2018年05月28日

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の15問目の「賃金の引き上げ、決定、改定等」の要点整理です。

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の主旨については、3月5日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


賃金の引き上げ、決定、改定等

【平成29年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況】

(1)賃金の改定の実施状況

全企業について、平成29年中における賃金の改定の実施状況(9~12月予定を含む。)をみると、
1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は87.8%(前年より)、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.2%(前年より)、「賃金の改定を実施しない」は6.3%(前年より)となっている。


<ポイント>
・「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」が約9割で、他の1割は「賃金の改定を実施しない」と押さえておいてもいいぐらいです。
・「引き上げた」は前年増で、「引き下げた」「実施しない」は前年減です。


(2) 定期昇給制度の有無及び実施状況

平成29年中に賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業について、定期昇給(以下「定昇」という。)制度の有無をみると、

①管理職
定昇制度あり」が75.9%、「定昇制度なし」が21.9%となっている。
「定昇制度あり」の定昇の実施状況をみると、「行った・行う」が69.0%、「行わなかった・行わない」が6.3%となっている。

②一般職
定昇制度あり」が82.8%、「定昇制度なし」が14.9%となっている。
「定昇制度あり」の定昇の実施状況をみると、「行った・行う」が77.5%、「行わなかった・行わない」が5.0%となっている。

<ポイント>
・管理職、一般職ともに傾向は同じで、「定昇制度あり」が約8割、「定昇の実施状況」は約7割ですが、一般職の方が、数字が高いと押さえておきましょう。
(管理職は、もう十分昇給されていて、これ以上、昇給はないという人もいるからだという認識でいいと思います。)


(3)賃金カットの実施状況

賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業のうち、平成29年中に賃金カットを実施し又は予定している企業は6.3%となっている。

<ポイント>
・「賃金の改定」の方向が「賃金増」ではなく、「賃金カット」とするのは10%に満たないというのは、景気回復と人手不足の状況の中、よほどのことが無い限り、賃金カットはできないとみるべきでしょう。


(4)賃金の改定事情

平成29年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業の業績」が55.0%と最も多く、「重視した要素はない」を除くと、「労働力の確保・定着」が8.7%、次いで「世間相場」が5.1%となっている。
企業規模別にみると、すべての規模で「企業の業績」が最も多くなっている。


<ポイント>
・ここは、過去によく出題された定番の問題ともいえます。2番目、3番目にくるのが、「労働力の確保・定着」、「親会社又は関連(グループ)会社の改定の動向」「雇用の維持」「世間相場」などと、その時の調査の結果が変わりますが、「企業の業績」は不動の1位ですから、ここさえ押さえておけばいいと思われます。



明日もがんばりましょう。



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