労基

2018年11月02日

「ランチタイム・スタディ」の第24問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。

さて、24問目は、択一式の労働基準法です。

正答率74%の問題です。

<問題( 択一式 労基 問6 )>

〔問〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金直接払の原則に違反しない。

B 使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、当該同意が「労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは」、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則に違反するものとはいえないとするのが、最高裁判所の判例である。

C 労働基準法では、年俸制をとる労働者についても、賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならないが、各月の支払いを一定額とする(各月で等分して支払う)ことは求められていない。

D ストライキの場合における家族手当の削減が就業規則(賃金規則)や社員賃金規則細部取扱の規定に定められ異議なく行われてきている場合に、「ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存否及びその部分と賃金削減の対象とならない部分の区別は、当該労働協約等の定め又は労働慣行の趣旨に照らし個別的に判断するのを相当」とし、家族手当の削減が労働慣行として成立していると判断できる以上、当該家族手当の削減は違法ではないとするのが、最高裁判所の判例である。

E 労働安全衛生法第66条による健康診断の結果、私傷病のため医師の証明に基づいて使用者が労働者に休業を命じた場合、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



E
   


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

A 〇 (法24条1項、昭61.6.6基発333号) 本肢のとおりである。なお、賃金を、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは、いずれも法24条違反となり、労働者が第三者に賃金受領権限を与えようとする委任、代理等の法律行為は無効である。

B 〇 (法24条1項、最高裁第二小法廷判決平2.11.26日新製鋼事件) 本肢のとおりである。賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものであるとした上で、本肢の場合は、賃金全額払の原則に違反するものではないとした。

C 〇 (法24条2項) 本肢のとおりである。年俸制の場合であっても、賃金は、毎月1回以上、一定の期日を決めて支払わなければならないが、各月で等分して支払うことまでは求められていない。

D 〇 (昭56.9.18最高裁第二小法廷判決三菱重工業長崎造船所事件) 本肢のとおりである。ストライキ期間の家族手当の削減について、労使の労働慣行になっていると推認できるとし、その慣行は著しく不合理ではないと判示した。

E ☓ (法26条、昭63.3.14基発150号) 本肢の場合は、使用者の責に帰すべき事由に該当しないため、休業手当の支払いは不要である。





-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・択一式の労働基準法の問6は、賃金等に関する問題でした。B、C及びDの難易度がやや高かったものの、正解肢のEが誤りであると判断することは比較的可能だと思われますので、得点したい問題です。



来週もがんばりましょう。




2018年10月30日

「ランチタイム・スタディ」の第21問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。

さて、21問目は、択一式の労働基準法です。

正答率75%の問題です。
※正答率75%=4人に3人が正解している問題です。


<問題( 択一式 労基 問4 )>

〔問〕 労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 労働基準法第1条にいう「人たるに値する生活」には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この「標準家族」の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、「配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの」とされている。

イ 労働基準法第3条にいう「賃金、労働時間その他の労働条件」について、解雇の意思表示そのものは労働条件とはいえないため、労働協約や就業規則等で解雇の理由が規定されていても、「労働条件」にはあたらない。

ウ 労働基準法第4条の禁止する賃金についての差別的取扱いとは、女性労働者の賃金を男性労働者と比較して不利に取り扱う場合だけでなく、有利に取り扱う場合も含まれる。

エ いわゆるインターンシップにおける学生については、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合でも、不測の事態における学生の生命、身体等の安全を確保する限りにおいて、労働基準法第9条に規定される労働者に該当するとされている。

オ いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。

A(アとイ) B(アとウ) C(イとエ) 
D(ウとオ) E(エとオ)



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



D
   


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

ア ☓ (法1条、昭22.11.27基発401号) 法1条は、労働条件に関する基本原則を明らかにしたものであって、標準家族の範囲はその時その社会の「一般通念によって」理解されるべきものである。

イ ☓ (法3条、昭63.3.14基発150号ほか) 法3条にいう「その他の労働条件」については、「解雇」、災害補償、安全衛生、寄宿舎等に関する条件も含む趣旨である。

ウ 〇 (法4条、平9.9.25基発648号) 本肢のとおりである。

エ ☓ (法9条、平9.9.18基発636号) いわゆるインターンシップにおける学生の労働者性については、一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、「労働者に該当しない」。なお、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる。

オ 〇 (法11条、平9.6.1基発412号) 本肢のとおりである。ストックオプションから得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、労働の対償とはいえず、賃金に当たらない。





-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・択一式の労働基準法の問4は、総則に関する組合せ問題でした。ウが真っ先にわかる内容ですので、組合せ問題の形式から、アかオの正誤判断が付けば正解にたどりつける問題でした。



明日もがんばりましょう。




2018年10月17日

「ランチタイム・スタディ」の第12問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。

さて、12問目は、択一式の労働基準法です。

正答率80%の問題です。



<問題( 択一式 労基 問2 )>

〔問〕 労働基準法の適用に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 常時10人以上の労働者を使用する使用者が労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制により労働者を労働させる場合は、就業規則により、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとしておかなければならない。

イ いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、隔日勤務のタクシー運転者等暫定措置の対象とされているものを除き、1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は54時間とされている。

ウ いわゆる一年単位の変形労働時間制においては、その労働日について、例えば7月から9月を対象期間の最初の期間とした場合において、この間の総休日数を40日と定めた上で、30日の休日はあらかじめ特定するが、残る10日については、「7月から9月までの間に労働者の指定する10日間について休日を与える。」として特定しないことは認められていない。

エ 労働基準法では、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないと規定しているが、解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合には、この解雇制限はかからないものと解されている。

オ 労働基準法第20条に定める解雇予告手当は、解雇の意思表示に際して支払わなければ解雇の効力を生じないものと解されており、一般には解雇予告手当については時効の問題は生じないとされている。

A(アとウ) B(アとエ) C(イとエ) 
D(イとオ) E(ウとオ)



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



C
   


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

ア 〇 (法32条の3) 本肢のとおりである。常時10人以上の労働者を使用する使用者については、就業規則の作成義務が課せられているため、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる旨を就業規則に規定しておかなければならない。

イ ☓ (法32条の4、則12条の4第4項) 1年単位の変形労働時間制における1日の労働時間の限度は10時間、1週間の労働時間の限度は「52時間」とされている。

ウ 〇 (法32条の4、平6.5.31基発330号) 本肢のとおりである。変形期間開始後にしか休日を特定することができない場合には、労働日が特定されたこととはならない。

エ ☓ (法19条、昭26.6.25基収2609号) 解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合であっても、解雇制限の適用がある。

オ 〇 (法20条、昭27.5.17基収1906号) 本肢のとおりである。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・択一式の労働基準法の問2は、変形労働時間制や解雇に関する問題でした。割と誤りの肢を見つけやすかったことと、仮にウの判断ができなかったとしても、組合せ問題であることから、相方のアやウが正しいことがわかれば、ウではありえないことがわかります。


明日もがんばりましょう。




2018年10月16日

「ランチタイム・スタディ」の第11問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。


さて、11問目は、選択式の労働基準法です。

正答率80%の問題です。



<問題( 選択式 労基 C )>

最高裁判所は、同業他社への転職者に対する退職金の支給額を一般の退職の場合の半額と定めた退職金規則の効力が問題となった事件において、次のように判示した。
「原審の確定した事実関係のもとにおいては、被上告会社が営業担当社員に対し退職後の同業他社への就職をある程度の期間制限することをもつて直ちに社員の職業の自由等を不当に拘束するものとは認められず、したがつて、被上告会社がその退職金規則において、右制限に反して同業他社に就職した退職社員に支給すべき退職金につき、その点を考慮して、支給額を一般の自己都合による退職の場合の半額と定めることも、本件退職金が C 的な性格を併せ有することにかんがみれば、合理性のない措置であるとすることはできない。」




step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 次の選択肢の中から答を選んでください。


⑪ 功労報償
⑬ 就業規則を遵守する労働者への生活の補助
⑭ 成果給
⑰ 転職の制約に対する代償措置



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 正解は・・・



⑪ 功労報償 (昭52.8.9最高裁第二小法廷判決三晃社事件)


   

-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step4 コメント

・選択式の労働基準法のCは、最高裁判例「三晃社事件」からの出題で、平成9年の本試験択一式でも論点とされていました。正解肢となる「功労報償」は、他に惑わせる選択肢もなく、多くの受験生が正解できていました。



明日もがんばりましょう。



2018年10月02日

「ランチタイム・スタディ」の第2問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月28日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2018本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)をご覧ください。



さて、2問目は、選択式の労働基準法です。

正答率89%の問題です。



<問題( 選択式 労基 B )>

生後満1年に達しない生児を育てる女性は、労働基準法第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも B 、その生児を育てるための時間を請求することができる。




step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 次の選択肢の中から答を選んでください。



① 15分 
② 30分 
③ 45分 
④ 1時間




-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 正解は・・・



② 30分(労働基準法67条1項)


   

-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step4 コメント


・選択式の労働基準法のBは、生後満1年に達しない生児を育てる女性の育児時間の請求の問題でした。基本条文からの出題でしたので、正答率は高くなりました。なお、「育児時間を請求することができるのは女性に限られ、男性には請求権はない」ことや、「育児時間中の賃金について、有給にするか無給にするかは当事者の自由である」ことなども合わせて押さえておきましょう。



明日もがんばりましょう。