2018年03月16日

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の第4問です。

なお、ランチタイム・スタディ第3問の要点整理と練習問題に関しては、後日、掲載いたします。

「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」の主旨については、3月5日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ白書・統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。

さて、4問目は、「雇用の動向(正社員以外の労働者の意識・満足度・問題点等)」からの出題です。



<問題(雇用の動向(正社員以外の労働者の意識・満足度・問題点等))>

〔問〕 雇用の動向に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査(厚生労働省)」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A 正社員以外の労働者(出向社員を除く。)について、現在の就業形態を選んだ理由(複数回答)を就業形態別にみると、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」がそれぞれ最も多くなっている。

B 正社員以外の労働者で、「現在の会社」又は「別の会社」で働きたいと考えている労働者について、今後の就業に対する希望を就業形態別にみると、派遣労働者の約半数は「現在の就業形態を続けたい」と考えているのに対して、パートタイム労働者の約7割は「正社員に変わりたい」と回答している。

C 正社員以外の労働者がいる事業所における、正社員以外の労働者を活用する上での問題点は、「良質な人材の確保」、「定着性」及び「仕事に対する責任感」が上位の3つを占めている。

D 現在の職場での満足度についてみると、正社員、正社員以外の労働者ともに満足度が高いのは「仕事の内容・やりがい」、「正社員との人間関係、コミュニケーション」及び「正社員以外の労働者との人間関係・コミュニケーション」であり、両者ともに満足度が低いのは「賃金」、「人事評価・処遇のあり方」及び「教育訓練・能力開発のあり方」である。


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step1 正解は・・・


B


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step2 解説

A 〇 (平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査) 本肢のとおりである。正社員以外の労働者について、現在の就業形態を選んだ理由をみると、パートタイム労働者では「自分の都合のよい時間に働けるから」が50.0%、派遣労働者では「正社員として働ける会社がなかったから」が37.7%と高い割合となっている。(H25-5B)

B ☓ (平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査) 正社員以外の労働者で、「現在の会社」又は「別の会社」で働きたいと考えている労働者について、今後の就業に対する希望を就業形態別にみると、派遣労働者の約半数は「正社員に変わりたい」と考えているのに対して、パートタイム労働者の約7割は「現在の就業形態を続けたい」と回答している。「現在の就業形態を続けたい」は、パートタイム労働者で73.4%と高い割合となっている。一方、「他の就業形態に変わりたい」は、派遣労働者で55.5%と高い割合となっており、希望する就業形態の内訳は、「正社員に変わりたい」が48.2%、「他の正社員以外の就業形態に変わりたい」が7.3%となっている。(H25-5C)

C 〇 (平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査) 本肢のとおりである。正社員以外の労働者がいる事業所について、活用する上での問題点(複数回答)をみると、「良質な人材の確保」53.8%が最も高く、次いで「定着性」49.1%、「仕事に対する責任感」48.6%などとする事業所割合が高くなっている。(H22-4E)

D 〇 (平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査) 本肢のとおりである。なお、正社員の方が満足度が高いのは「雇用の安定性」、「福利厚生」、「教育訓練・能力開発のあり方」などであり、逆に正社員以外の労働者の方が満足度が高いのは「労働時間・休日等の労働条件」、「正社員以外の労働者との人間関係、コミュニケーション」などとなっている。(H25-5E)



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step3 コメント

・雇用の動向(正社員以外の労働者の意識・満足度・問題点等)からの出題です。正解肢のBは、ぜひ誤りだと見抜いていただきたいところです。派遣労働者は、通常、フルタイムで働いているケースが多いため、「正社員に変わりたい」と考えているのに対して、パートタイム労働者は短時間でしか働けない(フルタイムでは働きたくない)状態ですから、「正社員に変わりたい」とはさほど考えません。誤り探しの問題は、誤りの肢1つさえわかれば他の選択肢の難易度が高くても正解にたどりつけますので、頭をフルに回転させて考えてみてください。



来週もがんばりましょう。




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