2019年06月04日

「ランチタイム・スタディ2019統計数値」の64日目は、「平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)」から「有期契約労働者の実態」の過去問です。

「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)
』をご覧ください。



<問題(雇用の動向(有期契約労働者の実態))>

〔問〕 雇用の動向に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は「平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査))」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A 有期契約労働者を雇用している事業所の割合は、全体の約3分の1であり、事業所規模別にみると、規模が大きいほど有期契約労働者を雇用している事業所の割合が高くなっている。

B 有期契約労働者における性別の割合をみると、男性が約3分の1、女性は約3分の2となっている。職務タイプ別にみると、男性の割合が最も高いのは、「高度技能活用型」であり、女性は「軽易職務型」の割合が最も高くなっている。

C 有期契約労働者におけるパートタイム労働者割合をみると、パートタイム労働者が約9割を占めている。

D 有期契約労働者の割合をみると、常用労働者の約2割強である。これを職務タイプ別にみると、「軽易職務型」が最も多く、次いで「正社員同様職務型」、「別職務・同水準型」、「高度技能活用型」の順となっている。

E 有期契約労働者の残業の有無についてみると、「残業することがある」は約6割になっている。職務タイプ別にみると、「残業することがある」の割合が最も高いのは、「正社員同様職務型」である。



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step1 正解は・・・


C


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step2 解説

A 〇 (平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)) 本肢のとおりである。有期契約労働者を雇用している事業所の割合は、「35.2%」であり、全体の約3分の1である。事業所規模別にみると、「1,000人以上」92.1%、「300人~999人」90.8%、「100人~299人」81.9%、「30人~99人」62.6%、「5人~29人」29.4%と、規模が大きいほど有期契約労働者を雇用している事業所の割合が高くなっている。(H26-4B)

B 〇 (平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)) 本肢のとおりである。有期契約労働者における性別割合をみると、男性は「33.3%」、女性は「66.7%」となっている。職務タイプ別にみると、男性の割合が最も高いのは、「高度技能活用型」で59.3%、女性の割合が最も高いのは、「軽易職務型」で73.8%となっている。(H26-4C)

C ☓ (平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)) 有期契約労働者におけるパートタイム労働者割合をみると、パートタイム労働者は「約6割(58.6%)」となっている。(新規作成)

D 〇 (平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)) 本肢のとおりである。有期契約労働者の割合をみると、常用労働者の22.5%となっている。これを職務タイプ別にみると、「軽易職務型」が50.6%と最も多く、次いで「正社員同様職務型」23.5%、「別職務・同水準型」14.3%、「高度技能活用型」1.0%の順となっている。(新規作成)

E 〇 (平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)) 本肢のとおりである。有期契約労働者の残業の有無についてみると、「残業することがある」は「60.1%」となっている。職務タイプ別にみると、「残業することがある」の割合が最も高いのは、「正社員同様職務型」(70.1%)である。(H26-4E)



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step3 コメント

・雇用の動向(有期契約労働者の実態)からの出題です。「平成23年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)」と聞くと、随分前の調査であるように思えますが、この調査は不定期の調査であり最新が平成23年になります。調査が打ち止めになったり、違う調査に移行したりしている訳ではなく、必要に応じて行われる形です。

・昨年の重要な判例に、ハマキョウ・レックス事件と長澤運輸事件がありますが、ともに有期契約労働者と無期契約労働者の待遇の違いが焦点になっています。ここで争点となった有期契約労働者は、「正社員同様職務型」であり、正社員と同様の職務をしていながら、各種手当に違いがみられるのはおかしいという論調です。「正社員同様職務型」は、23.5%ですから、4~5人に一人の割合でいることになり、日本全国では相応の数の有期契約労働者がいることになりますから、まだまだ多くの会社で問題となるケースがあることになります。よって、内容を考慮した場合、割と重要であり、試験に出題しやすいことから、ここに出題された項目だけでも目を通しておいた方がいいと思われます。

・「有期契約労働者」というと、つい「非正規労働者」と思ってしまいがちですが、非正規労働者の中でも無期契約の人もいれば、正社員でも有期契約の人もいます。Dの肢では、非正規労働者の割合と混同しないようにしましょう。



明日もがんばりましょう。




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