2021年01月08日

「ランチタイム・スタディ 2021統計数値の5日目は、「所定労働時間・休日等の動向」の推定予想問題です。


<問題(所定労働時間・休日等の動向)>

〔問〕 休日等の動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は、「令和2年就労条件総合調査結果の概況」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A 週休制の形態別適用労働者割合をみると、「何らかの週休2日制」が適用されている労働者割合は 85.9%、「完全週休2日制」が適用されている労働者割合は 58.0%となっている。

B 平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)の年間休日総数の1企業平均は116.0日、労働者1人平均は109.9日となっている。

C 平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、企業規模別では「1,000人以上」及び「300~999人」規模企業、男女別では女性が6割を超えている。

D 特別休暇制度がある企業割合は約8割であり、これを特別休暇制度の種類別(複数回答)にみると、「夏季休暇」が最も多く、次いで「病気休暇」となっている。

E 年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は、前年に比べ、約2倍に増えており、計画的付与日数階級別にみると、「3~4日」が最も高くなっている。


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step1 正解は・・・


A


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step2 解説

A 〇 (令和2年就労条件総合調査結果の概況) 本肢のとおりである。なお、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は82.5%、「完全週休2日制」を採用している企業割合は、44.9%となっている。

B ☓ (令和2年就労条件総合調査結果の概況) 平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)の年間休日総数の1企業平均は「109.9日」、労働者1人平均は「116.0日」となっている。なお、1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、企業規模が大きいほど休日日数は多い。

C ☓ (令和2年就労条件総合調査結果の概況) 平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、企業規模別では「1,000人以上」規模企業、男女別では女性が6割を超えているが、企業規模「300~999人」は、53.1%と、6割を超えていない。

D ☓ (令和2年就労条件総合調査結果の概況) 夏季休暇、病気休暇等の特別休暇制度がある企業割合は「約6割」である。なお、後段部分は正しい。

E ☓ (令和2年就労条件総合調査結果の概況) 年次有給休暇の計画的付与制度がある企業の計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が66.6%と最も高くなっている。なお、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は43.2%であり、平成31年調査では22.2%であったため、約2倍となっており、前段部分は正しい。



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step3 コメント

・令和2年就労条件総合調査結果の概況から、休日等の動向の問題です。本問は各肢とも見逃しがちであるもののポイントとなるところを問うていますので、難易度的には難しい部類に入ります。ただ、多くの人にとって興味を引く項目ではあると思われますので、ここはなんとか正解したいところです。(ここよりもっと興味がわかないと思われる統計も、このあと続々と出てきますので。)

・Bは、年間休日総数の「1企業平均」と「労働者1人平均」の日数を入れ替えて誤りとした、少々、意地悪な問題です。大企業ほど年間休日総数が多くなるので、企業カウントでは、より多くの労働者をかかえる大企業でも企業数では1企業になりますが、労働者カウントでは1,000人や5,000人などに膨れ上がりますから、労働者1人平均の年間休日総数の方が1企業平均よりも日数が多くなります。このことは、Aの週休制の企業割合と労働者割合にも同じことがいえます。かつては、このあたりを問う場合には、「企業割合(1企業平均)」を問うことが通常でしたが、昨今、「労働者割合(労働者1人平均)」を問うケースも見受けられますので注意が必要です。

・もし、「企業割合(又は1企業平均)」と「労働者割合(又は労働者1人平均)」のどちらが多くなるかがわからなくなってしまったら、極端な例を考えてみましょう。たとえば、Bの問題の年間休日総数の1企業平均と労働者1人平均の日数のどちらが高くなるか、わからなくなった場合を想定して考えてみます。
まず、大企業の方が休日が多いことは理解できるはずですから、
従業員数10人のA社の年間休日総数は105日
従業員数100人のB社の年間休日総数は110日
従業員数1,000人のC社の年間休日総数は115日
と仮定した場合、
1企業平均は、110日((105+110+115)/3=110)となりますが、
労働者1人平均は、限りなく115日に近くなることがわかると思います。
これにより、1企業平均よりも、労働者1人平均の方が高くなることがわかります。

・Eについては、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業の計画的付与日数階級別にみると、「5~6日」が66.6%と最も高くなっています。「5~6日」が「66.6%」であり、この項目は複数回答はありえませんので、「5~6日」が断トツに高く、逆に言うと、「3~4日」は8.4%、「7~8日」は2.0%とかなり低くなっています。
年次有給休暇の強制付与(5日以上)については、企業規模にかかわらず罰則規定が設けられていますので、それだけ企業側も免れたい気持ちが数字に表れているといえます。ここは、令和3年度本試験の対象となる各種統計数値の記述の中でも、改正が統計数値に影響を及ぼした項目の代表格といえます。新規記載項目(今までにも調査対象ではあったものの、概況に文章として記載されてはいなかった項目=厚労省も以前はあまり重要視していなかった項目=現在は重要視する項目になった)でもあるので、年次有給休暇の取得率(全体取得率56.3%と同時に、男女別では女性は6割超え、企業規模別では全企業規模で5割超え、かつ1,000人以上で6割超え)と共に、令和3年度本試験では狙われやすいと考えた方がいいでしょう。


来週もがんばりましょう。




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