2019年02月27日
「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。
<問題(労働力人口の動向)>
〔問〕 労働力人口の動向に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 政府は、雇用失業の現状を把握する重要な調査として、総務省統計局において、標本調査により、全国の世帯とその構成員を対象に、毎月、労働力調査を実施している。
B 労働力調査では、労働力人口比率、完全失業者数、完全失業率などが発表されているが、労働力人口比率は、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合と定義され、百分比で表示されている。
C 「平成30年労働力調査(総務省)」によると、2018年の女性の労働力人口は6年連続の増加となり、労働力人口総数に占める女性の割合は5割を上回っている。
D 「平成30年労働力調査(総務省)」によれば、65歳以上の労働力率は、ここ7年にわたり男女ともに一貫して上昇している。
E 「平成21年版労働経済白書(厚生労働省)」及び「平成30年労働力調査(総務省)」によれば、日本の労働力人口は、1998年をピークに減少が始まり、その後一時期減少に歯止めがかかったものの、2008年に再び減少に転じた。その後2013年からは増加に転じている。政府は、高齢者の雇用を促進したり、女性が出産育児を機に労働市場から退出することが少なくなるような施策を実施したりしている。
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step1 正解は・・・
C
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step2 解説
A 〇 (労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。(H16選改)
B 〇 (労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。(H16選改)
C ☓ (労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要) 2018年の女性の労働力人口は3,014万人で、6年連続の増加となったが、労働力人口総数6,830万人に占める女性の割合は高まってきているものの44.1%であり「5割を上回っていない」。(H21-4A改)
D 〇 (労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。ここ7年にわたり、65歳以上の労働力率は一貫して上昇している。(H22-2A改)
E 〇 (平成21年版労働経済白書、労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。労働力人口の推移をみると、1998年の6,793万人をピークに減少に転じ、2004年に年平均で6,642万人となった後、3年連続で増加を続けていたが、2008年に入って再び減少に転じた。ただし、2013年からは増加に転じ、2018年現在、6,830万人となり、6年連続の増加となっている。(H22-3B改)
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step3 コメント
・労働力人口の動向からの出題です。労働力人口は、以前は減少していましたが、現在、6年連続で増加しています。特に女性が著しく増えています。白書や統計数値の問題はやっかいで、すべての肢の正誤判断を完璧に解答することは確かに難しいことですが、本問Cのように、労働力人口総数に占める女性の割合は高まってきているものの、5割を上回るとなると男性よりも労働力人口が多いことになりますから、ここは確実に誤りだと見抜きたいところです。
・CやDのように、「6年連続(7年にわたり)」(要するに「5年」よりも大きい年数)という文言が出てきたら、その増減は特に押さえておきたいところです。なぜなら、5年~10年はいわば中期を意味し、10年となると長期を意味しますので、それだけ長くその傾向が続いていることになるからです。「5年連続」は、「3年連続」よりも意味合いがひとつ大きいものであり、「10年連続」は更に大きいものだと認識してください。なお、たとえば「5年連続」と文章に出てきた場合に、「5年」という数字を覚える必要はありません。おおまかに「5年未満」なら短期、「5年から10年」なら中期、「10年以上」は長期としてとらえておけばよいでしょう。
明日もがんばりましょう。
