2022年11月
2022年11月30日
したがって、合格するためには、苦手な科目(学習が手薄な科目)を作ってはなりません。
そうなると、弱点分野の克服をすることが必要になります。
常に弱点分野の克服をするということは理にかなっています。
たとえば、本試験で択一式の健康保険法が4点で、国民年金法、厚生年金保険法が共に8点であった場合、国年、厚年をいくらがんばっても伸びしろは2点ずつしかありませんが、健保には6点の伸びしろがあるわけですから、健保を頑張って学習した方がいいことになります。
ただ、学習する人が機械であればそれでいいのですが、感情を伴う人間です。
常に学習する箇所が弱点分野ということになると、最も不得手な箇所を拾い出して学習することになります。
不得手な箇所は、それなりに不得手になってしまった理由があるはずですから、そこを拾い出して学習するとなると、最も嫌なところ・苦手なところを拾い出して学習することになります。
元々、苦手であるということは、学習が捗らなかったから、気がのらなかったから苦手になってしまったという経緯があるので、そこを懸命に克服しようとしても、徐々に学習する気になれなくなってしまいかねません。
得点状況が芳しい人にとっては、逆にいうと、苦手である箇所が少ないため、我慢してでも学習できるものですが、得点状況が芳しくない人にとっては、苦手な箇所が多く残されていますので、懸命にやっていったとしても、途中で息絶えてしまう可能性があります。
そういう人にとってのアドバイスですが、得意な箇所を作りましょう。
好きな箇所やここだけは他の人に負けないといえる箇所又は科目を作るのです。
学生時代の頃を思い出してください。
国語・数学・理科・社会・英語・・・と教科があって、たとえば、中間テストでちょっとがんばった社会の得点が良くて、先生や親に褒められたとしましょう。
この時には、次の社会もがんばろうとするはずです。
また、社会が出来たんだから、理科もがんばってみようかと思うかもしれません。
要するに、出来たという認識がある教科ができると、他の教科にも波及していくわけです。
社労士の学習も同じです。
できたという科目や箇所があれば、達成感があって、学習意欲が増します。
それを起点に、他の科目も頑張ることができるようになります。
なので、弱点分野の克服も大事ですが、得意分野を作ることも、それに匹敵するくらい、今後の学習のモチベーションに影響していくことになります。
年内の今のうちに、終わっている労働科目の中で何かしら得意分野を作っておきましょう。
ただ、できれば、得点に絡む重要箇所で得意分野ができるといいです。
労基、安衛、労一の中でいうと、やっぱり労基法になります。
労基法の中でも、できれば、労働契約、労働時間、賃金、年次有給休暇(プレミアムテキスト第2~5章)の中で、得意な箇所ができるとより自信が付き、今後の学習への波及効果が高くなります。
なので、たとえば、年次有給休暇を徹底的にやって、得意&好きになってしまい、ここだけは負けないという確固たる箇所を築くと、労働契約、労働時間、賃金辺りも頑張ろうという気になります。
それらができるようになると、せっかくここまでできるようになったんだから、労基の他の箇所で足を引っ張られたくないという気持ちが強くなります。
年少者や妊産婦、就業規則や総則、罰則等で失点したくなくなります。
なので我慢してでも、習得してしまおうということになります。
このように、ひとつの成功体験が他の学習に張りを持たせることにつながります。
新年になって、健保あたりで躓いたとしても、「労基であれだけ頑張れたんだから、健保で躓くことは勿体ない!今だって頑張れるはずだ!!」と思うようになればしめたものです。
ぜひ、今のうちに得意分野を作ってみてください。
※本日は月末に付き2問になります。
63問目は、択一式の社会保険一般常識です。
正答率50%の問題です。
<問題( 択一式 社一 問8 )>
〔問〕 社会保険制度の保険者及び被保険者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 国民健康保険組合(以下本問において「組合」という。)を設立しようとするときは、主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならない。当該認可の申請は、10人以上の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者100人以上の同意を得て行うものとされている。
B 後期高齢者医療広域連合は、被保険者の資格、後期高齢者医療給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
C 介護保険の第2号被保険者(市町村(特別区を含む。以下本問において同じ。)の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の、介護保険法第7条第8項に規定する医療保険加入者)は、当該医療保険加入者でなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。
D 船員保険は、全国健康保険協会が管掌する。船員保険事業に関して船舶所有者及び被保険者(その意見を代表する者を含む。)の意見を聴き、当該事業の円滑な運営を図るため、全国健康保険協会に船員保険協議会を置く。船員保険協議会の委員は、10人以内とし、船舶所有者及び被保険者のうちから、厚生労働大臣が任命する。
E 都道府県若しくは市町村又は組合は、共同してその目的を達成するため、国民健康保険団体連合会(以下本問において「連合会」という。)を設立することができる。都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の都道府県及び市町村並びに組合の2分の1以上が加入したときは、当該区域内のその他の都道府県及び市町村並びに組合は、すべて当該連合会の会員となる。
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step1 正解は・・・
B
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step2 解説
A × (国民健康保険法17条1項・2項)前段部分は正しいが、当該認可の申請は、「15人以上」の発起人が規約を作成し、組合員となるべき者「300人以上」の同意を得て行うものとされている。
B 〇 (高齢者医療確保法137条1項)本肢のとおりである。なお、市町村は、保険料の徴収に関して必要があると認めるときは、被保険者、被保険者の配偶者若しくは被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者又はこれらであった者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ又は当該職員に質問させることができるとされている。
C × (介護保険法11条2項)第2号被保険者は、「医療保険加入者でなくなった日」から、その資格を喪失する。
D × (船員保険法6条1項・2項)船員保険協議会の委員は、「12人」以内とし、船舶所有者、被保険者及び「船員保険事業の円滑かつ適正な運営に必要な学識経験を有する者」のうちから、厚生労働大臣が任命する。
E × (国民健康保険法83条1項、同法84条3項)前段部分は正しいが、都道府県の区域を区域とする連合会に、その区域内の都道府県及び市町村並びに組合の「3分の2以上」が加入したときは、当該区域内のその他の都道府県及び市町村並びに組合は、全て当該連合会の会員となる。
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step3 コメント
・択一式の社会保険一般常識の問8は、社会保険制度の保険者及び被保険者からの出題でした。数字を問う肢が多く、数字さえ押さえておけばそれなりに正解を絞ることができますが、社一各法令の横断的な問題であり、こういった形式を苦手とする人も多いようです。
明日もがんばりましょう。
62問目は、択一式の雇用保険法です。
正答率50%の問題です。
<問題( 択一式 雇用 問1 )>
〔問〕 特例高年齢被保険者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 特例高年齢被保険者が1の適用事業を離職した場合に支給される高年齢求職者給付金の賃金日額は、当該離職した適用事業において支払われた賃金のみにより算定された賃金日額である。
B 特例高年齢被保険者が同じ日に1の事業所を正当な理由なく自己の都合で退職し、他方の事業所を倒産により離職した場合、雇用保険法第21条の規定による待期期間の満了後1か月以上3か月以内の期間、高年齢者求職者給付金を支給しない。
C 特例高年齢被保険者が1の適用事業を離職したことにより、1週間の所定労働時間の合計が20時間未満となったときは、特例高年齢被保険者であった者がその旨申し出なければならない。
D 特例高年齢被保険者の賃金日額の算定に当たっては、賃金日額の下限の規定は適用されない。
E 2の事業所に雇用される65歳以上の者は、各々の事業における1週間の所定労働時間が20時間未満であり、かつ、1週間の所定労働時間の合計が20時間以上である場合、事業所が別であっても同一の事業主であるときは、特例高年齢被保険者となることができない。
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step1 正解は・・・
B
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step2 解説
A 〇 (法37条の6第2項)本肢のとおりである。
B × (法62条、行政手引2270)本肢の場合は、離職理由による給付制限を受けない。法33条の給付制限について、同日付で2の事業所を離職した場合でその離職理由が異なっている場合には、給付制限の取扱いが離職者にとって不利益とならない方の離職理由に一本化して給付することとされている。
C 〇 (法37条の5第2項、則65条の8第1項)本肢のとおりである。特例高年齢被保険者が要件を満たさなくなったときは、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、所定事項を記載した届書を管轄公共職業安定所の長に提出することによって、資格喪失の申出を行うものとされている。
D 〇 (法37条の6第2項)本肢のとおりである。
E 〇 (法37条の5第1項、行政手引1070)本肢のとおりである。特例高年齢被保険者に係る適用事業については、2の事業主は異なる事業主である必要があるため、事業所が別であっても同一の事業主である場合は、適用要件を満たさない。
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step3 コメント
・択一式の雇用保険法の問1は、特例高年齢被保険者からの出題でした。改正事項ですので、改正点をしっかり学習してきた人にとっては得点は容易であったと思われますが、手薄であった人にとっては、苦戦したと思われ、2つの層に分かれていたようです。
明日もがんばりましょう。
2022年11月29日
61問目は、択一式の厚生年金保険法です。
正答率53%の問題です。
<問題( 択一式 厚年 問6 )>
〔問〕 加給年金額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 障害等級1級又は2級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、当該受給権者によって生計を維持しているその者の65歳未満の配偶者又は子(18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある子)があるときは、加給年金額が加算された額となる。
B 昭和9年4月2日以後に生まれた障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者に支給される配偶者に係る加給年金額については、受給権者の生年月日に応じた特別加算が行われる。
C 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の受給権者が、受給権を取得した以後に初めて婚姻し、新たに65歳未満の配偶者の生計を維持するようになった場合には、当該配偶者に係る加給年金額が加算される。
D 報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の年金額には、加給年金額は加算されない。また、本来支給の老齢厚生年金の支給を繰り上げた場合でも、受給権者が65歳に達するまで加給年金額は加算されない。
E 老齢厚生年金の加給年金額の対象となっている配偶者が、収入を増加させて、受給権者による生計維持の状態がやんだ場合であっても、当該老齢厚生年金の加給年金額は減額されない。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A × (法50条の2第1項)障害厚生年金には子に係る加給年金額の規定はない。子に係る加算は、障害基礎年金の額に加算される。
B × (法50条1項)障害厚生年金の加給年金額は、老齢厚生年金の加給年金額と異なり、特別加算はない。
C × (法44条1項)老齢厚生年金に係る加給年金額は、受給権者がその権利を取得した当時、その者によって生計を維持されていた65歳未満の配偶者を有することが要件とされるため、受給権を取得した以後に婚姻した場合には、加給年金額は加算されない。
D 〇 (法附則9条、法附則7条の3第4項)本肢のとおりである。繰上げ支給の老齢厚生年金について、65歳前に、加給年金額が加算されることはない。
E × (法44条4項)受給権者による生計維持の状態がやんだ場合には、当該事由に該当するに至った月の翌月から、加給年金額は減額される。
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step3 コメント
・択一式の厚生年金保険法の問6は、加給年金額からの出題でした。厚生年金保険法の加給年金額と国民年金法の振替加算は、インプット学習では、国年の振替加算を先に学習し、その後に加給年金額を学習する手順が通常ですので、インプット学習をした後には、必ず加給年金額と振替加算を連動して(テキストや過去問で加給年金額をやったあとで振替加算を学習する)押さえて、認識を確かにしておくことが肝心です。
明日もがんばりましょう。