2021年02月12日

「ランチタイム・スタディ2021統計数値」の第30回は、「労働力調査(基本集計)」から「労働力人口の動向」の調査記載内容です。



労働力人口の動向

【労働力調査(基本集計)令和2年平均(速報)結果の概要】


(1)労働力人口 ―― 労働力人口は 18万人の減少

労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は、2020年平均で6,868万人と、前年に比べ18万人の減少(8年ぶりの減少)となった。
男女別にみると、男性3,823万人と5万人の減少女性3,044万人と14万人の減少となった。

15~64歳(生産年齢人口に当たる年齢)の労働力人口は、2020年平均で5,946万人と、前年に比べ34万人の減少となった。
男女別にみると、男性3,272万人と14万人の減少女性2,673万人と20万人の減少となった。


<ポイント>
・労働力人口の定義は、「15歳以上」人口で「完全失業者」が含まれる点に注意が必要です。
 (「18歳以上」や「20歳以上」ではありません。)
・労働力人口6,868万人は、約7,000万人弱と押さえておきましょう。
 (5,000万人台や8,000万人台の数字で出題された場合に誤っていることがわかればよいです。)
・労働力人口の男女比としては、当然ながら男性の方が多いです。
・労働力人口は7年連続上昇していましたが、今回、減少に転じています。
・労働力人口の減少は、男女共に減っているものの、女性の方がより減っています。15~64歳(生産年齢人口に当たる年齢)の労働力人口も同様です。
 (コロナの影響と考えればわかりやすい。)


<覚えておきたい他の用語>
・「生産年齢人口」・・・ 年齢別人口のうち、生産活動の中核をなす年齢の人口層を指し、日本では15歳以上65歳未満の人口が該当する。
・「年少人口」・・・15歳未満の人口
・「老年人口」・・・65歳以上の人口
・「被扶養人口」・・・「年少人口」と「老年人口」をあわせた人口

 
(2)労働力率(労働力人口比率)―― 労働力人口比率は0.1ポイントの低下

労働力人口比率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、2020年平均で62.0%と、前年に比べ0.1ポイントの低下(8年ぶりの低下)となった。
男女別にみると、男性71.4%と同率、53.2%と0.1ポイントの低下となった。

<ポイント>
・労働力率は、62.0%と、6割を超えています。
・男性の労働力率は、7割超え、女性の労働力率は5割超えととらえてください。


(3)非労働力人口――非労働力人口は7万人の増加  

非労働力人口は、2020年平均で4,204万人と、前年に比べ7万人の増加(8年ぶりの増加)となった。
このうち65歳以上は15万人の増加となった。

<ポイント>
・労働力人口が減っているため、非労働力人口は当然ながら増加となります。
・65歳以上も増加しています。


<全体を通して>
・日本は人口減少化社会に入りました。人口が減少すると、労働力人口が減って、国力衰退(GDPの低下)につながってしまいます。そのため、政府は①女性、②高齢者、③年少者、④障害者、⑤外国人の労働者を増やすことで乗り越えようとして施策を打ち出してきています。よって、この分野が社労士試験にも出題される重要な箇所になるわけです。

・昨年までの我国は人口が減少している中でも、労働力人口は増加していました。しかし、元々の景気悪化に加え、コロナの影響で、一気に労働力人口は減少に転じています。


明日もがんばりましょう。



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