2017年11月27日

「ランチタイム・スタディ」の第38問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、10月1日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2017」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



さて、38問目は、択一式の労働者災害補償保険法です。

正答率71%の問題です。



<問題( 択一式 労災 問1 )>

〔問〕 業務災害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 企業に所属して、労働契約に基づき労働者として野球を行う者が、企業の代表選手として実業団野球大会に出場するのに備え、事業主が定めた練習計画以外の自主的な運動をしていた際に負傷した場合、業務上として取り扱われる。

B A会社の大型トラックを運転して会社の荷物を運んでいた労働者Bは、Cの運転するD会社のトラックと出会ったが、道路の幅が狭くトラックの擦れ違いが不可能であったため、D会社のトラックはその後方の待避所へ後退するため約20メートルバックしたところで停止し、徐行に相当困難な様子であった。これを見かねたBが、Cに代わって運転台に乗り、後退しようとしたが運転を誤り、道路から断崖を墜落し即死した場合、業務上として取り扱われる。

C 乗組員6名の漁船が、作業を終えて帰港途中に、船内で夕食としてフグ汁が出された。乗組員のうち、船酔いで食べなかった1名を除く5名が食後、中毒症状を呈した。海上のため手当てできず、そのまま帰港し、直ちに医師の手当てを受けたが重傷の1名が死亡した。船中での食事は、会社の給食として慣習的に行われており、フグの給食が慣習になっていた。この場合、業務上として取り扱われる。

D 会社が人員整理のため、指名解雇通知を行い、労働組合はこれを争い、使用者は裁判所に被解雇者の事業場立入禁止の仮処分申請を行い、労働組合は裁判所に協議約款違反による無効確認訴訟を提起し、併せて被解雇者の身分保全の仮処分を申請していたところ、労働組合は裁判所の決定を待たずに被解雇者らを就労させ、作業中に負傷事故が発生した。この場合、業務外として取り扱われる。

E 川の護岸築堤工事現場で土砂の切取り作業をしていた労働者が、土蜂に足を刺され、そのショックで死亡した。蜂の巣は、土砂の切取り面先約30センチメートル程度の土の中にあったことが後でわかり、当日は数匹の蜂が付近を飛び回っており、労働者も使用者もどこかに巣があるのだろうと思っていた。この場合、業務上として取り扱われる。




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step1 正解は・・・



A



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step2 解説

A ☓ (法7条1項、平12.5.18基発366号) 運動競技に伴う災害の業務上外の認定については、運動競技が労働者の業務行為又はそれに伴う行為として行われ、かつ、労働者の被った災害が運動競技に起因するものである場合に業務上と認められる。また、労働者が行う練習については、事業主が予め定めた練習計画に従って行われるものでなければならず、練習計画とは別に、労働者自らの意思で行う運動は、「業務外」とされる。

B 〇 (法7条1項、昭31.3.31基収5597号) 本肢のとおりである。本件は、作業に伴う必要又は合理的な行為中の災害であり、労働者の担当業務行為とはいえないが、作業に伴う必要行為又は合理的行為中と認められるため、業務上として取扱われる。

C 〇 (法7条1項、昭26.2.16基災収111号) 本肢のとおりである。本件は、事業場施設の利用中の災害であり、また、船内での食事は会社の給食としての慣習でもあることから、業務上として取扱われる。

D 〇 (法7条1項、昭28.12.18基収4466号) 本肢のとおりである。業務災害と認定されるためには、業務遂行性(労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態)及び業務起因性の2つの要件を満たす必要があるが、指名解雇通知が行われ、会社と労働組合との抗争中に被解雇者が就労し作業中に負傷した場合は、業務遂行性は認められないため、業務外として取り扱われる。

E 〇 (法7条1項、昭25.10.27基収2693号) 本肢のとおりである。作業中に土蜂に刺されてショック死した作業員の事故は、業務に伴う危険が現実化して生じたものと認められるため、業務上として取り扱われる。



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step3 コメント

・択一式の労災保険法の問1は、業務災害に関する問題でした。問題文が長いため、読むのに時間がかかってしまいますが、問題文の状況を思い浮かべながら「業務遂行性」「業務起因性」を考慮して考えると正解にたどりつくことができると思います。



明日もがんばりましょう。




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