労一
2023年11月26日
59問目は、択一式の労働一般常識です。
正答率60%の問題です。
<問題( 択一式 労一 問4 )>
〔問 4〕 労働関係法規に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 「使用者が誠実交渉義務に違反する不当労働行為をした場合には、当該団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないときであっても、労働委員会は、誠実交渉命令〔使用者が誠実交渉義務に違反している場合に、これに対して誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずることを内容とする救済命令〕を発することができると解するのが相当である。」とするのが、最高裁判所の判例である。
B 職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、特定募集情報等提供事業者、労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者は、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合でなければ、「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」「思想及び信条」「労働組合への加入状況」に関する求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報を収集することができない。
C 事業主は、労働者が当該事業主に対し、当該労働者又はその配偶者が妊娠し、又は出産したことその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める事実を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、育児休業申出等に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
D 高年齢者雇用安定法に定める義務として継続雇用制度を導入する場合、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではない。
E 厚生労働大臣は、常時雇用する労働者の数が300人以上の事業主からの申請に基づき、当該事業主について、青少年の募集及び採用の方法の改善、職業能力の開発及び向上並びに職場への定着の促進に関する取組に関し、その実施状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適合するものである旨の認定を行うことができ、この制度は「ユースエール認定制度」と呼ばれている。
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step1 正解は・・・
E
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step2 解説
A 〇 (令4.3.18最高裁判決山形大学事件)本肢のとおりである。「団体交渉に係る事項に関して合意の成立する見込みがないと認められる場合には、誠実交渉命令を発しても、労働組合が労働条件等の獲得の機会を現実に回復することは期待できないものともいえる。しかしながら、このような場合であっても、使用者が労働組合に対する誠実交渉義務を尽くしていないときは、その後誠実に団体交渉に応ずるに至れば、労働組合は当該団体交渉に関して使用者から十分な説明や資料の提示を受けることができるようになるとともに、組合活動一般についても労働組合の交渉力の回復や労使間のコミュニケーションの正常化が図られるから、誠実交渉命令を発することは、不当労働行為によって発生した侵害状態を除去、是正し、正常な集団的労使関係秩序の迅速な回復、確保を図ることに資するものというべきである。」とされた。
B 〇 (職業安定法5条の5第1項、平31.3.29厚労告122号)本肢のとおりである。「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」とは、例えば、家族の職業、収入、本人の資産等の情報(税金、社会保険の取扱い等労務管理を適切に実施するために必要なものを除く)が、「思想及び信条」とは、人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書が、「労働組合への加入状況」とは、労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報が該当する。
C 〇 (育児介護休業法21条1項)本肢のとおりである。労働者又は配偶者が妊娠又は出産した旨等の申出をしたときは、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と、休業の取得意向の確認を個別に行わなければならない(同則69条の3第1項)。
① 育児休業に関する制度
② 育児休業申出の申出先
③ 雇用保険法に規定する育児休業給付に関すること
④ 労働者が育児休業期間について負担すべき社会保険料の取扱い
D 〇 (高年齢者雇用安定法9条、Q&A)本肢のとおりである。高年齢者雇用安定法が求めているのは、継続雇用制度の導入であって、事業主に定年退職者の希望に合致した労働条件での雇用を義務付けるものではなく、事業主の合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば、労働者と事業主との間で労働条件等についての合意が得られず、結果的に労働者が継続雇用されることを拒否したとしても、高年齢者雇用安定法違反となるものではない。
E × (若者雇用促進法15条)「ユースエール認定制度」は、常時雇用する労働者の数が「300人以下」の事業主からの申請に基づき認定する制度である。この制度は平成27年10月に創設され、若者の雇用管理が優良な中小企業と若者のマッチングを強化し、若者の適職選択と企業が求める人材の円滑な採用を支援している。
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step3 コメント
・択一式の労働一般常識の問4は、最高裁判例を含む労働関係法規からの出題でした。Aの山形大学事件は、最新の判例でしたので対策できていたと思いますが、B~Eについては、労一法令で学習が後回しになる部分でもあるため、学習が手薄になっていた人も多かったと思われます。
次回もがんばりましょう。
2023年10月02日
2問目は、選択式の労働一般常識です。
正答率93%の問題です。
<問題( 選択式 労一 C )>
労働者派遣法第35条の3は、「派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、 C 年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第40条の2第1項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。」と定めている。
step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 5
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step3 正解は・・・
C → ③ 3(労働者派遣法35条の3)
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step4 コメント
・労働一般常識のCは、労働者派遣法からの出題でしたが、正解の数字は基本事項でしたので、迷うことなく正解できたことと思われます。
明日もがんばりましょう。
2022年12月21日
84問目は、択一式の労働一般常識です。
正答率35%の問題です。
<問題( 択一式 労一 問3 )>
我が国の転職者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は、「令和2年転職者実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
A 転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)をみると、「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」、「縁故(知人、友人等)」、「自社のウェブサイト」が上位3つを占めている。
B 転職者がいる事業所において、転職者の処遇(賃金、役職等)決定の際に考慮した要素(複数回答)をみると、「年齢」、「免許・資格」、「前職の賃金」が上位3つを占めている。
C 転職者がいる事業所で転職者を採用する際に問題とした点(複数回答)をみると、「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」、「採用時の賃金水準や処遇の決め方」、「採用後の処遇やキャリア形成の仕方」が上位3つを占めている。
D 転職者がいる事業所が転職者の採用に当たり重視した事項(複数回答)をみると、「人員構成の歪みの是正」、「既存事業の拡大・強化」、「組織の活性化」が上位3つを占めている。
E 転職者がいる事業所の転職者に対する教育訓練の実施状況をみると、「教育訓練を実施した」事業所割合は約半数となっている。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A × (令和2年転職者実態調査)転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)をみると、「ハローワーク等の公的機関」とする事業所割合が57.3%で最も高く、次いで「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」が43.2%、「縁故(知人、友人等)」が27.6%となっている。
B × (令和2年転職者実態調査)転職者がいる事業所において、転職者の処遇(賃金、役職等)決定の際に考慮した要素(複数回答)をみると、「これまでの経験・能力・知識」とする事業所割合が74.7%と最も高く、次いで「年齢」が45.2%、「免許・資格」が37.3%となっている
C × (令和2年転職者実態調査)転職者がいる事業所の転職者を採用する際に「問題がある」とする事業所の問題(複数回答)をみると、「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」が67.2%と最も高く、次いで、「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」が38.8%、「採用時の賃金水準や処遇の決め方」が32.3%となっている。
D 〇 (令和2年転職者実態調査)本肢のとおりである。
E × (令和2年転職者実態調査)転職者がいる事業所の転職者に対する教育訓練の実施状況をみると、「教育訓練を実施した」事業所割合は「74.5%」となっている。
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step3 コメント
・択一式の労働一般常識の問3は、令和2年転職者実態調査からの出題でした。ここは、転職者実態調査に目を通していないと皆目見当もつかないと思われます。目を通していても、「上位3つ」を正しく覚えている人は少ないでしょうから、かなりの難問といえます。
明日もがんばりましょう。
2022年12月14日
77問目は、択一式の労働一般常識です。
正答率43%の問題です。
<問題( 択一式 労一 問4 )>
〔問〕 労働関係法規に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、都道府県労働局長又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をしなければならない。
B 事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
C 積極的差別是正措置として、障害者でない者と比較して障害者を有利に取り扱うことは、障害者であることを理由とする差別に該当せず、障害者の雇用の促進等に関する法律に違反しない。
D 労働者派遣事業の許可を受けた者(派遣元事業主)は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならず、また、その雇用する派遣労働者の求めに応じ、当該派遣労働者の職業生活の設計に関し、相談の機会の確保その他の援助を行わなければならない。
E 賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならず、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
A × (労働組合法18条1項)一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、「厚生労働大臣」又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの「決定をすることができる」。
B 〇 (育児介護休業法25条1項)本肢のとおりである。なお、事業主は、労働者が本肢の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(同法25条2項)。
C 〇 (障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が講ずべき措置に関する指針)本肢のとおりである。例えば、障害者のみを対象とする求人を行うことは、積極的差別是正措置として法違反とはならない。
D 〇 (労働者派遣法30条の2第1項・第2項)本肢のとおりである。なお、教育訓練の実施について、当該派遣労働者が無期雇用派遣労働者であるときは、当該無期雇用派遣労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるように配慮しなければならない。
E 〇 (短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)本肢のとおりである。
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step3 コメント
・択一式の労働一般常識の問4は、正解肢のA、C、Eと解答が割れています。特にAとEは、語尾の部分に違和感が残ると思われ、どちらかの判断に迷う人が多かったと思われます。
明日もがんばりましょう。
2022年12月10日
73問目は、選択式の労働一般常識です。
正答率86&45%の問題です。
※選択式労一D=86%、E=45%(Dは正答率がEより高いものの同じカテゴリーですので、Eの正答率に合わせここで掲載しています。)
<問題( 選択式 労一 DE )>
最高裁判所は、期間を定めて雇用される臨時員(上告人)の労働契約期間満了により、使用者(被上告人)が行った雇止めが問題となった事件において、次のように判示した。
「(1)上告人は、昭和45年12月1日から同月20日までの期間を定めて被上告人のP工場に雇用され、同月21日以降、期間2か月の本件労働契約が5回更新されて昭和46年10月20日に至つた臨時員である。(2)P工場の臨時員制度は、景気変動に伴う受注の変動に応じて雇用量の調整を図る目的で設けられたものであり、臨時員の採用に当たつては、学科試験とか技能試験とかは行わず、面接において健康状態、経歴、趣味、家族構成などを尋ねるのみで採用を決定するという簡易な方法をとつている。(3)被上告人が昭和45年8月から12月までの間に採用したP工場の臨時員90名のうち、翌46年10月20日まで雇用関係が継続した者は、本工採用者を除けば、上告人を含む14名である。(4)P工場においては、臨時員に対し、例外はあるものの、一般的には前作業的要素の作業、単純な作業、精度がさほど重要視されていない作業に従事させる方針をとつており、上告人も比較的簡易な作業に従事していた。(5)被上告人は、臨時員の契約更新に当たつては、更新期間の約1週間前に本人の意思を確認し、当初作成の労働契約書の「4雇用期間」欄に順次雇用期間を記入し、臨時員の印を押捺せしめていた(もつとも、上告人が属する機械組においては、本人の意思が確認されたときは、給料の受領のために預かつてある印章を庶務係が本人に代わつて押捺していた。)ものであり、上告人と被上告人との間の5回にわたる本件労働契約の更新は、いずれも期間満了の都度新たな契約を締結する旨を合意することによつてされてきたものである。」「P工場の臨時員は、季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の D ものであり、上告人との間においても5回にわたり契約が更新されているのであるから、このような労働者を契約期間満了によつて雇止めにするに当たつては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかつたとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は E のと同様の法律関係となるものと解せられる。」
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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。
D及びEの選択肢
⑨ 安定性が合意されていた ⑩ 期間の定めのない労働契約が締結された
⑪ 継続が期待されていた ⑫ 厳格さが見込まれていた
⑬ 合理的理由が必要とされていた ⑭ 採用内定通知がなされた
⑮ 従前の労働契約が更新された
⑯ 使用者が労働者に従前と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをした
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step3 正解は・・・
E → ⑮ 従前の労働契約が更新された(昭61.12.4最高裁判決日立メディコ事件)
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step4 コメント
・選択式の労働一般常識のD及びEは、最高裁判決日立メディコ事件からの出題でした。労一の選択式での判例の出題に面食らったという人も多かったに違いありません。令和4年度本試験選択式では、労基、労災、労一で判例の問題が出題されたことにより、問題が長文となり、他にも事例問題などが出題されている関係上、時間がかなり消費してしまうこととなり、焦りが伴うと判断を誤ってしまうことにつながります。今回、労一で判例が出題されたことにより、令和5年度本試験でも出題されることも当然、考えられますので、労働契約法や労働組合法絡みの判例には注意しておきたいところです。
明日もがんばりましょう。
