2020年02月18日

「ランチタイム・スタディ」の第91問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
『「ランチタイム・スタディ2019本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。

さて、91問目は、択一式の労働基準法です。

正答率14%の問題で、難問です。

※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※正答率1割台の問題です。


<問題( 択一式 労基 問6 )>

〔問〕 労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 労働基準法第32条第2項にいう「1日」とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいい、継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。

B 労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制について、清算期間が1か月を超える場合において、清算期間を1か月ごとに区分した各期間を平均して1週間当たり50時間を超えて労働させた場合は時間外労働に該当するため、労働基準法第36条第1項の協定の締結及び届出が必要となり、清算期間の途中であっても、当該各期間に対応した賃金支払日に割増賃金を支払わなければならない。

C 労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。

D 「いわゆる定額残業代の支払を法定の時間外手当の全部又は一部の支払とみなすことができるのは、定額残業代を上回る金額の時間外手当が法律上発生した場合にその事実を労働者が認識して直ちに支払を請求することができる仕組み(発生していない場合にはそのことを労働者が認識することができる仕組み)が備わっており、これらの仕組みが雇用主により誠実に実行されているほか、基本給と定額残業代の金額のバランスが適切であり、その他法定の時間外手当の不払や長時間労働による健康状態の悪化など労働者の福祉を損なう出来事の温床となる要因がない場合に限られる。」とするのが、最高裁判所の判例である。

E 労働基準法第39条に定める年次有給休暇は、1労働日(暦日)単位で付与するのが原則であるが、半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用されている場合には認められる。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



D
   


-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説

A 〇 (法32条、昭63.1.1基発1号) 本肢のとおりである。なお、法32条1項にいう「1週間」とは、就業規則等に別段の定めがない限り、日曜から土曜までのいわゆる暦週をいう。

B 〇 (法32条の3、平30.12.28基発1228第15号) 本肢のとおりである。なお、清算期間を1箇月ごとに区分した各期間を平均して1週間当たり50時間を超えて労働させた時間については、清算期間の途中であっても、時間外労働としてその都度割増賃金を支払わなければならないが、当該時間が月60時間を超える場合は法37条1項ただし書により5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないものとされている。

C 〇 (法38条の2) 本肢のとおりである。労使協定で定める時間が法定労働時間を超える場合についてのみ、当該労使協定を、行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない。

D ✕ (平30.7.19最高裁第一小法廷日本ケミカル事件) 雇用契約においてある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かは、雇用契約に係る契約書等の記載内容のほか、具体的事案に応じ、使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容、労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情を考慮して判断すべきである。しかし、労働基準法37条や他の労働関係法令が、当該手当の支払によって割増賃金の全部又は一部を支払ったものといえるために、原審が判示するような事情が認められることを必須のものとしているとは解されないとされ、最高裁は本肢のような事情が必須のものとした原審の判断は誤りとした。

E 〇 (法39条、平30.12.28基発1228第15号) 本肢のとおりである。年次有給休暇の半日単位による付与については、年次有給休暇の取得促進の観点から、労働者がその取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意した場合であって、本来の取得方法による休暇取得の阻害とならない範囲で適切に運用される限りにおいて、問題がないものとして取り扱うこととしている。




-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・択一式の労働基準法の問6は、労働時間等に関する問題でした。正解肢であるDは、最高裁判例日本ケミカル事件の高裁の判旨であり、最高裁はこの判旨を覆したため誤りとなりますが、極めて難易度が高く、Dの正誤を判断することは容易ではありません。ただし、他の肢は比較的容易に解けますので、消去法により、正解を導き出したいところです。



明日もがんばりましょう。





コメントする

名前
 
  絵文字