2020年01月06日

「ランチタイム・スタディ」の第62問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
『「ランチタイム・スタディ2019本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。

さて、62問目は、択一式の労働基準法です。

正答率50%の問題です。

※正答率がちょうど50%です。2人に1人が正解している問題です。

<問題( 択一式 労基 問3 )>

〔問〕 労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 労働基準法第4条が禁止する「女性であることを理由」とした賃金についての差別には、社会通念として女性労働者が一般的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることが含まれるが、当該事業場において実際に女性労働者が平均的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることは含まれない。

イ 労働基準法第5条は、使用者は、労働者の意思に反して労働を強制してはならない旨を定めているが、このときの使用者と労働者との労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、事実上の労働関係が存在していると認められる場合であれば足りる。

ウ 労働基準法第7条に基づき「労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使」した場合の給与に関しては、有給であろうと無給であろうと当事者の自由に委ねられている。

エ いわゆる芸能タレントは、「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている」「当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない」「リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない」「契約形態が雇用契約ではない」のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しない。

オ 私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。

A (アとウ)    B (アとエ)    C (アとオ)
D (イとエ)    E (イとオ)




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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

ア ✕ (法4条、昭22.9.13発基17号) 労働者が女性であることのみを理由とすることはもとより、「社会的通念として」又は「当該事業場において」、女性労働者が一般的に又は平均的に勤続年数が短いこと等の理由によって女性労働者に対し賃金に差別をつけることは、法4条違反となる。

イ 〇 (法5条、昭23.3.2 基発381号) 本肢のとおりである。

ウ 〇 (法7条、昭22.11.27 基発399号) 本肢のとおりである。公民権行使の時間については、使用者に賃金の支払義務は課せられていないため、有給にするか無給にするかは当事者の自由である。

エ 〇 (法9条、昭63.7.30基収355号) 本肢のとおりである。本肢にある、いわゆる芸能タレント通達4要件のいずれにも該当する場合には、法9条の労働者には該当しないとされる。

オ ✕ (法11条、昭28.2.10基収6212号、昭63.3.14基発150号) 社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は実費弁償であり、賃金ではない。





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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問3は、総則に関する組合せ問題で、やや難易度が高い問題でした。アからウの正誤は容易ですが、エは未出題の問題であり、「芸能タレント通達4要件」がおそらく文脈から正しいと判断するしかないため、多くの受験生にとっては正誤の確信が持てなかったはずです。組合せ問題の選択肢でもA~Cにアが入っていますので、試験委員も多くの受験生がアが誤りであると判断するであろうと考えたのでしょう。アが誤りとわかっても2択にはならず3択にしかなりません。

・オは労基法のテキストの「賃金に該当するか否か」の箇所を理解できていたかどうか、すなわち、テキスト読みがしっかりできていたかどうかで明暗が分かれることになります。オは、通勤定期券や通勤手当は賃金となりますが、出張旅費、社用交際費、作業用品代等の実費弁償的 なものは賃金ではないため、社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は実費弁償であり、賃金ではないとされます。したがって、本問は、オの1肢の正誤が判断できたか否かにかかっていたといえます。



今年もよろしくお願いします。
明日以降もがんばりましょう。




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