則38条の4)口座振替により納付することができるものは、納付書によって行われる概算保険料と確定保険料に限られるため、特例保険料は口座振替の対象外とされる。

(法26条5項、法27条、法28条)本肢のとおりである。特例納付保険料の納付の申出を行った事業主は、法定期限までに特例納付保険料を納付しなければならず、納付を怠った場合には、法27条の督促及び滞納処分の規定並びに法28条の延滞金の規定が適用される。

× (法26条4項、則59条)前段部分は正しいが、対象事業主に対する通知事項は、「労働保険料の増加額及びその算定の基礎となる事項並びに納期限」ではなく、「特例納付保険料の額及び納期限」とされている。




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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の雇用問8は、特例納付保険料の納付等に関する問題でした。どの肢も難易度が高く、受験生が選んだ解答はすべての肢にばらける結果となっていて、一般的な学習では太刀打ちできない問題だったといえます。



これでランチタイム・スタディ2021本試験は終了です。

今年もお世話になりました。

良いお年をお迎えください。




2021年12月21日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第82問です。

82問目は、択一式の労働保険徴収法です。


正答率34%の問題です。


<問題( 択一式 徴収 (災)問9 )>

〔問〕 労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問における「概算保険料申告書」とは、労働保険徴収法第15条第1項及び第2項の申告書をいう。

A 事業主が概算保険料を納付する場合には、当該概算保険料を、その労働保険料の額その他厚生労働省令で定める事項を記載した概算保険料申告書に添えて、納入告知書に係るものを除き納付書によって納付しなければならない。

B 有期事業(一括有期事業を除く。)の事業主は、概算保険料を、当該事業を開始した日の翌日から起算して20日以内に納付しなければならないが、当該事業の全期間が200日であり概算保険料の額が80万円の場合には、概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をすることにより、当該概算保険料を分割納付することができる。

C 労働保険徴収法第16条の厚生労働省令で定める要件に該当するときは、既に納付した概算保険料と増加を見込んだ賃金総額の見込額に基づいて算定した概算保険料との差額(以下「増加概算保険料」という。)を、その額その他厚生労働省令で定める事項を記載した申告書に添えて納付しなければならないが、当該申告書の記載事項は増加概算保険料を除き概算保険料申告書と同一である。

D 概算保険料の納付は事業主による申告納付方式がとられているが、事業主が所定の期限までに概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、都道府県労働局歳入徴収官が労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。

E 事業主の納付した概算保険料の額が、労働保険徴収法第15条第3項の規定により政府の決定した概算保険料の額に足りないとき、事業主はその不足額を同項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して15日以内に納付しなければならない。




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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

(法15条1項)本肢のとおりである。

(法18条、則28条)本肢のとおりである。本肢の場合、事業の全期間が6月(180日)を超え、概算保険料が75万円以上であるため、有期事業(一括有期を除く)の概算保険料の延納の条件を満たしている。

× (法16条、則25条)前段部分は正しいが、本肢の「厚生労働省令で定める事項」として、保険料算定基礎額の見込額が増加した年月日や増加後の保険料算定基礎額の見込額を記載する必要があり、概算保険料申告書と同一の記載事項ではない。

(法15条3項)本肢のとおりである。事業主が所定の期限までに概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、政府(所轄都道府県労働局歳入徴収官)は職権により労働保険料の額を決定し(「認定決定」という)、事業主に通知する。

(法15条4項)本肢のとおりである。




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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の労災問9は、比較的難易度の高い肢が多く、自信を持って正解することは困難であったと思われます。



明日もがんばりましょう。




2021年12月18日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第79問です。

79問目は、択一式の労働保険徴収法です。


正答率35%の問題です。


<問題( 択一式 徴収 (災)問8 )>

〔問〕 保険関係の成立及び消滅に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労災保険暫定任意適用事業に該当する事業が、事業内容の変更(事業の種類の変化)、使用労働者数の増加、経営組織の変更等により、労災保険の適用事業に該当するに至ったときは、その該当するに至った日の翌日に、当該事業について労災保険に係る保険関係が成立する。

B 労災保険に任意加入しようとする任意適用事業の事業主は、任意加入申請書を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出し、厚生労働大臣の認可があった日の翌日に、当該事業について労災保険に係る保険関係が成立する。

C 労災保険に加入する以前に労災保険暫定任意適用事業において発生した業務上の傷病に関して、当該事業が労災保険に加入した後に事業主の申請により特例として行う労災保険の保険給付が行われることとなった労働者を使用する事業である場合、当該保険関係が成立した後1年以上経過するまでの間は脱退が認められない。

D 労災保険に係る保険関係の消滅を申請しようとする労災保険暫定任意適用事業の事業主は、保険関係消滅申請書を所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に提出し、厚生労働大臣の認可があった日の翌日に、当該事業についての保険関係が消滅する。

E 労災保険暫定任意適用事業の事業者がなした保険関係の消滅申請に対して厚生労働大臣の認可があったとき、当該保険関係の消滅に同意しなかった者については労災保険に係る保険関係は消滅しない。



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step1 正解は・・・



D
   


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step2 解説

× (法3条)労災保険暫定任意適用事業に該当する事業が適用事業に該当するに至ったときは、「該当する日に至った日」に、保険関係が成立する。

× (整備法5条1項)本肢の場合には、厚生労働大臣の「認可があった日」に、当該事業について労災保険に係る保険関係が成立する。

× (整備法8条2項)当該保険関係が成立した後「1年以上」ではなく、当該保険給付の費用に充てるための「特別保険料を徴収する期間を経過するまでの間」は、脱退が認められない。

(整備法8条1項)本肢のとおりである。

× (整備法8条1項)保険関係の消滅の認可があったときには、保険関係の消滅に同意しなかった者を含めて、労災保険に係る保険関係が消滅することとなる。




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step3 コメント

・択一式の労働保険徴収法の労災問8は、保険関係の成立及び消滅に関する問題でした。比較的難易度の高い肢が多く、正解肢を特定するのは困難な問題だったと思われます。



明日もがんばりましょう。