2021年11月
2021年11月21日
52問目は、択一式の健康保険法です。
正答率58%の問題です。
※正答率が6割を割っています。
<問題( 択一式 健保 問1 )>
〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 一時帰休に伴い、就労していたならば受けられるであろう報酬よりも低額な休業手当が支払われることとなり、その状態が継続して3か月を超える場合には、固定的賃金の変動とみなされ、標準報酬月額の随時改定の対象となる。
B 賃金が月末締め月末払いの事業所において、2月19日から一時帰休で低額な休業手当等の支払いが行われ、5月1日に一時帰休の状況が解消した場合には、2月、3月、4月の報酬を平均して2等級以上の差が生じていれば、5月以降の標準報酬月額から随時改定を行う。
C その年の1月から6月までのいずれかの月に随時改定された標準報酬月額は、再度随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けない限り、その年の8月までの標準報酬月額となり、7月から12月までのいずれかの月に改定された標準報酬月額は、再度随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けない限り、翌年の8月までの標準報酬月額となる。
D 前月から引き続き被保険者であり、12月10日に賞与を50万円支給された者が、同月20日に退職した場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はないが、標準賞与額として決定され、その年度における標準賞与額の累計額に含まれる。
E 訪問看護事業とは、疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)に対し、その者の居宅において看護師その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話又は必要な診療の補助(保険医療機関等又は介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設若しくは同条第29項に規定する介護医療院によるものを除く。)を行う事業のことである。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
B
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法43条、昭50.3.29保険発25号・庁保険発8号)本肢のとおりである。なお、休業手当をもって標準報酬月額の改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときは、随時改定の対象とされる。
B × (法43条、昭50.3.29保険発25号・庁保険発8号、平29.6.2事務連絡)一時帰休に伴う随時改定は、低額な休業手当等の支払いが継続して3か月を超える場合に行うこととなる。月末締め月末払いの事業所において一時帰休の開始日を2月19日とした場合は、2・3・4月の報酬を平均して2等級以上の差が生じていれば、5月以降の標準報酬月額から随時改定が行われるが、5月1日時点で一時帰休の状況が解消している場合は、3か月を超えないため、随時改定は行わない。
C 〇 (法43条2項)本肢のとおりである。随時改定により改定された標準報酬月額は、その年の8月(7月から12月までのいずれかの月から改定されたものについては、翌年の8月)までの各月の標準報酬月額とされるが、随時改定が行われた後、再度、随時改定の要件に該当した場合には、この有効期間内であっても随時改定は行われる。
D 〇 (法45条1項、法156条3項)本肢のとおりである。健康保険法では、被保険者の資格を取得した日の属する月から資格を喪失した日の属する月の前月までの各月について保険料が算定されるため、被保険者の資格を喪失したときは、その月分の保険料は算定されないが、資格喪失月に支払われた賞与についても標準賞与額として決定し、年度の累計額に含めることとされている。
E 〇 (法88条1項)本肢のとおりである。なお、訪問看護療養費は、被保険者が指定訪問看護事業者から当該指定に係る訪問看護事業を行う事業所により行われる訪問看護を受けた場合であって、保険者が必要と認める場合に支給されるが、保険医療機関等又は介護保険法に規定する介護老人保健施設若しくは介護医療院による訪問看護は、訪問看護療養費の支給の対象とならない。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の健康保険法の問1は、一時帰休に伴う随時改定の問題であるA及び正解肢Bの難易度がやや高く、ここまでの学習ができていない場合には得点することが難しかったと思われます。
明日もがんばりましょう。
2021年11月20日
51問目は、択一式の健康保険法です。
正答率59%の問題です。
※ついに正答率が6割を割りました。
<問題( 択一式 健保 問10 )>
〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 賃金が時間給で支給されている被保険者について、時間給の単価に変動はないが、労働契約上の1日の所定労働時間が8時間から6時間に変更になった場合、標準報酬月額の随時改定の要件の1つである固定的賃金の変動に該当する。
B 7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年における標準報酬月額の定時決定を行わないが、7月から9月までのいずれかの月に育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定若しくは産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定が行われた場合は、その年の標準報酬月額の定時決定を行わなければならない。
C 事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。ただし、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。
D 倒産、解雇などにより離職した者及び雇止めなどにより離職された者が任意継続被保険者となり、保険料を前納したが、その後に国民健康保険法施行令第29条の7の2に規定する国民健康保険料(税)の軽減制度について知った場合、当該任意継続被保険者が保険者に申し出ることにより、当該前納を初めからなかったものとすることができる。
E 療養費の額は、当該療養(食事療養及び生活療養を除く。)について算定した費用の額から、その額に一部負担金の割合を乗じて得た額を控除した額及び当該食事療養又は生活療養について算定した費用の額から食事療養標準負担額又は生活療養標準負担額を控除した額を基準として、保険者が定める。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
B
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法43条、平29.6.2事務連絡)本肢のとおりである。時給単価の変動はないが契約時間が変わった場合、固定的賃金の変動に該当するため、随時改定の対象となる。
B × (法41条3項)7月から9月までのいずれかの月から随時改定、育児休業等終了時改定又は産前産後休業終了時改定により、標準報酬月額を改定され、又は改定されるべき被保険者については、その年の定時決定の対象から除かれる。
C 〇 (法167条1項)本肢のとおりである。報酬から控除できるのは、被保険者が負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料のみであるが、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合には、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料を控除することができる。
D 〇 (法38条、平22.3.24保保発0324第2号)本肢のとおりである。平成22年4月1日から、倒産・解雇などにより離職した者(雇用保険の特定受給資格者)及び雇止めなどにより離職された者(雇用保険の特定理由離職者)(以下「特定受給資格者等」という)の国民健康保険料(税)を軽減する制度が開始されたため、特定受給資格者等である任意継続被保険者のうち保険料を前納した後になって軽減制度について知った者については、当該任意継続被保険者の申出により、当該前納を初めからなかったものとして取り扱うこととされた。
E 〇 (法87条2項)本肢のとおりである。療養費は現金給付の方法により支給される。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の健康保険法の問10は、正解肢であるBの難易度が高く、他の選択肢も迷いが生じる余地が多く、正解できたとしても、考える時間が取られてしまう問題だったのではないでしょうか。
明日もがんばりましょう。
2021年11月19日
ポジティブに心を開いて「○○になります。」という願い方が良いようです。
試験とはあまり関係ありませんが、男性の日が国際的に設けられているんですね。
参考までに・・・
50問目は、択一式の労働基準法です。
正答率60%の問題です。
<問題( 択一式 労基 問3 )>
〔問〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 使用者は、退職手当の支払については、現金の保管、持ち運び等に伴う危険を回避するため、労働者の同意を得なくても、当該労働者の預金又は貯金への振込みによることができるほか、銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付することによることができる。
イ 賃金を通貨以外のもので支払うことができる旨の労働協約の定めがある場合には、当該労働協約の適用を受けない労働者を含め当該事業場のすべての労働者について、賃金を通貨以外のもので支払うことができる。
ウ 使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することに、労働者がその自由な意思に基づき同意した場合においては、「右同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、右同意を得てした相殺は右規定〔労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則〕に違反するものとはいえないものと解するのが相当である」が、「右同意が労働者の自由な意思に基づくものであるとの認定判断は、厳格かつ慎重に行われなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。
エ 労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。
オ 労働基準法第25条により労働者が非常時払を請求しうる事由には、「労働者の収入によつて生計を維持する者」の出産、疾病、災害も含まれるが、「労働者の収入によつて生計を維持する者」とは、労働者が扶養の義務を負っている親族のみに限らず、労働者の収入で生計を営む者であれば、親族でなく同居人であっても差し支えない。
A 一つ B 二つ C 三つ D 四つ E 五つ
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
C
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
ア × (法24条1項、則7条の2)「労働者の同意を得なくても」としている点が誤り。「労働者の同意を得て」、労働者の預金又は貯金への振込み等による支払が可能となる。
イ × (法24条1項、昭63.3.14基発150号)労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。
ウ 〇 (法24条1項、平2.11.26最高裁第二小法廷判決日新製鋼事件)本肢のとおりである。
エ 〇 (法24条1項、昭44.12.18最高裁第一小法廷判決福島県教組事件)本肢のとおりである。適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、法24条1項ただし書によって除外される場合(全額払いの原則の例外)に当たらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば全額払の原則に違反するものではない。
オ 〇 (法25条、コンメンタール)本肢のとおりである。なお、親族であっても独立の生計を営む者は含まれない。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式の労働基準法の問3は、賃金等に関する個数問題でした。ウ及びエは最高裁判例からの出題ですが、過去に何度も出題されている判例で、過去問をしっかり学習できていた人には容易にわかる肢でしたし、その他の選択肢の正誤判断も比較的容易に正誤判断できる問題でした。ここは個数問題といえども得点したいところです。
明日もがんばりましょう。