2022年12月12日

「ランチタイム・スタディ( 2022本試験)」の第75問です。

75問目は、択一式の労災保険法です。


正答率43%の問題です。



<問題( 択一式 労災 問7 )>

〔問〕 業務起因性が認められる傷病が一旦治ゆと認定された後に「再発」した場合は、保険給付の対象となるが、「再発」であると認定する要件として次のアからエの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 当初の傷病と「再発」とする症状の発現との間に医学的にみて相当因果関係が認められること

イ 当初の傷病の治ゆから「再発」とする症状の発現までの期間が3年以内であること

ウ 療養を行えば、「再発」とする症状の改善が期待できると医学的に認められること

エ 治ゆ時の症状に比べ「再発」時の症状が増悪していること

A(アとイ)  B(アとエ)  C(アとイとエ)
D(アとウとエ)  E(アとイとウとエ)



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step1 正解は・・・



D


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step2 解説

(「業務災害及び通勤災害の理論と実務」、昭51.1.16神戸地裁判決)再発とは、一旦治ゆとされた者について、その後にその傷病との間に医学上の因果関係が認められる傷病が発生したときをいうものであり、次の要件を満たした場合に「再発」として取り扱われる。

①当初の負傷又は疾病と再発後の症状の発現との間に医学的にみて相当因果関係が認められること

②治ゆ時の状態からみて明らかに症状が悪化していること

③療養によってその症状が改善される見込みがあると医学的に認められること

なお、当初の傷病の治ゆから「再発」とする症状の発現までの期間については特段の定めはされていないため、ウは誤りである。



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step3 コメント

・択一式の労災保険法の問7は、「再発」であると認定する要件の問題でした。イの再発は3年以内という期間が定められていないであろうことと、エの症状が悪化していることを指すことは明らかであろうと考えたと思われますので、結局、イが入っていなくて、エが入っているものを探すとBとDが残りますので、解答はこの2つに割れていました。したがって、ウの「療養を行えば、「再発」とする症状の改善が期待できると医学的に認められること」が再発の要件に入っているか否かが解答の分かれ目になりますが、いずれにせよ、難しい部類の問題といえます。
・組合せ問題は通常、問題の肢がア~オの5つですが、初めて問題の肢がア~エの4つであり、そのため、解答も正しいものが2つのところと3つのところに分かれて出題されています。アはA~Eの全てに入っているため、正誤判断を必要としない(=初めから正しいとされている)ことになりますが、それではアは必要なく、イ~エの中での組合せにすればいいのではないかと思う人がいると思います。なぜ、アがわざわざ入っているかというと、アを無くすと解答が、A(イ) B(エ) C(イとエ) D(ウとエ) E(イとウとエ)となりますが、この場合のA(イ) B(エ) は、「組合せ」とならなくなってしまうからだと考えられます。




明日もがんばりましょう。




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