労基

2018年10月30日

「ランチタイム・スタディ」の第21問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。

さて、21問目は、択一式の労働基準法です。

正答率75%の問題です。
※正答率75%=4人に3人が正解している問題です。


<問題( 択一式 労基 問4 )>

〔問〕 労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 労働基準法第1条にいう「人たるに値する生活」には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この「標準家族」の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、「配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの」とされている。

イ 労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。

ウ 労働基準法第4条の禁止する賃金についての差別的取扱いとは、女性労働者の賃金を男性労働者と比較して不利に取り扱う場合だけでなく、有利に取り扱う場合も含まれる。

エ いわゆるインターンシップにおける学生については、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合でも、不測の事態における学生の生命、身体等の安全を確保する限りにおいて、労働基準法第9条に規定される労働者に該当するとされている。

オ いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。

A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) 
D(ウとオ) E(エとオ)



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step1 正解は・・・



D
   


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step2 解説

ア ☓ (法1条、昭22.11.27基発401号) 法1条は、労働条件に関する基本原則を明らかにしたものであって、標準家族の範囲はその時その社会の「一般通念によって」理解されるべきものである。

イ ☓ (法3条、昭63.3.14基発150号ほか) 法3条にいう「その他の労働条件」については、「解雇」、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含む趣旨である。

ウ 〇 (法4条、平9.9.25基発648号) 本肢のとおりである。

エ ☓ (法9条、平9.9.18基発636号) いわゆるインターンシップにおける学生の労働者性については、一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、「労働者に該当しない」。なお、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。

オ 〇 (法11条、平9.6.1基発412号) 本肢のとおりである。ストックオプションから得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償とはいえず、賃金に当たらない。





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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問4は、総則に関する組合せ問題でした。ウが真っ先にわかる内容ですので、組合せ問題の形式から、アかオの正誤判断が付けば正解にたどりつける問題でした。



明日もがんばりましょう。




2018年10月17日

「ランチタイム・スタディ」の第12問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。

さて、12問目は、択一式の労働基準法です。

正答率80%の問題です。



<問題( 択一式 労基 問2 )>

〔問〕 労働基準法の適用に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 常時10人以上の労働者を使用する使用者が労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制により労働者を労働させる場合は、就業規則により、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとしておかなければならない。

イ いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、隔日勤務のタクシー運転者等暫定措置の対象とされているものを除き、1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は54時間とされている。

ウ いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、その労働日について、例えば7月から9月を対象期間の最初の期間とした場合において、この間の総休日数を40日と定めた上で、30日の休日はあらかじめ特定するが、残る10日については、「7月から9月までの間に労働者の指定する10日間について休日を与える。」として特定しないことは認められていない。

エ 労働基準法では、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないと規定しているが、解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合には、この解雇制限はかからないものと解されている。

オ 労働基準法第20条に定める解雇予告手当は、解雇の意思表示に際して支払わなければ解雇の効力を生じないものと解されており、一般には解雇予告手当については時効の問題は生じないとされている。

A(アとウ) B(アとエ) C(イとエ) 
D(イとオ) E(ウとオ)



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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

ア 〇 (法32条の3) 本肢のとおりである。常時10人以上の労働者を使用する使用者については、就業規則の作成義務が課せられているため、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を就業規則に規定しておかなければならない。

イ ☓ (法32条の4、則12条の4第4項) 1年単位の変形労働時間制における1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は「52時間」とされている。

ウ 〇 (法32条の4、平6.5.31基発330号) 本肢のとおりである。変形期間開始後にしか休日を特定することができない場合には、労働日が特定されたこととはならない。

エ ☓ (法19条、昭26.6.25基収2609号) 解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合であっても、解雇制限の適用がある。

オ 〇 (法20条、昭27.5.17基収1906号) 本肢のとおりである。


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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問2は、変形労働時間制や解雇に関する問題でした。割と誤りの肢を見つけやすかったことと、仮にウの判断ができなかったとしても、組合せ問題であることから、相方のアやウが正しいことがわかれば、ウではありえないことがわかります。


明日もがんばりましょう。




2018年10月16日

「ランチタイム・スタディ」の第11問です。

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さて、11問目は、選択式の労働基準法です。

正答率80%の問題です。



<問題( 選択式 労基 C )>

最高裁判所は、同業他社への転職者に対する退職金の支給額を一般の退職の場合の半額と定めた退職金規則の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
「原審の確定した事実関係のもとにおいては、被上告会社が営業担当社員に対し退職後の同業他社への就職をある程度の期間制限することをもつて直ちに社員の職業の自由等を不当に拘束するものとは認められず、したがつて、被上告会社がその退職金規則において、右制限に反して同業他社に就職した退職社員に支給すべき退職金につき、その点を考慮して、支給額を一般の自己都合による退職の場合の半額と定めることも、本件退職金が C 的な性格を併せ有することにかんがみれば、合理性のない措置であるとすることはできない。」




step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。


⑪ 功労報償
⑬ 就業規則を遵守する労働者への生活の補助
⑭ 成果給
⑰ 転職の制約に対する代償措置



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step3 正解は・・・



⑪ 功労報償 (昭52.8.9最高裁第二小法廷判決三晃社事件)


   

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step4 コメント

・選択式の労働基準法のCは、最高裁判例「三晃社事件」からの出題で、平成9年の本試験択一式でも論点とされていました。正解肢となる「功労報償」は、他に惑わせる選択肢もなく、多くの受験生が正解できていました。



明日もがんばりましょう。



2018年10月02日

「ランチタイム・スタディ」の第2問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。



さて、2問目は、選択式の労働基準法です。

正答率89%の問題です。



<問題( 選択式 労基 B )>

生後満1年に達しない生児を育てる女性は、労働基準法第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも B 、その生児を育てるための時間を請求することができる。




step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。



① 15分 
② 30分 
③ 45分 
④ 1時間




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step3 正解は・・・



② 30分(労働基準法67条1項)


   

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step4 コメント


・選択式の労働基準法のBは、生後満1年に達しない生児を育てる女性の育児時間の請求の問題でした。基本条文からの出題でしたので、正答率は高くなりました。なお、「育児時間を請求することができるのは女性に限られ、男性には請求権はない」ことや、「育児時間中の賃金について、有給にするか無給にするかは当事者の自由である」ことなども合わせて押さえておきましょう。



明日もがんばりましょう。



2018年02月08日

「ランチタイム・スタディ」の第87問です。

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さて、87問目は、択一式の労働基準法です。

正答率31%の問題で、難問です。

※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※正答率が約3割の問題です。



<問題( 択一式 労基 問1)>

〔問〕 労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、その各所定労働日に9時間を超えて労働時間を延長すれば、その延長した時間は法定労働時間を超えた労働となるが、日曜から金曜までの間において所定どおり労働した後の土曜に6時間の労働をさせた場合は、そのうちの2時間が法定労働時間を超えた労働になる。

B 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、あらかじめ水曜の休日を前日の火曜に、火曜の労働時間をその水曜に振り替えて9時間の労働をさせたときは、水曜の労働はすべて法定労働時間内の労働になる。

C 労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、一斉に与えなくてもよい。

D 労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。

E 休日労働が、8時間を超え、深夜業に該当しない場合の割増賃金は、休日労働と時間外労働の割増率を合算しなければならない。



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step1 正解は・・・


A


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step2 解説

A 〇 (法32条の2、平6.3.31基発181号) 本肢のとおりである。1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合、8時間を超える時間を定めた日(本肢では9時間)はその時間を超えて労働した時間は時間外労働となる。また、土曜日に6時間の労働をさせた場合には、週の労働時間が42時間となるため、週法定労働時間(40時間)を超えて労働した時間(本肢では2時間)は時間外労働となる。

B ☓ (法32条の2、昭63.3.14基発150号、婦発47号、平6.3.31基発181号) 1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合に休日の振替が行われると、あらかじめ特定されていない日に法定労働時間を超えて労働することになる場合があるが、休日振替の結果、1日8時間を超える所定労働時間が設定されていない日に1日8時間を超えて(本肢では9時間)労働させることになる場合には、その超える時間は時間外労働となる。したがって、水曜日の労働については、法定労働時間である8時間を超えて労働させた部分は時間外労働となる。

C ☓ (法34条、則15条1項) 「労働基準監督署長の許可を受けた場合」ではなく、労使協定を締結し、「一斉に休憩を与えない労働者の範囲」及び「当該労働者に対する休憩の与え方」を定めた場合には、一斉に休憩を与える必要はない。

D ☓ (法35条、昭23.4.5基発535号) 法35条の休日は、通常暦日を指しており、午前零時から午後12時までの休業(暦日休日制)と解すべきであるとされている。

E ☓ (法37条) 休日労働については時間外労働という概念がない。したがって、休日労働が8時間を超えても、深夜業に該当しない限り35%の割増賃金の支払で差し支えない。



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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問1は、出だしのA、Bからいきなり事例問題がきました。労基法から解き始めた方にとっては、本試験開始後の第1問に面食らった方も多かったのではないでしょうか。およそ2人に1人はBを選んでいたことからも、どちらも正しいはずだと思い、解答に迷った方が多かったようです。特にBは、「振り替え」という言葉に惑わされ、すぐに正しいと断定してしまいかねず、注意深く問題文を読みこなさないと解けない問題でした。



明日もがんばりましょう。