2021年11月30日

「ランチタイム・スタディ 2021本試験」の第61問です。

61問目は、択一式の労災保険法です。


正答率54%の問題です。


<問題( 択一式 労災 問4 )>

〔問〕 心理的負荷による精神障害の認定基準(令和2年5月29日付け基発0529第1号)の業務による心理的負荷評価表の「平均的な心理的負荷の強度」の「具体的出来事」の1つである「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」の、「心理的負荷の強度を『弱』『中』『強』と判断する具体例」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

B 人格や人間性を否定するような、業務の目的を逸脱した精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

C 他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃が行われたが、その行為が反復・継続していない場合、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなければ、心理的負荷の程度は「中」になるとされている。

D 治療等を要さない程度の暴行による身体的攻撃が行われた場合、その行為が反復・継続していなくても、また、他に会社に相談しても適切な対応がなく改善されなかった等の事情がなくても、心理的負荷の程度は「強」になるとされている。

E 「上司等」には、同僚又は部下であっても業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗又は拒絶することが困難である場合も含む。



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step1 正解は・・・



D
   


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step2 解説

(令2.5.29基発0529第1号)本肢のとおりである。

(令2.5.29基発0529第1号)本肢のとおりである。

(令2.5.29基発0529第1号)本肢のとおりである。

× (令2.5.29基発0529第1号)本肢の場合、心理的負荷の程度は「中」と評価される。

(令2.5.29基発0529第1号)本肢のとおりである。


※上司等による次のような身体的攻撃・精神的攻撃が行われ、行為が反復・継続していない場合には、「中」とされる。

a 治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃

b 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した精神的攻撃

c 必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃


※上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた場合に「強」とされるのは、次の場合である。

①上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合

②上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合 

③上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合

a 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃

b 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃


④心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合




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step3 コメント

・択一式の労災保険法の問4は、心理的負荷による精神障害の認定基準からの出題でした。ここでは、認定要件と認定要件に関する基本的な考え方を押さえたうえで、認定要件の具体的判断として、心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」の三段階のいずれに入るかの区分けができるようにしておいてください。




明日もがんばりましょう。




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