2019年02月26日
「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。
労働力人口・労働力率の動向
【労働力調査(基本集計)平成30年平均(速報)結果の概要】
(1)労働力人口 ―― 労働力人口は 110 万人の増加
労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は、2018年平均で6,830万人と、前年に比べ110万人の増加(6年連続の増加)となった。男女別にみると、男性は3,817万人と33万人の増加、女性は3,014万人と77万人の増加となった。
<ポイント>
・労働力人口の定義は、「15歳以上」人口で「完全失業者」が含まれる点に注意。
(「18歳以上」や「20歳以上」ではない。)
・労働力人口6,830万人は、6,000万人台後半と押さえておく。
(5,000万人台や7,000万人台の数字で出題された場合に誤っていることがわかれば良い。)
・労働力人口の110万人の増加は、6年連続増加の中で最も多い。
(今まで100万人以上という3桁の増加はない。)
・労働力人口の男女比としては、当然ながら男性の方が多い。
・労働力人口の増加は、男女共に増えているものの、女性の方が倍以上増えていて、初めて3,000万人台の大台に乗った。
・労働力人口は6年連続上昇しているが、その前5年は減少していることにも注意を払っておきたい。
<覚えておきたい他の用語>
・「生産年齢人口」・・・ 年齢別人口のうち、生産活動の中核をなす年齢の人口層を指し、日本では15歳以上65歳未満の人口が該当する。
・「年少人口」・・・15歳未満の人口
・「老年人口」・・・65歳以上の人口
・「被扶養人口」・・・「年少人口」と「老年人口」をあわせた人口
(2)労働力率(労働力人口比率)―― 労働力人口比率は1.0ポイントの上昇
労働力人口比率(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、2018年平均で61.5%と、前年に比べ1.0ポイントの上昇(6年連続の上昇)となった。男女別にみると、男性は71.2%と0.7ポイントの上昇、女性は52.5%と1.4ポイントの上昇となった。
<ポイント>
・労働力率は、61.5%と、6割を超えている。
・労働力率の増加幅対前年1.0ポイントの上昇は、かなり大きな上昇である。
(近年では一番大きい上昇幅である。)
・男性の労働力率は、7割超え、女性の労働力率は5割超え。
(3)非労働力人口は119万人の減少
非労働力人口は、2018年平均で4,263万人と、前年に比べ119万人の減少(6年連続の減少)となった。このうち65歳以上は10万人の減少となった。
<ポイント>
・労働力人口が増えているため、非労働力人口は当然ながら減少となる。
・ただし、65歳以上は、10万人と小幅な減少。これは、医療技術の進歩や国民皆保険制度等により医療行為が広く深くいきわたることで、平均寿命が延びていることから、65歳以上人口が増えている状況でありながらも、高齢でもリタイアせず仕事をしている人が増えていることを指す。(高齢化率27.7%は突出して世界一)
日本は人口減少化社会に入りました。人口が減少すると、労働力人口が減って、国力衰退(GDPの低下)につながってしまいます。そのため、政府は①女性、②高齢者、③年少者、④障害者、⑤外国人の労働者を増やすことで乗り越えようとして施策を打ち出してきています。よって、この分野が社労士試験にも出題される重要な箇所になるわけです。
明日もがんばりましょう。

この記事へのコメント
申し訳ありません。この「47万人」は、どこの数字ですか?
>110万人の増加(6年連続の増加)
と、どういう関係にあるのでしょう?
説明に書いていないと思われますが...
ここは、「110万人」の間違えです。
申し訳ありません。早速、修正しました。
間違いを長く引きずらなくて助かりました。
今後ともよろしくお願いします。