労基

2017年08月01日

「第3次ランチタイム・スタディ」の第15問です。

「第3次ランチタイム・スタディ」の主旨については、7月10日の佐藤塾ブログの『第3次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、15問目は、労働基準法です。

正答率89&81%の問題です。
※選択式労基B=89%、C=81%(Bは正答率がCより高いものの同じカテゴリーですので、Cの正答率に合わせここで掲載しています。)


<問題( 選択式 労基 BC )>

小売業、飲食業等において、いわゆるチェーン店の形態により相当数の店舗を展開して事業活動を行う企業における比較的小規模の店舗においては、店長等の少数の正社員と多数のアルバイト・パート等により運営されている実態がみられるが、この店舗の店長等については、十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず労働基準法第41条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。)として取り扱われるなど不適切な事案も見られることから、平成20年9月9日付け基発第0909001号通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」が出されており、同通達によれば、これらの店舗の店長等が管理監督者に該当するか否かについて、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえ、総合的に判断することとなるとされており、このうち「賃金等の待遇」についての判断要素の一つとして、「実態として長時間労働を余儀なくされた結果、 B において、店舗に所属するアルバイト・パート等の賃金額に満たない場合には、管理監督者性を否定する C となる」ことがあげられている。




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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。



Bの選択肢
⑩ 時間単価に換算した賃金額
⑭ 総賃金額
⑰ 平均賃金額
⑳ 役職手当額


Cの選択肢
⑦ 考慮要素
⑧ 参考
⑬ 重要な要素
⑱ 補強要素



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step2 正解は・・・


B → ⑩ 時間単価に換算した賃金額 (平20.9.9基発0909001号)

C → ⑬ 重要な要素 (平.20.9.9基発0909001号)


  

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step3 コメント

・平成26年の労働基準法の選択式B及びCは、チェーン店等における管理監督者性の判断基準を示した平成20年通達からの出題でした。選択肢から解答を絞り込める内容でしたので、比較的容易に解答できたと思われます。



明日もがんばりましょう。
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2017年07月13日

「第3次ランチタイム・スタディ」の第3問です。

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さて、3問目は、労働基準法です。

正答率92%の問題です。


<問題( 選択式 労基 A )>

最高裁判所は、労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の成立要件に係る「全労働日」(同条第1項、第2項)について、次のように判示した。
 「法39条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件は、法の制定時の状況等を踏まえ、労働者の責めに帰すべき事由による欠勤率が特に高い者をその対象から除外する趣旨で定められたものと解される。このような同条1項及び2項の規定の趣旨に照らすと、前年度の総暦日の中で、就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは、不可抗力や使用者側に起因する経営、管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものは別として、上記出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に  A  と解するのが相当である。
無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は、労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日であり、このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきものとはいえないから、法39条1項及び2項における出勤率の算定に当たっては、出勤日数に算入すべきものとして全労働日に A   というべきである。」


step1 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。




② 影響を与えない
③ 影響を与えるもの
⑮ 含まれない
⑯ 含まれるもの




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step3 正解は・・・


⑯ 含まれるもの(平25.6.6最高裁第一小法廷判決年次有給休暇請求権存在確認等請求事件)


  

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step4 コメント

・平成26年の労働基準法の選択式Aは、年次有給休暇の出勤率の算定に係る平成25年判例から出題でした。近年の出題傾向に沿ったものといえますが、改正法対策を講じていた受験生はチェックしていた論点です。



明日もがんばりましょう。
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2017年06月27日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第86問です。

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さて、86問目は、択一式の労働基準法です。

正答率22%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※約5人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 労基 問4 )>

〔問〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる賃金直接払の原則は例外のない原則であり、行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することも、同条違反となる。

B 過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。

C 退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反し無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。

D 労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。

E 労働基準法第24条第2項に定める一定期日払の原則は、期日が特定され、周期的に到来することを求めるものであるため、期日を「15日」等と暦日で指定する必要があり、例えば「月の末日」とすることは許されない。



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step1 正解は・・・



D


   

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step2 解説

A ☓  (法24条1項、昭25.8.4基収1995号) 賃金が民事執行法や国税徴収法などの法律に基づき差し押えられ、差押債権者が取立権限を取得した場合には、差押債権者に支払ってもよいとされている。

B ☓  (法24条1項、昭44.12.18最高裁第一小法廷福島県教組事件) 本肢は「その金額が少額である限り」としている点が、誤りである。金額が少額であるだけでなく、控除の時期、方法等からみても労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないことが必要とされる。

C ☓  (法24条1項、昭48.1.19最高裁第二小法廷判決シンガー・ソーイング・メシーン事件) 退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、「有効である」。

D 〇  (法11条、昭22.9.13発基17号) 本肢のとおりである。なお、「臨時に支払われる賃金」とは、臨時的、突発的事由に基づいて支払われるもの及び支給条件はあらかじめ確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、かつ、非常に稀に発生するものをいう。

E ☓  (法24条2項) 「一定の期日」とは、その日が特定される方法が用いられればよい。したがって、例えば月給の場合、必ずしも「15日」等と暦日で指定しなくても「月の末日」とすることは認められる。

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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問4は、労働基準法に定める賃金等に関する問題です。B及びCは判例からの出題ということもあり、Eを除く各選択肢の難易度が高く、多くの方がBを解答していました。Bは、条件となる項目が抜け落ちているために誤りとなる訳ですが、正しいと思ってしまうことに無理はなく、少々酷な問題といえます。



明日もがんばりましょう。
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2017年06月09日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第74問です。

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さて、74問目は、択一式の労働基準法です。

正答率38%の問題です。
※いよいよ正答率が40%を割り込みました。


<問題( 択一式 労基 問2 )>

〔問〕 労働基準法第12条に定める平均賃金の計算に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 平均賃金の計算の基礎となる賃金の総額には3か月を超える期間ごとに支払われる賃金、通勤手当及び家族手当は含まれない。

B 平均賃金の計算において、労働者が労働基準法第7条に基づく公民権の行使により休業した期間はその日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から除外する。

C 労働災害により休業していた労働者がその災害による傷病が原因で死亡した場合、使用者が遺族補償を行うに当たり必要な平均賃金を算定すべき事由の発生日は、当該労働者が死亡した日である。

D 賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば7月31日に算定事由が発生したときはなお直前の賃金締切日である6月30日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

E 賃金締切日が、基本給は毎月月末、時間外手当は毎月20日とされている事業場において、例えば6月25日に算定事由が発生したときは、平均賃金の起算に用いる直前の賃金締切日は、基本給、時間外手当ともに基本給の直前の締切日である5月31日とし、この日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。



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step1 正解は・・・



D


   

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step2 解説

A ☓  (法12条4項) 「通勤手当及び家族手当」は、平均賃金の計算の基礎に含まれる。なお、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金については、平均賃金の計算から除かれる。

B ☓  (法12条3項) 公民権の行使により休業した期間に係る日数及び賃金は、平均賃金の算定の基礎となる日数及び賃金の総額から「除外しない」。算定除外期間に該当するものは、①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間、②産前産後の女性が法65 条の規定によって休業した期間、③使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間、④育児介護休業法に規定する育児休業又は介護休業をした期間、⑤試みの使用期間、である。

C ☓  (法12条、昭39.6.12基収2316号ほか) 災害補償を行うに当たっての算定事由発生日は、「事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日」となる。

D 〇  (法12条、昭24.7.13基収2044号) 本肢のとおりである。平均賃金の算定について、賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日から起算するものとされているが、賃金締切日当日に算定事由が発生した場合は、その日ではなく、その前の賃金締切日から遡って3箇月の期間で算定する。

E ☓  (法12条、昭26.12.27基収5926号) 賃金ごとに賃金締切日が異なる場合には、直前の賃金締切日は、それぞれ各賃金ごとのその直前の賃金締切日から起算するため、設問の場合は、基本給、時間外手当「それぞれの直前の賃金締切日」を起算日として算定する。したがって、基本給は5月31日から遡った3か月間が算定期間となり、時間外手当は6月20日から遡った3か月間が算定期間となる。


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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問2は、平均賃金の計算に関する問題でした。C、D及びEの難易度が高かったため、解答はB以外に散らばっていました。正解肢のDについては、「平均賃金の算定は賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日から起算する」ことがわかっていても、設問は賃金締切日当日に算定事由が発生した場合を問うため、判断が難しく、正答率が低くなりました。



明日もがんばりましょう。
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2017年05月25日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第63問です。

「第2次ランチタイム・スタディ」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『第2次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、63問目は、選択式の労働基準法です。

正答率50%の問題です。
※正答率が50%、すなわち2人に1人が正解した問題です。


<問題( 選択式 労基 A )>

 最高裁判所は、海外旅行の添乗業務に従事する添乗員に労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制が適用されるかが争点とされた事件において、次のように判示した。
 「本件添乗業務は、ツアーの旅行日程に従い、ツアー参加者に対する案内や必要な手続の代行などといったサービスを提供するものであるところ、ツアーの旅行日程は、本件会社とツアー参加者との間の契約内容としてその日時や目的地等を明らかにして定められており、その旅行日程につき、添乗員は、変更補償金の支払など契約上の問題が生じ得る変更が起こらないように、また、それには至らない場合でも変更が必要最小限のものとなるように旅程の管理等を行うことが求められている。そうすると、本件添乗業務は、旅行日程が上記のとおりその日時や目的地等を明らかにして定められることによって、業務の内容があらかじめ具体的に確定されており、添乗員が自ら決定できる事項の範囲及びその決定に係る選択の幅は限られているものということができる。
 また、ツアーの開始前には、本件会社は、添乗員に対し、本件会社とツアー参加者との間の契約内容等を記載したパンフレットや最終日程表及びこれに沿った手配状況を示したアイテナリーにより具体的な目的地及びその場所において行うべき観光等の内容や手順等を示すとともに、添乗員用のマニュアルにより具体的な業務の内容を示し、これらに従った業務を行うことを命じている。そして、ツアーの実施中においても、本件会社は、添乗員に対し、携帯電話を所持して常時電源を入れておき、ツアー参加者との間で契約上の問題やクレームが生じ得る旅行日程の変更が必要となる場合には、本件会社に報告して指示を受けることを求めている。さらに、ツアーの終了後においては、本件会社は添乗員に対し、前記のとおり旅程の管理等の状況を具体的に把握することができる添乗日報によって、業務の遂行の状況等の詳細かつ正確な報告を求めているところ、その報告の内容については、ツアー参加者のアンケートを参照することや関係者に問合せをすることによってその正確性を確認することができるものになっている。これらによれば、本件添乗業務について、本件会社は、添乗員との間で、あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の業務を行うべきことを具体的に指示した上で、予定された旅行日程に途中で相応の変更を要する事態が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされ、旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得る添乗日報によって業務の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされているということができる。
 以上のような業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等に鑑みると、本件添乗業務については、これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く、労働基準法38条の2第1項にいう A に当たるとはいえないと解するのが相当である。」




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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。


⑥ 業務の遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるとき
⑧ 使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務
⑪ 代替休暇
⑭ 通常必要とされた時間労働したもの
⑳ 労働時間を算定し難いとき




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step2 正解は・・・


⑳ 労働時間を算定し難いとき(平26.1.24最高裁第二小法廷判決残業代等請求事件)


   

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step3 コメント

・平成27年の労働基準法の選択式Aは、判例からの出題でした。問題文が長文であるものの、文章の意味を理解して内容から考えれば比較的容易に解答できる問題といえます。「⑧使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務」を入れてしまった方が多く見受けられました。



今日は練習問題はありません。

明日もがんばりましょう。
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