2021年12月28日
89問目は、択一式の社会保険一般常識です。
正答率25%の問題です。
<問題( 択一式 社一 問9 )>
〔問〕 社会保険制度の目的条文に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 国民健康保険法第1条では、「この法律は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行い、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
B 健康保険法第1条では、「この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
C 高齢者医療確保法第1条では、「この法律は、国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画の作成及び保険者による健康診査等の実施に関する措置を講ずるとともに、高齢者の医療について、国民の共同連帯の理念等に基づき、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療の給付等を行うために必要な制度を設け、もつて国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的とする。」と規定している。
D 船員保険法第1条では、「この法律は、船員又はその被扶養者の職務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行うとともに、労働者災害補償保険による保険給付と併せて船員の職務上の事由又は通勤による疾病、負傷、障害又は死亡に関して保険給付を行うこと等により、船員の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」と規定している。
E 介護保険法第1条では、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」と規定している。
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
A × (国民健康保険法1条、同法2条)国民健康保険法1条は、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と規定し、同法2条において、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。」と規定している。
B 〇 (健康保険法1条)本肢のとおりである。
C 〇 (高齢者医療確保法1条)本肢のとおりである。
D 〇 (船員保険法1条)本肢のとおりである。
E 〇 (介護保険法1条)本肢のとおりである。
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step3 コメント
・択一式の社会保険一般常識の問9は、社会保険法令の目的条文からの出題でした。Aが国民健康保険法の目的条文である法1条と法2条を組み合わせているため誤りとしています。本問を解く場合、通常、「何かおかしいところはないか」、「重要な語句が抜け落ちていないか」と意識しながら問題文に目を通していくことになるはずですが、この観点ではおそらく誤りに気付かないと思います。かなりの難問といえますが、逆にAと解答できた方はテキストの読み込みが十分にできていたか、目的条文にしぼって学習していたかのいずれかであったと思われます。
明日もがんばりましょう。