2021年11月22日

「ランチタイム・スタディ」の第53問です。

53問目は、選択式の労働基準法です。

正答率85&58%の問題です。

※選択式労基B=85%、C=58%(Bは正答率がCより高いものの同じカテゴリーですので、Cの正答率に合わせここで掲載しています。)


<問題( 選択式 労基 BC )>

最高裁判所は、歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法第37条の定める割増賃金が支払われたといえるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。

「使用者が労働者に対して労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かを判断するためには、割増賃金として支払われた金額が、 B に相当する部分の金額を基礎として、労働基準法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討することになるところ、その前提として、労働契約における賃金の定めにつき、 B に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要である[…(略)…]。そして、使用者が、労働契約に基づく特定の手当を支払うことにより労働基準法37条の定める割増賃金を支払ったと主張している場合において、上記の判別をすることができるというためには、当該手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされていることを要するところ、当該手当がそのような趣旨で支払われるものとされているか否かは、当該労働契約に係る契約書等の記載内容のほか諸般の事情を考慮して判断すべきであり[…(略)…]、その判断に際しては、当該手当の名称や算定方法だけでなく、[…(略)…]同条の趣旨を踏まえ、 C 等にも留意して検討しなければならないというべきである。」

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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

Bの選択肢
⑦ 家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金
⑪ 通常の労働時間の賃金
⑬ 当該歩合給
⑰ 平均賃金にその期間の総労働時間を乗じた金額


Cの選択肢
⑫ 当該手当に関する労働者への情報提供又は説明の内容
⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け
⑮ 同種の手当に関する我が国社会における一般的状況
⑳ 労働者に対する不利益の程度


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step2 正解は・・・


B → ⑪ 通常の労働時間の賃金(令2.3.30最高裁第一小法廷判決国際自動車事件)

C → ⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け(令2.3.30最高裁第一小法廷判決国際自動車事件)


   

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step3 コメント


・選択式の労働基準法のB及びCは、令和2年3月30日判決の国際自動車事件からの出題でした。誰もが気になる労働基準法の選択式の判例の問題ですが、Bの「⑪ 通常の労働時間の賃金」については、他の判例でも見られる内容であり、他に惑わされるような選択肢も無いことから、多くの人が出来ていました。Cの「⑭ 当該労働契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付けについては、Cの前の文面に「当該手当の名称や算定方法だけでなく」という文言がヒントになります。意味が最も通る選択肢となると⑭になりますので、半数以上の方が正解できていました。




明日もがんばりましょう。




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