2020年04月18日

「「令和元年版労働経済白書」一読」の10回目は、「就労を望む誰もが安心して働き続けられる「働きやすさ」の実現に向けて ①我が国の「働きやすさ」の現状と「働きやすさ」に影響を与える要素」のまとめの文章です。



就労を望む誰もが安心して働き続けられる「働きやすさ」の実現に向けて

我が国の「働きやすさ」の現状と「働きやすさ」に影響を与える要素

我が国における「働きやすさ」の現状をみると、働きにくいと感じている者より働きやすいと感じている者の方が多く、男性は「35~64歳」、女性は「45~64歳」において働きやすいと感じている者が他の年齢階級に比べ少ない一方で、男女ともに「65歳以上」において働きやすいと感じている者が多くなっている。

正社員が働きやすさの向上のために重要と考える雇用管理の取組をみると、「職場の人間関係やコミュニケーションの円滑化」が最も多く、次いで「有給休暇の取得促進」、「労働時間の短縮や働き方の柔軟化」が高く、労働者は年代や性別にかかわらず、労働時間、年次有給休暇、柔軟な働き方、職場の人間関係やコミュニケーションなどを、職場の働きやすさの向上のために重要な要素として捉えていることが明らかになった。

労働時間と働きやすさの関係をみると、労働時間が短くなるほど働きやすいと感じている者が増え、長くなるほど働きにくいと感じている者が増える。

年次有給休暇の取得率(前年度からの繰り越しを含む)と働きやすさとの関係をみると、取得率が著しく低いと働きにくいと感じている者の方が多い。

取得率が高くなるほど働きやすいと感じている者の割合が多くなるが、取得率が50%を超えると横ばいとなる。

働き方の柔軟化と働きやすさの関係をみると、フレックスタイム制の正社員は同一企業での就業継続を望む割合が高く勤務間インターバル制度に該当する正社員の方が該当しない正社員に比べて働きやすさを感じている者が多い

テレワークについては、実施者と未実施者との間で大きな違いは見られないが、導入状況との関係をみると、テレワークが導入されていない企業の方が、働きにくいと感じている者が多い

人間関係と労働時間の変化が働きやすさに与える影響をみると、人間関係が良好になった場合は、労働時間の増減にかかわらず働きやすくなったと感じる者が働きにくくなったと感じる者を大きく上回る

人手の不足している企業で働く者については、人手不足の職場環境への影響が大きいほど働きにくいと感じている者の割合が増加するが、その具体的な影響をみると、「残業時間の増加、休暇取得数の減少」「離職者の増加」「従業員間の人間関係の悪化」が多くなっており、これまで働きやすさにとって重要な要因となっていることを確認してきた労働時間等が、人手不足企業においても同様に重要であることが分かる。



第11回へ続く



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