2016年11月21日
「ランチタイム・スタディ」の第34問です。
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「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。
さて、34問目は、択一式の労働者災害補償保険法です。
正答率65%の問題です。
<問題(択一式労災問5)>
〔問〕 業務災害及び通勤災害に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 業務上の疾病の範囲は、労働基準法施行規則別表第一の二の各号に掲げられているものに限定されている。
イ 業務に従事している労働者が緊急行為を行ったとき、事業主の命令がある場合には、当該業務に従事している労働者として行うべきものか否かにかかわらず、その行為は業務として取り扱われる。
ウ 業務に従事していない労働者が、使用されている事業の事業場又は作業場等において災害が生じている際に、業務に従事している同僚労働者等とともに、労働契約の本旨に当たる作業を開始した場合には、事業主から特段の命令がないときであっても、当該作業は業務に当たると推定される。
エ 業務上の疾病が治って療養の必要がなくなった場合には、その後にその疾病が再発しても、新たな業務上の事由による発病でない限り、業務上の疾病とは認められない。
オ 労災保険法第7条に規定する通勤の途中で合理的経路を逸脱した場合でも、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱の間も含め同条の通勤とする。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
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step1 正解は・・・
C
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step2 解説
ア 〇 (法7条1項1号、労基法75条2項、労基則35条、同則別表1の2)本肢のとおりである。労働基準法施行規則別表第1の2第1号から第11号までに掲げる疾病に該当しなければ、業務上の疾病とは認められない。
イ 〇 (法7条1項1号、平21.7.23基発0723第14号)本肢のとおりである。業務に従事している場合に緊急行為を行ったときは、次のように取り扱われる。
・事業主の命令がある場合
緊急行為は、同僚労働者等の救護、事業場施設の防護等当該業務に従事している労働者として行うべきものか否かにかかわらず、私的行為ではなく、業務として取り扱う。
・事業主の命令がない場合
同僚労働者等の救護、事業場施設の防護等当該業務に従事している労働者として行うべきものについては、私的行為ではなく、業務として取り扱う。
ウ 〇 (法7条1項1号、平21.7.23基発0723第14号)本肢のとおりである。業務に従事していない場合に緊急行為を行ったときは、次のように取り扱われる。
・事業主の命令がある場合
緊急行為は、同僚労働者等の救護、事業場施設の防護等当該業務に従事している労働者として行うべきものか否かにかかわらず、私的行為ではなく、業務として取り扱う。
・事業主の命令がない場合
業務に従事していない労働者が、使用されている事業の事業場又は作業場等において災害が生じている際に、業務に従事している同僚労働者等とともに、労働契約の本旨に当たる作業を開始した場合には、特段の命令がないときであっても、当該作業は業務に当たると推定することとする。
エ ☓ (法7条1項1号、昭23.1.9基災発13号)再発とは、「原因である業務上の疾病の連続であって、独立した別個の疾病ではない」とされており、傷病が再発した場合、業務上の疾病として、災害補償は再開される。
オ ☓ (法7条3項)逸脱又は中断であっても、日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、「逸脱又は中断の間を除き」、通常の経路に復した後は通勤と認められる。
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step3 コメント
・労災者災害補償保険法の問5は、業務災害及び通勤災害に関する個数問題でした。アの業務上の疾病に関しては、出題頻度の多いところです。オに関しては、「逸脱又は中断の間は除かれる」ことをうっかり見逃さないようにしてください。
・イとウの正誤判断が難しく、個数問題の割には、思ったより正答率が高かったように思われます。
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step4 プラスα(一読しておこう)
労働者災害補償保険法の保険給付(法7条1項)
この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
1.労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という)に関する保険給付
2.労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という)に関する保険給付
3.二次健康診断等給付
通勤の定義(法7条2項)
通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
1.住居と就業の場所との間の往復
2.厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
3.第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る)
逸脱・中断(法7条3項)
労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第1項第2号の通勤としない。
ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
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step5 練習問題(チャレンジしてみよう!)
労働者災害補償保険法の保険給付(法7条1項)
この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
1.労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という)に関する保険給付
2.労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という)に関する保険給付
3. A
通勤の定義(法7条2項)
通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な B により行うことをいい、 C を有するものを除くものとする。
1.住居と就業の場所との間の往復
2.厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
3.第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る)
逸脱・中断(法7条3項)
労働者が、前項各号に掲げる移動の D し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第1項第2号の通勤としない。
ただし、当該逸脱又は中断が、 E であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
step6 選択肢はありません。答を紙に書いてみてください。
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step7 正解は・・・
A → 二次健康診断等給付
B → 経路及び方法
C → 業務の性質
D → 経路を逸脱
E → 日常生活上必要な行為
明日もがんばりましょう。
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この記事へのコメント

今年は出来る限りLiveに参加して、テンション落とさずに行きたいと思います。家にいてもあまり勉強しないので、、、。
ブログの更新も楽しみにしています。ではまた!。ヽ(・∀・)ノ
スイッチが入ってよかったです。
答練では、他の人の得点状況と比較できますから、自分だけで過去問を解くのとは違って、割といい位置にいるのか、もっとがんばらないといけないのかなどが明確になりますから、これを機に更に学習に励んでくださいね。
また、LIVEに参加できる場所にお住まいであれば、できるだけLIVE講義に参加して、遅れをとらないように食らいついてきてください。
周りの人も必死ですから、その気迫を吸収できます。
答練で間違えてしまった箇所は、天の神様が、「ここやっとけ!」と言ってくれたようなものですから、再度、テキスト読みと過去問に目を通すことをしておいてください。
来週から労働保険編になり、第2ステージに入ります。
答練の出来がどうであれ、皆が同じスタートを切ります。
出来が良ければその調子で、悪ければ気持ちを切り替えて頑張ってください。