2021年05月07日
「ランチタイム・スタディ2021統計数値」の100日目は、「第15回中高年者縦断調査の概況」において、「縦断調査」出てきたことから「調査手法及びデータの種類」を取り上げます。
調査手法及びデータの種類
【第15回中高年者縦断調査の概況】に因んで
(1)定量調査、定性調査
調査の手法には、大きく分けて2つに分類される。
① 定量調査
調査対象の「量」や「割合」を調べるのが、「定量」調査である。
たとえば、「「1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均18.0日、そのうち労働者が取得した日数は10.1日で、取得率は56.3%」であるが、ここでは「量(日数)」や「割合(取得率)」を調べている。
社労士本試験で問われる各種調査の内容は、そのほとんどが定量調査といえる。
定量調査では、数値データとしての信頼性を確保するために、比較的多くのサンプル数が必要とされる。
たとえば、先ほど記載した「年次有給休暇の取得率」については、「令和2年就労条件総合調査」で触れられているが、ここでは、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)のうちから、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が対象とされ、令和2年調査の調査対象数(調査客体数)は、6,406社であり、有効回答数4,191社、有効回答率65.4%となっている。
定量調査の特徴としては、データが数値化されているため、調査結果の数値は表やグラフなどで表すことが可能で理解しやすい。
ただし、データを数値化するためには、質問とその回答となる選択肢が予め用意されていなければならない。
② 定性調査
数字では表せない調査対象者の意見や行動などを探るのが、「定性」調査である。
たとえば、先ほど触れた「年次有給休暇の取得率」では、取得日数が少ない人を対象に、「どうして年休が取れないのか」を聞き取り調査することなどは定性調査に該当し、ある事象に対する理由や要因を深く探ることができる。
定性調査は、数値化できないデータの収集を目的とした調査で、通常1対1や数名のグループなど、比較的少ないサンプルで実施される。
定性調査の代表的な手法は「グループ・インタビュー」、個別の対象者を長時間にわたって面接する「深層面接法」、対象者の態度や行動、あるいは反応などを観察する「観察法」などがある。
<ポイント>
・直接、本試験の内容とは若干、外れますが、労一の選択式では、各種調査に関する問題が出題される傾向にありますので、この程度の理解は必要と考え、今回、掲載することとしました。
明日もがんばりましょう。