2020年11月10日

「ランチタイム・スタディ 2020本試験」の第41問です。

41問目は、択一式の国民年金法です。

正答率64%&合否を分けた問題です。

※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%未満)」とで、17%以上差が開いた問題で、2020年本試験択一式70問中、全部で10問あります。



<問題( 択一式 国年 問10 )>

〔問〕 国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 第1号被保険者期間中に15年間付加保険料を納付していた68歳の者(昭和27年4月2日生まれ)が、令和2年4月に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、付加年金額に25.9%を乗じた額が付加年金額に加算され、申出をした月の翌月から同様に増額された老齢基礎年金とともに支給される。

イ 障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができる。

ウ 日本国籍を有しない60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、平成7年4月から平成9年3月までの2年間、国民年金第1号被保険者として保険料を納付していたが、当該期間に対する脱退一時金を受給して母国へ帰国した。この者が、再び平成23年4月から日本に居住することになり、60歳までの8年間、第1号被保険者として保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている。なお、この者は、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。

エ 令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなる。

オ 第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない。

A (アとウ)  B (アとオ)  C (イとエ)
D (イとオ)  E (ウとエ)



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step1 正解は・・・



A
   


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step2 解説

ア × (法46条、令4条の5) 「25.9%」ではなく「25.2%」である。老齢基礎年金の支給繰下げが行われたときは、付加年金についても、老齢基礎年金の増額率と同率で増額されるが、68歳に達した日の属する月に支給繰下げの申出をした場合は、増額率は「1,000分の7×36月(老齢基礎年金の受給権を取得した日の属する月から支給繰下げの申出をした日の属する月の前月までの月数)=25.2%」となる。

イ 〇 (法89条2項) 本肢のとおりである。法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であった者から、当該納付することを要しないものとされた保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料については、免除されない。

ウ × (法附則9条の3の2第4項) 脱退一時金の支給を受けたときは、支給を受けた者は、その額の計算の基礎となった第1号被保険者としての被保険者であった期間は、被保険者でなかったものとみなされるため、本肢の者の保険料納付済期間は8年間とされ、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。

エ 〇 (法94条1項) 本肢のとおりである。

オ 〇 (法89条、則75条) 本肢のとおりである。第1号被保険者が法定免除の事由のいずれかに該当するに至ったときは、所定事項を記載した届書を、14日以内に、市町村長に提出しなければならない。



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step3 コメント

・択一式の国民年金法の問10は、事例問題も含まれ、問題文もやや長いため、解答するのは時間を要するはずです。ただ、その割には、正解肢であるアとウの誤りに気づきやすいため、正答率はさほど低くはならなかったと思われます。

・ただし、問題を目にしたときに、事例問題ということで、解くのを回避してしまった人と、果敢に挑戦した人の正答率に差が出たため、合否を分けた問題となったように思われます。国民年金法の問10付近によく出題される事例問題ですが、意外と簡単なポイントで正誤を見分けられることもあります。諦めずに、一呼吸おいて解答するようにしてください。



明日もがんばりましょう。




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