2023年07月29日
「ランチタイム・スタディ2023統計数値」の165日目は、「労働力調査(基本集計)」及び「労働力調査詳細集計」から、「若年層の雇用動向」の推定予想問題です。
<推定予想問題(若年層の雇用動向)>
〔問〕 若年層の雇用動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は「労働力調査(基本集計)令和4年平均(速報)結果の概要」及び「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。ここでは、「若年層」とは15~34 歳とし、「若年無業者」とは、15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者、「35~44歳無業者」とは、35~44歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者をいう。
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step1 正解は・・・
E
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step2 解説
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step3 コメント
・「労働力調査(基本集計)」及び「労働力調査(詳細集計)」から、「若年層の雇用動向」の択一式問題でしたが、割と難しかったと思います。どの統計にもいえることですが、おおまかな数字、増減、順番を押さえておいてください。
・若年無業者数とフリーターの人数は、混同しないようにしてください。若年無業者数は約60万人で、フリーターの人数は約130万人ですから倍違います。
・若年無業者数(15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者)と35~44歳無業者数を比べると、若年無業者数の方が多く、「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数を年齢階級別にみると、15~24歳よりも、25~34歳の方が多いことを覚えておきましょう。
・ここでは、35~44歳無業者数が取り上げられていますが、本来、35~44歳は働き盛りで社会で活躍すべき年代であるのに無業者が多いのは、就職氷河期のときに就職活動をしなければならなかったからです。実は就職氷河期に社会人となった40歳前後の年代に引きこもり人口が集中しており、就職活動につまずいてしまった人が、世間になじめないまま引きこもりになったという過程があると考えられています。また、この世代は晩婚化や独身化する人が多く、少子化問題にも影響していると考えられています。このようなことから、政府はそれを改善するための施策を講じています(プラスα参照)。実は、この年齢層は就職難のためその当時から若年無業者が多かったものの、時間の経過と共に少なくなると見込まれていましたが、思うように減らなかったため、近年になって政府は危機感を感じ始めました。「35~44歳無業者数」が労働力調査に取り上げられたのが一昨年の令和元年調査からであることからも、この動向をおっていく姿勢が見られます。
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step4 プラスα
■就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年から2005年卒業で就職活動に差し掛かった年代を指します。
バブルの崩壊を受けてほとんどの企業の有効求人倍率が1を割り、この期間に就職活動を強いられた世代を就職氷河期世代と呼び、高卒では、75年から85年ごろに、大卒者では70年から80年に生まれた人たちが該当しますので、現在35歳~50歳手前ぐらいの年齢が該当します。
就職氷河期世代は、正規雇用としての経歴が薄い人が多く、そのためスキルや能力を発揮するチャンスやキャリアアップに恵まれず、昇格や賞与という企業の恩恵を受けないばかりか転職も不利になってしまっています。
そのため、政府は、「就職氷河期世代活躍支援プラン」を実施しています。
これは、同世代で活躍する人達と同様の活躍の場を広げられるように3年間で集中して取り組むプログラムです。
支援の対象となるのは「正規雇用を希望していながら非正規雇用で働く者」「就業を希望しているが様々な事情により求職活動をしていない長期無業者(無職)」で、同世代の正規雇用者を30万人増やすことを目指した内容になっています。
次回もがんばりましょう。
<推定予想問題(若年層の雇用動向)>
〔問〕 若年層の雇用動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は「労働力調査(基本集計)令和4年平均(速報)結果の概要」及び「労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。ここでは、「若年層」とは15~34 歳とし、「若年無業者」とは、15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者、「35~44歳無業者」とは、35~44歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者をいう。
A 若年無業者数は、2022年平均で36万人と、前年に比べ減少、若年無業者の人口に対する割合は、前年と同率になった。
B 35~44歳無業者数は、2022年平均で57万人と、前年と同数、35~44歳無業者の人口に対する割合は、前年に比べ上昇となった。
C 「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数は、2022年平均で132万人と、前年に比べ上昇となった。
D 「パート・アルバイト及びその希望者」を年齢階級別にみると、15~24歳は2022年平均で76万人、25~34歳は56万人、35~44歳は52万人となった。
E 2022年の35~44歳が25~34歳であった10年前(2011年)と比較すると、103万人から52万人と51万人の減少となった。
B 35~44歳無業者数は、2022年平均で57万人と、前年と同数、35~44歳無業者の人口に対する割合は、前年に比べ上昇となった。
C 「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数は、2022年平均で132万人と、前年に比べ上昇となった。
D 「パート・アルバイト及びその希望者」を年齢階級別にみると、15~24歳は2022年平均で76万人、25~34歳は56万人、35~44歳は52万人となった。
E 2022年の35~44歳が25~34歳であった10年前(2011年)と比較すると、103万人から52万人と51万人の減少となった。
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step1 正解は・・・
E
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step2 解説
A × (労働力調査(基本集計)令和4年平均(速報)結果の概要)若年無業者数は、2022年平均で「57万人」である。
B × (労働力調査(基本集計)令和4年平均(速報)結果の概要)35~44歳無業者数は、2022年平均で「36万人」である。
C × (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)フリーターの数は前年に比べ「減少」している。
D × (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)「パート・アルバイト及びその希望者」を年齢階級別にみると、15~24歳は2021年平均で「56万人」、25~34歳は「76万人」、35~44歳は53万人となった。
E 〇 (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)本肢のとおりである。
B × (労働力調査(基本集計)令和4年平均(速報)結果の概要)35~44歳無業者数は、2022年平均で「36万人」である。
C × (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)フリーターの数は前年に比べ「減少」している。
D × (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)「パート・アルバイト及びその希望者」を年齢階級別にみると、15~24歳は2021年平均で「56万人」、25~34歳は「76万人」、35~44歳は53万人となった。
E 〇 (労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果の概要)本肢のとおりである。
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step3 コメント
・「労働力調査(基本集計)」及び「労働力調査(詳細集計)」から、「若年層の雇用動向」の択一式問題でしたが、割と難しかったと思います。どの統計にもいえることですが、おおまかな数字、増減、順番を押さえておいてください。
・若年無業者数とフリーターの人数は、混同しないようにしてください。若年無業者数は約60万人で、フリーターの人数は約130万人ですから倍違います。
・若年無業者数(15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者)と35~44歳無業者数を比べると、若年無業者数の方が多く、「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数を年齢階級別にみると、15~24歳よりも、25~34歳の方が多いことを覚えておきましょう。
・ここでは、35~44歳無業者数が取り上げられていますが、本来、35~44歳は働き盛りで社会で活躍すべき年代であるのに無業者が多いのは、就職氷河期のときに就職活動をしなければならなかったからです。実は就職氷河期に社会人となった40歳前後の年代に引きこもり人口が集中しており、就職活動につまずいてしまった人が、世間になじめないまま引きこもりになったという過程があると考えられています。また、この世代は晩婚化や独身化する人が多く、少子化問題にも影響していると考えられています。このようなことから、政府はそれを改善するための施策を講じています(プラスα参照)。実は、この年齢層は就職難のためその当時から若年無業者が多かったものの、時間の経過と共に少なくなると見込まれていましたが、思うように減らなかったため、近年になって政府は危機感を感じ始めました。「35~44歳無業者数」が労働力調査に取り上げられたのが一昨年の令和元年調査からであることからも、この動向をおっていく姿勢が見られます。
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step4 プラスα
■就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年から2005年卒業で就職活動に差し掛かった年代を指します。
バブルの崩壊を受けてほとんどの企業の有効求人倍率が1を割り、この期間に就職活動を強いられた世代を就職氷河期世代と呼び、高卒では、75年から85年ごろに、大卒者では70年から80年に生まれた人たちが該当しますので、現在35歳~50歳手前ぐらいの年齢が該当します。
就職氷河期世代は、正規雇用としての経歴が薄い人が多く、そのためスキルや能力を発揮するチャンスやキャリアアップに恵まれず、昇格や賞与という企業の恩恵を受けないばかりか転職も不利になってしまっています。
そのため、政府は、「就職氷河期世代活躍支援プラン」を実施しています。
これは、同世代で活躍する人達と同様の活躍の場を広げられるように3年間で集中して取り組むプログラムです。
支援の対象となるのは「正規雇用を希望していながら非正規雇用で働く者」「就業を希望しているが様々な事情により求職活動をしていない長期無業者(無職)」で、同世代の正規雇用者を30万人増やすことを目指した内容になっています。
次回もがんばりましょう。
