2021年12月29日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第90問で、ラスト3問です。

90問目は、択一式の労災保険法です。


正答率20%の問題です。


<問題( 択一式 労災 問2 )>

〔問〕 通勤災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 3歳の子を養育している一人親世帯の労働者がその子をタクシーで託児所に預けに行く途中で追突事故に遭い、負傷した。その労働者は、通常、交通法規を遵守しつつ自転車で託児所に子を預けてから職場に行っていたが、この日は、大雨であったためタクシーに乗っていた。タクシーの経路は、自転車のときとは違っていたが、車であれば、よく利用される経路であった。この場合は、通勤災害と認められる。

B 腰痛の治療のため、帰宅途中に病院に寄った労働者が転倒して負傷した。病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であった。この場合は、通勤災害と認められない。

C 従業員が業務終了後に通勤経路の駅に近い自動車教習所で教習を受けて駅から自宅に帰る途中で交通事故に遭い負傷した。この従業員の勤める会社では、従業員が免許取得のため自動車教習所に通う場合、奨励金として費用の一部を負担している。この場合は、通勤災害と認められる。

D 配偶者と小学生の子と別居して単身赴任し、月に1~2回、家族の住む自宅に帰っている労働者が、1週間の夏季休暇の1日目は交通機関の状況等は特段の問題はなかったが単身赴任先で洗濯や買い物等の家事をし、2日目に家族の住む自宅へ帰る途中に交通事故に遭い負傷した。この場合は、通勤災害と認められない。

E 自家用車で通勤していた労働者Xが通勤途中、他の自動車との接触事故で負傷したが、労働者Xは所持している自動車運転免許の更新を失念していたため、当該免許が当該事故の1週間前に失効しており、当該事故の際、労働者Xは、無免許運転の状態であった。この場合は、諸般の事情を勘案して給付の支給制限が行われることはあるものの、通勤災害と認められる可能性はある。



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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

(法7条2項、平18.3.31基発0331042号)本肢のとおりである。タクシー等を利用する場合に、通常利用することが考えられる経路が2、3あるような場合には、その経路は、いずれも合理的な経路となる。さらに、他に子供を監護する者がいない共稼労働者が託児所、親せき等にあずけるためにとる経路などは、そのような立場にある労働者であれば、当然、就業のためにとらざるを得ない経路であるので、合理的な経路となるものと認められる。

(法7条3項、則8条)本肢のとおりである。病院又は診療所において診察又は治療を受けることは日常生活上必要な行為と認められるが、病院はいつも利用している駅から自宅とは反対方向にあり、負傷した場所はその病院から駅に向かう途中の路上であったため、通常の経路とは認められず、通勤災害と認められない。

× (法7条3項、平18.3.31基発0331042号)従業員が業務終了後に通勤経路の駅に近い「自動車教習所に通う行為」は、「職業訓練、学校教育法に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為」に該当しないため、本件は、通勤災害と認められない。

(法7条2項2号、平18.3.31基発0331042号)本肢のとおりである。労災保険法第7条2項3号の住居間移動における赴任先住居から帰省先住居への移動の場合であるが、実態等を踏まえて、業務に従事した当日又はその翌日に行われた場合は、就業との関連性を認めて差し支えない。ただし、翌々日以後に行われた場合は、交通機関の状況等の合理的理由があるときに限り、就業との関連性が認められる。

(法7条2項、平18.3.31基発0331042号)本肢のとおりである。免許証更新による無免許運転の場合等は、必ずしも、合理性を欠くものとして取り扱う必要はないが、この場合において、諸般の事情を勘案し、給付の支給制限が行われることがある。




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step3 コメント

・択一式の労災保険法の問2は、通勤災害に関する問題でした。B、C及びDの難易度が高く、この3つで迷った人が大半だったと思われます。



明日もがんばりましょう。




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