2020年02月19日
「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2019本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。
さて、92問目は、択一式の労働一般常識です。
正答率12%の問題で、難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※正答率1割台の問題で、択一式の中で最も正答率が低かった問題です。
※ラスト3問です。
<問題( 択一式 労一 問2 )>
〔問〕 我が国の労使間の交渉に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成29年労使間の交渉等に関する実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
A 労働組合と使用者(又は使用者団体)の間で締結される労働協約の締結状況をみると、労働協約を「締結している」労働組合は9割を超えている。
B 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、「賃金・退職給付に関する事項」、「労働時間・休日・休暇に関する事項」、「雇用・人事に関する事項」が上位3つを占めている。
C 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、使用者側との間で行われた団体交渉の状況をみると、「団体交渉を行った」労働組合が全体の約3分の2、「団体交渉を行わなかった」労働組合が約3分の1になっている。
D 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、労働組合と使用者との間で発生した労働争議の状況をみると、「労働争議があった」労働組合は5%未満になっている。
E 使用者側との労使関係の維持について労働組合の認識をみると、安定的(「安定的に維持されている」と「おおむね安定的に維持されている」の合計)だとする割合が約4分の3になっている。
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step1 正解は・・・
E
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step2 解説
A 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。労働組合と使用者(又は使用者団体)の間で締結される労働協約の締結状況をみると、労働協約を「締結している」94.7%、「締結していない」4.7%となっている。
B 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、「賃金・退職給付に関する事項」89.7%、「労働時間・休日・休暇に関する事項」79.0%、「雇用・人事に関する事項」65.9%などとなっている。
C 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。過去3年間において、使用者側との間で行われた団体交渉の状況をみると、「団体交渉を行った」67.6%、「団体交渉を行わなかった」32.0%となっている。
D 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。過去3年間において、労働組合と使用者との間で発生した労働争議の状況をみると、「労働争議があった」1.7%、「労働争議がなかった」98.1%となっている。
E ✕ (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 使用者側との労使関係の維持についての認識をみると、「安定的に維持されている」42.7%、「おおむね安定的に維持されている」46.4%、合わせて「89.1%」である。
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step3 コメント
・択一式の労働一般常識の問2は、平成29年労使間の交渉等に関する実態調査からの出題でした。正解肢のEは、「使用者側との労使関係の維持について労働組合の認識をみると、安定的だとする割合」が「約4分の3」ではなく、「約9割」であるから誤りとされています。問題文の「4分の3」が、たとえば「2分の1」のように40%位の違いがあれば問題として問うのは納得できます(ただ、この場合でも難易度は高いです。)が、75%と90%の違いを問うのは酷すぎます。ここは、できなくて仕方ありません。
明日もがんばりましょう。