2018年08月17日

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の38問目は、「平成29年版厚生労働白書」から「年金制度の概況」の問題です。

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の主旨については、3月5日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


<問題( 選択式  )>

1 公的年金制度の所得保障機能を強化する観点から、2012(平成24)年の社会保障・税一体改革において、無年金や低年金の方の所得の底上げを図るための対策に取り組んでいる。現在の無年金者をできるだけ救済すると同時に、納付した年金保険料を極力給付に結びつける観点から、老齢基礎年金などの受給に必要な保険料納付済期間など(受給資格期間)を25年から10年に短縮することとし、消費税率の10%への引上げ時から行うこととしていたが、無年金の問題は喫緊の課題であり、できる限り早期に実施する必要があるため、昨年の法改正により、2017年8月から受給資格期間を短縮することとした。これにより、新たに A 万人の方が年金受給権を得ると見込まれている。

2 2004(平成16)年の制度改革前は、あるべき給付水準を定めた上で、その給付をまかなうために必要な保険料水準まで段階的に引き上げることを繰り返していたが、急速な少子高齢化により現役世代の保険料負担が過重なものとならないように、2004年の制度改革によりその仕組みを改め、段階的な引上げ後の最終的な保険料水準を固定した上で、その保険料の範囲内で給付を行うこととした。具体的には、国民年金保険料は2005(平成17)年4月から毎年280円ずつ引き上げて、2017年4月には16,900円(いずれも2004年度価格)で固定されており、厚生年金保険料率は2004年10月から毎年0.354%ずつ引き上げて、本年9月には18.3%で固定される。給付水準については、2014年の財政検証において、経済が持続的に成長し、高齢者や女性の労働市場への参加が進めば、将来にわたって、所得代替率は B %を上回ることが確認されている。

3 働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、より多くの働く方の年金などの保障を厚くしていく観点から、被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大を進めていくことは重要である。2016(平成28)年10月から、従業員数が C 人以上の企業において、週に20時間以上働く等の一定の要件を満たす短時間労働者を対象に被用者保険の適用拡大が実施されているが、適用拡大をより一層進める観点から、従業員数が C 人に満たない中小企業等で働く短時間労働者についても、労使間での合意を前提に、企業単位で適用範囲を拡大することとした。

4 次世代育成支援の観点から、国民年金第1号被保険者の産前産後期間(出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの4ヶ月間)の保険料を免除することとした。また、一般的には免除される期間については、満額の基礎年金の半分(国庫負担相当分)が支払われるところであるが、今回の免除については、免除期間に満額の基礎年金を保障することとした。なお、年間約20万人の方が対象となる見込みである。この費用については、国民年金第1号被保険者全体で負担し支え合う観点から、国民年金の保険料が月額 D 円程度引き上げられる。

5 2016年度においては、納付猶予制度の拡大、免除委託制度の実施に取り組んだほか、控除後所得350万円以上かつ未納月数7月以上のすべての滞納者に対する督促の実施(督促状を送付し、指定期限内の納付を促しても納付がない場合には、財産差押等の手続に入る。)、悪質な滞納者に関する厚生労働省から国税庁への強制徴収委任制度の活用など、収納対策の強化を図った。督促の範囲については、所得などによって一定の基準を設けながら段階的に拡大を図ることとしており、2018(平成30)年度を目途に、免除等に該当する可能性のある低所得者などを除いた全ての滞納者への督促を目指し、2017(平成29)年度においては、控除後所得 E 万円以上かつ未納月数13月以上(控除後所得が350万円以上である場合、未納月数は7月以上)の全ての滞納者に督促を実施することとしている。



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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。

Aの選択肢
① 64  ② 164  ③ 264  ④ 364

Bの選択肢
① 50  ② 70  ③ 100  ④ 200

Cの選択肢
① 101  ② 301  ③ 501  ④ 1,001

Dの選択肢
①50  ② 100  ③ 150  ④ 200

Eの選択肢
① 200  ② 250  ③ 280  ④ 300


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step2 正解は・・・


A ① 64 (平成29年版厚生労働白書)

B ① 50 (平成29年版厚生労働白書)

C ③ 501 (平成29年版厚生労働白書)

D ② 100 (平成29年版厚生労働白書)

E ④ 300 (平成29年版厚生労働白書)



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step3 コメント


・「平成29年版厚生労働白書」から「年金制度の概況」の問題です。白書が選択式に出題された場合、長文になりやすいため、焦らず落ち着いて対処してください。



来週は労働経済白書から出題します。
来週もがんばりましょう。




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