2022年08月10日

「ランチタイム・スタディ2022統計数値」の167日目は、「令和3年版厚生労働白書」から「非正規雇用労働者の待遇改善・長時間労働の是正」の白書記載事項です。


非正規雇用労働者の待遇改善・長時間労働の是正

令和3年版厚生労働白書


(3) 有期労働契約に関するルール

2013(平成25)年4月1日に全面施行された改正労働契約法では、有期労働契約に関する問題に対処し、働く人が安心して働き続けることができる社会を実現するため、(1)有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる制度(以下、「無期転換ルール」という。)を導入すること、(2)最高裁判例として確立した「雇止め法理」を法定化すること、(3)有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けてはならないとしていという規定を設けることの3つの措置を講じた。


(4) 労働時間法制の見直し

年間総実労働時間は、減少傾向にあり、近年では1,700時間前後の水準となっているが、いわゆる正社員等については2,000時間前後で推移している。

また、週の労働時間が60時間以上の労働者割合も、特に30歳代男性10.2%40歳代男性10.4%に上っており、これらの長時間労働の問題への対応が求められている。

さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させられるよう、多様なニーズに対応した新たな働き方の選択肢を設けることが求められている。

このような状況の中で、長時間労働の是正に関しては、労働基準法の改正により時間外労働の上限規制が罰則付きで法律に規定された。

具体的には、事業場で使用者と労働者代表が労働基準法第36条第1項に基づく労使協定を結ぶ場合に、法定労働時間を超えて労働者に行わせることが可能な時間外労働の限度を、原則として月45時間かつ年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできないこととした。

また、臨時的な特別の事情(通常予見することのできない業務量の大幅な増加など)があって労使が合意して労使協定を結ぶ場合(特別条項)でも上回ることができない時間外労働時間の限度を年720時間とした上で、時間外労働が月45時間を超えることができる回数について年半分を上回らないよう、年6か月を上限とした。

さらに、特別条項の有無にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満を満たさなければならず、かつ、「2か月平均」、「3か月平均」、「4か月平均」、「5か月平均」、「6か月平均」の全て80時間以内を満たさなければならないこととした。

このほか、法律には、①中小企業における月60時間超の時間外労働に対する50%以上の割増賃金率の適用猶予の廃止、②年5日の年次有給休暇の確実な取得、③フレックスタイム制の清算期間の上限の1か月から3か月への延長、④高度プロフェッショナル制度の創設等の内容も盛り込まれ、順次施行されている。


加えて、働き方改革関連法により「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」が改正され、勤務間インターバル制度の導入や、取引に当たって短納期発注等を行わないよう配慮することが、事業主の努力義務となった(2019年4月1日施行)。




次回もがんばりましょう。



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