労基

2021年12月24日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第85問です。

85問目は、択一式の労働基準法です。


正答率29%の問題です。


<問題( 択一式 労基 問5 )>

〔問〕 労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 令和3年4月1日から令和4年3月31日までを有効期間とする書面による時間外及び休日労働に関する協定を締結し、これを令和3年4月9日に厚生労働省令で定めるところにより所轄労働基準監督署長に届け出た場合、令和3年4月1日から令和3年4月8日までに行われた法定労働時間を超える労働は、適法なものとはならない。

B 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、1か月以内の一定の期間を平均し1週間当たりの労働時間が労働基準法第32条第1項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができるが、この協定の効力は、所轄労働基準監督署長に届け出ることにより認められる。

C 労働基準法第33条では、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、その必要の限度において同法第32条から第32条の5まで又は第40条の労働時間を延長し、労働させることができる旨規定されているが、満18才に満たない者については、同法第33条の規定は適用されない。

D 労働基準法第32条又は第40条に定める労働時間の規定は、事業の種類にかかわらず監督又は管理の地位にある者には適用されないが、当該者が妊産婦であって、前記の労働時間に関する規定を適用するよう当該者から請求があった場合は、当該請求のあった規定については適用される。

E 労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制を導入している場合の同法第36条による時間外労働に関する協定における1日の延長時間については、1日8時間を超えて行われる労働時間のうち最も長い時間数を定めなければならない。



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step1 正解は・・・



A
   


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step2 解説

(法36条1項)本肢のとおりである。36協定の効力は届出により生ずるものである。したがって、届出前に行われた時間外労働は、適法なものとはならない。

× (法32条の2第1項、コンメンタール)1ヵ月単位の変形労働時間制の労使協定は所轄労働基準監督署長に届け出なければならないが、この届出は、労使協定の効力発生要件とはされていないので、労使協定が締結されていれば有効に1ヵ月単位の変形労働時間制を採用しているものと認められる。ただし、届け出を怠った場合には罰則の適用がある。

× (法33条1項、法60条1項)法33条は、満18歳未満の年少者にも「適用される」。したがって、災害等又は公務のため臨時の必要がある場合には、年少者であっても時間外・休日労働をさせることができる。

× (法41条2号)法41条に定める労働時間等に関する規定の適用除外者である妊産婦から請求があっても、労働時間に関する規定は「適用されない」。

× (法32条の3、平30.12.28基発1228第15号)フレックスタイム制において、36協定を締結するときは、1日について延長することができる時間を協定する必要はなく、1箇月及び1年について協定すれば足りる。




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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問5は、労働時間等に関する問題でした。正解肢であるAとBとDの難易度が高く、この3つで迷ってしまった方が多かったと思われます。



明日もがんばりましょう。




2021年12月08日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第69問です。

69問目は、択一式の労働基準法です。


正答率46%の問題です。


<問題( 択一式 労基 問7 )>

〔問〕 労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第89条第1号から第3号までの絶対的必要記載事項の一部を記載しない就業規則も、その効力発生についての他の要件を具備する限り有効であり、使用者は、そのような就業規則を作成し届け出れば同条違反の責任を免れることができるが、行政官庁は、このような場合においては、使用者に対し、必要な助言及び指導を行わなければならない。

B 欠勤(病気事故)したときに、その日を労働者の請求により年次有給休暇に振り替える取扱いが制度として確立している場合には、当該取扱いについて就業規則に規定する必要はない。

C 同一事業場において当該事業場の全労働者の3割について適用される就業規則を別に作成する場合、当該事業場において当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数で組織する労働組合又は当該就業規則の適用を受ける労働者のみの過半数を代表する者の意見を聴くことで、労働基準法第90条による意見聴取を行ったこととされる。

D 就業規則中に懲戒処分を受けた場合は昇給させないという欠格条件を定めることは、労働基準法第91条に違反する。

E 労働基準法第91条にいう「一賃金支払期における賃金の総額」とは、「当該賃金支払期に対し現実に支払われる賃金の総額」をいい、一賃金支払期に支払われるべき賃金の総額が欠勤や遅刻等により少額となったときは、その少額となった賃金総額を基礎として10分の1を計算しなければならない。



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step1 正解は・・・



E
   


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step2 解説

× (法89条1項、平11.3.31基発168号)就業規則が、必要記載事項の一部を欠くものであっても、その効力の発生についての他の要件を具備する限り有効である。ただし、このような就業規則を作成して届出をした場合であっても、「法89条違反の責は免れない」。

× (法89条1号、昭23.12.25基収4281号)労働者の請求により欠勤(病気事故)を年次有給休暇に振替えることは違法ではないが、当該取扱いが制度として確立している場合には、「就業規則に規定することが必要である」。

× (法90条、昭63.3.14基発150号)同一の事業場において一部の労働者についてのみ適用させる別個の就業規則を作成する場合にも、当該一部の労働者に適用される就業規則も当該事業場の就業規則の一部分であるから、その作成又は変更に際しては、「当該事業場全体の労働者」の過半数で組織する労働組合又は過半数を代表する者の意見を聴けば足りる。

× (法91条、昭26.3.31基収938号)本肢の場合は、減給の制裁には該当しないため、「法91条に違反しない」。

(法91条、昭25.9.8基収1338号)本肢のとおりである。




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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問7は、労働基準法に定める就業規則等に関する問題でした。B、C及びDについては、就業規則の持つべき役割を考えれば誤りであることを判断できると思われます。Aは問題文の意図がつかみかねる表現で、Aに足元をすくわれなければ正解のEが導けたと思われます。



明日もがんばりましょう。




2021年11月22日

「ランチタイム・スタディ」の第53問です。

53問目は、選択式の労働基準法です。

正答率85&58%の問題です。

※選択式労基B=85%、C=58%(Bは正答率がCより高いものの同じカテゴリーですので、Cの正答率に合わせここで掲載しています。)


<問題( 選択式 労基 BC )>

最高裁判所は、歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法第37条の定める割増賃金が支払われたといえるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。

「使用者が労働者に対して労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かを判断するためには、割増賃金として支払われた金額が、 B に相当する部分の金額を基礎として、労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討することになるところ、その前提として、労働契約における賃金の定めにつき、 B に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要である[…(略)…]。そして、使用者が、労働契約に基づく特定の手当を支払うことにより労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったと主張している場合において、上記の判別をすることができるというためには、当該手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされていることを要するところ、当該手当がそのような趣旨で支払われるものとされているか否かは、当該労働契約に係る契約書等の記載内容のほか諸般の事情を考慮して判断すべきであり[…(略)…]、その判断に際しては、当該手当の名称や算定方法だけでなく、[…(略)…]同条の趣旨を踏まえ、 C 等にも留意して検討しなければならないというべきである。」

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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

Bの選択肢
⑦ 家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金
⑪ 通常の労働時間の賃金
⑬ 当該歩合給
⑰ 平均賃金にその期間の総労働時間を乗じた金額


Cの選択肢
⑫ 当該手当に関する労働者への情報提供又は説明の内容
⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け
⑮ 同種の手当に関する我が国社会における一般的状況
⑳ 労働者に対する不利益の程度


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step2 正解は・・・


B → ⑪ 通常の労働時間の賃金(令2.3.30最高裁第一小法廷判決国際自動車事件)

C → ⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け(令2.3.30最高裁第一小法廷判決国際自動車事件)


   

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step3 コメント


・選択式の労働基準法のB及びCは、令和2年3月30日判決の国際自動車事件からの出題でした。誰もが気になる労働基準法の選択式の判例の問題ですが、Bの「⑪ 通常の労働時間の賃金」については、他の判例でも見られる内容であり、他に惑わされるような選択肢も無いことから、多くの人が出来ていました。Cの「⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付けについては、Cの前の文面に「当該手当の名称や算定方法だけでなく」という文言がヒントになります。意味が最も通る選択肢となると⑭になりますので、半数以上の方が正解できていました。




明日もがんばりましょう。




2021年11月19日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第50問です。

50問目は、択一式の労働基準法です。


正答率60%の問題です。



<問題( 択一式 労基 問3 )>

〔問〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 使用者は、退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避するため、労働者の同意を得なくても、当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるほか、銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付することによることができる。

イ 賃金を通貨以外のもので支払うことができる旨の労働協約の定めがある場合には、当該労働協約の適用を受けない労働者を含め当該事業場のすべての労働者について、賃金を通貨以外のもので支払うことができる。

ウ 使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することに、労働者がその自由な意思に基づき同意した場合においては、「右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、右同意を得てした相殺は右規定〔労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則〕に違反するものとはいえないものと解するのが相当である」が、「右同意が労働者の自由な意思に基づくものであるとの認定判断は、厳格かつ慎重に行われなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。

エ 労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。

オ 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由には、「労働者の収入によつて生計を維持する者」の出産、疾病、災害も含まれるが、「労働者の収入によつて生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限らず、労働者の収入で生計を営む者であれば、親族でなく同居人であっても差し支えない。


A 一つ   B 二つ   C 三つ   D 四つ   E 五つ



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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

× (法24条1項、則7条の2)「労働者の同意を得なくても」としている点が誤り。「労働者の同意を得て」、労働者の預金又は貯金への振込み等による支払が可能となる。

× (法24条1項、昭63.3.14基発150号)労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。

(法24条1項、平2.11.26最高裁第二小法廷判決日新製鋼事件)本肢のとおりである。

(法24条1項、昭44.12.18最高裁第一小法廷判決福島県教組事件)本肢のとおりである。適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、法24条1項ただし書によって除外される場合(全額払いの原則の例外)に当たらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば全額払の原則に違反するものではない。

(法25条、コンメンタール)本肢のとおりである。なお、親族であっても独立の生計を営む者は含まれない。



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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問3は、賃金等に関する個数問題でした。ウ及びエは最高裁判例からの出題ですが、過去に何度も出題されている判例で、過去問をしっかり学習できていた人には容易にわかる肢でしたし、その他の選択肢の正誤判断も比較的容易に正誤判断できる問題でした。ここは個数問題といえども得点したいところです。



明日もがんばりましょう。




2021年11月03日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第34問です。

34問目は、択一式の労働基準法です。


正答率66%の問題です。

※およそ3人に2人が正解している問題です。


<問題( 択一式 労基 問2 )>

〔問〕 労働基準法に定める労働契約及び年次有給休暇等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第14条にいう「一定の事業の完了に必要な期間を定める」労働契約については、3年(同条第1項の各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間について締結することが可能であるが、その場合には、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかであり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である。

B 労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、労働者にとって予期せぬ不利益を避けるため、将来就業する可能性のある場所や、将来従事させる可能性のある業務を併せ、網羅的に明示しなければならない。

C 労働基準法第17条にいう「労働することを条件とする前貸の債権」には、労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融や賃金の前払いのような弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないものも含まれる。

D 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見聴取をした上で、就業規則に、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる旨を記載し、当該就業規則を行政官庁に届け出ることにより、労働契約に附随することなく、労働者の任意になす貯蓄金をその委託を受けて管理する契約をすることができる。

E 労働基準法第39条に従って、労働者が日を単位とする有給休暇を請求したとき、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。



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step1 正解は・・・



A
   


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step2 解説

(法14条1項、コンメンタール)本肢のとおりである。「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの」とは、例えば4年間で完了する土木工事において、技師を4年間の契約で雇入れる場合のごとく、その事業が有期的事業であることが客観的に明らかであり、その事業の終期までの期間を定める契約であることが必要である。

× (法15条1項、平11.1.29基発45号)「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」については、雇入れ直後の就業の場所及び従事すべき業務を明示すれば足りる。なお、将来の就業場所や従事させる業務を併せ網羅的に明示することは差し支えない。

× (法17条、昭33.2.13基発90号)労働者が使用者から人的信用に基づいて受ける金融又は賃金の前払のような単なる弁済期の繰上げ等で明らかに身分的拘束を伴わないと認められるものは、「労働することを条件とする債権ではない」。

× (法18条1項・2項)使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合には、「就業規則」ではなく、「労使協定」を行政官庁に届け出なければならない。

× (法39条4項、平21.5.29基発0529001号)時間単位年休についても年次有給休暇であるため、事業の正常な運営を妨げる場合には使用者による時季変更権が認められるが、日単位での請求を時間単位に変えることや、時間単位での請求を日単位に変えることはできない。



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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問2は、労働契約及び年次有給休暇等に関する問題でした。正解肢であるAが正しいとの確信が得られなくても、他のB~Eの問題が誤っていることが明らかな肢も多く、消去法により正解にたどり着くことも可能です。



明日もがんばりましょう。