2018年02月08日

「ランチタイム・スタディ」の第87問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、10月1日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2017」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、87問目は、択一式の労働基準法です。

正答率31%の問題で、難問です。

※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※正答率が約3割の問題です。



<問題( 択一式 労基 問1)>

〔問〕 労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、その各所定労働日に9時間を超えて労働時間を延長すれば、その延長した時間は法定労働時間を超えた労働となるが、日曜から金曜までの間において所定どおり労働した後の土曜に6時間の労働をさせた場合は、そのうちの2時間が法定労働時間を超えた労働になる。

B 1か月単位の変形労働時間制により、毎週日曜を起算日とする1週間について、各週の月曜、火曜、木曜、金曜を所定労働日とし、その所定労働時間をそれぞれ9時間、計36時間としている事業場において、あらかじめ水曜の休日を前日の火曜に、火曜の労働時間をその水曜に振り替えて9時間の労働をさせたときは、水曜の労働はすべて法定労働時間内の労働になる。

C 労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、一斉に与えなくてもよい。

D 労働基準法第35条に定める「一回の休日」は、24時間継続して労働義務から解放するものであれば、起算時点は問わないのが原則である。

E 休日労働が、8時間を超え、深夜業に該当しない場合の割増賃金は、休日労働と時間外労働の割増率を合算しなければならない。



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step1 正解は・・・


A


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step2 解説

A 〇 (法32条の2、平6.3.31基発181号) 本肢のとおりである。1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合、8時間を超える時間を定めた日(本肢では9時間)はその時間を超えて労働した時間は時間外労働となる。また、土曜日に6時間の労働をさせた場合には、週の労働時間が42時間となるため、週法定労働時間(40時間)を超えて労働した時間(本肢では2時間)は時間外労働となる。

B ☓ (法32条の2、昭63.3.14基発150号、婦発47号、平6.3.31基発181号) 1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合に休日の振替が行われると、あらかじめ特定されていない日に法定労働時間を超えて労働することになる場合があるが、休日振替の結果、1日8時間を超える所定労働時間が設定されていない日に1日8時間を超えて(本肢では9時間)労働させることになる場合には、その超える時間は時間外労働となる。したがって、水曜日の労働については、法定労働時間である8時間を超えて労働させた部分は時間外労働となる。

C ☓ (法34条、則15条1項) 「労働基準監督署長の許可を受けた場合」ではなく、労使協定を締結し、「一斉に休憩を与えない労働者の範囲」及び「当該労働者に対する休憩の与え方」を定めた場合には、一斉に休憩を与える必要はない。

D ☓ (法35条、昭23.4.5基発535号) 法35条の休日は、通常暦日を指しており、午前零時から午後12時までの休業(暦日休日制)と解すべきであるとされている。

E ☓ (法37条) 休日労働については時間外労働という概念がない。したがって、休日労働が8時間を超えても、深夜業に該当しない限り35%の割増賃金の支払で差し支えない。



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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問1は、出だしのA、Bからいきなり事例問題がきました。労基法から解き始めた方にとっては、本試験開始後の第1問に面食らった方も多かったのではないでしょうか。およそ2人に1人はBを選んでいたことからも、どちらも正しいはずだと思い、解答に迷った方が多かったようです。特にBは、「振り替え」という言葉に惑わされ、すぐに正しいと断定してしまいかねず、注意深く問題文を読みこなさないと解けない問題でした。



明日もがんばりましょう。




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