2021年07月
2021年07月14日
個別労働紛争解決制度の状況
【令和元年度個別労働紛争解決制度施行状況】
「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法がある。
令和元年度は、総合労働相談、助言・指導申出の件数は前年度と比べ増加し、あっせん申請の件数は前年度並みである。
総合労働相談件数は12年連続で100万件を超え、高止まりしている。
[「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」施行状況 ~令和元年度~]
① 総合労働相談件数 約119万件 6.3%増
② うち、民事上の個別労働紛争相談件数 約28万件 4.8%増
③ 助言・指導申出受付件数 約1万件 0.4%増
④ あっせん申請件数 約5千件 0.3%減
民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数の全てで、「いじめ・嫌がらせ」がトップとなった。
<プラスα>
・総合労働相談件数には、たとえば、「〇〇の場合、労基法に抵触しますか?」というような基本的な質問も、すべて1カウントされています。今、労使紛争が多くなったというよりは、今までも多かったものの、相談窓口を知らなかったり、質問や相談をしてこなかったことが、増加ないしは高止まりの背景にはあります。
次回もがんばりましょう。
2021年07月13日
その際、復習を念入りにしておかねばならない問題と、そうでもない問題がありますので、次の表を復習をする指標としてお役立てください。
「◎」の5つの問題は、「絶対に落としてはならない問題」です。
5問とも正解できましたか?
もし、できていない問題があるとしたら、即刻、手を打たないとならない箇所です。
続いて、水色で塗られた「〇」の問題は、ここは「正解できないと合格できない問題」と位置付けてください。
18問ありますが、最低でも13問は正解したいところです。
そして、黄色で塗られた「□」の問題ですが、「ここが正解できたかどうかで合否が決まる問題」です。
28問あり、復習する価値が最も高い箇所といえます。
続く「△」の問題は、「正解できなくても仕方がない」問題で、全部で15問あります。
最後に「×」の問題ですが、「難問」であった4問です。
ただし、労基法問1は、個数問題でしたから、捨て問というよりは、再度、問題文を読み直していただき、正しいことを認識しておいてください。
また、一般常識の問8は、細かい改正ですが、見直しておく価値はあります。
とにかく、黄色、水色の付いた「□」「〇」を徹底的に復習しておきましょう。
テキストに立ち返ってみたり、過去問に再度、目を通したりして、周辺知識を含めて固めておきましょう。
「△」については、解説冊子の解説を読み、それで終わらせてしまって構いません。
模試の復習は、素早く効率的に行ってください。
一番良くないのは、だらだらと全問に対し徹底的に復習をしていくやり方です。
①深く掘り下げて確認しておきべき問題と、②解説を読み「そういうもんだ」と納得して次へ進む問題を、自分の正誤と絡めて取捨選択していく必要があります。
「□」「〇」の問題で、「正解できなかった問題」と「迷ったものの偶然正解できていた」問題は、復習する価値が高いことになります。
がんばっていきましょう。
一般常識解きまくりで行った演習問題の正答率が出ていますので、ご案内させていただきます。
(WebやDVDで今後、視聴される方は、ここの文面は、できましたら、後日、一般常識解きまくりの講義を視聴していただき、演習問題を解いたうえで、解説講義をお聴きになったあと、読んでいただくとよいと思います。ただ、先に読んでも支障はありませんが・・・)
得点が思わしくなくて、少々、自信喪失な方もいらっしゃることと思います。
「自分はこんな得点だったけど、みんなできているんだろうなぁ。」と思っていらっしゃる方は、実は他の方もそんなに良い出来ではありません(択一式平均点10点)ので、少し、心を落ち着けてください。
社一の法令に関しては、今回、問題として取り上げた箇所を最終確認箇所としてください。
問題冊子と解説冊子に完結して覚えてしまう方が、時間の節約になりますし、重要論点を理解できることになります。
ただし、解説冊子に書かれていることは、一通り、目を通しておきましょう。
いずれにせよ、復習は、コンスタントに早めに行っておいてください。
<問題(労働組合の実態)>
〔問〕 労働組合の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は主に「令和元年労使コミュニケーション調査」及び「平成29年労使間の交渉等に関する実態調査」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
A 使用者側との労使関係の維持について労働組合の認識をみると、安定的(「安定的に維持されている」と「おおむね安定的に維持されている」の合計)だとする割合が約3分の2になっている。
B 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、「何らかの労使間の交渉があった」事項をみると、「賃金・退職給付に関する事項」、「労働時間・休日・休暇に関する事項」、「雇用・人事に関する事項」が上位3つを占めている。
C 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、使用者側との間で行われた団体交渉の状況をみると、「団体交渉を行った」労働組合が全体の約3分の2、「団体交渉を行わなかった」労働組合が約3分の1になっている。
D 過去3年間(平成26年7月1日から平成29年6月30日の期間)において、労働組合と使用者との間で発生した労働争議の状況をみると、「労働争議があった」労働組合は5%未満になっている。
E 労働組合と使用者(又は使用者団体)の間で締結される労働協約の締結状況をみると、労働協約を「締結している」労働組合は9割を超えている。
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
A ☓ (令和元年労使コミュニケーション調査の結果の概要) 「安定的に維持されている」29.7%、「おおむね安定的に維持されている」52.2%、合わせて「81.9%」である。(R1-2E)
B 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。(R1-2B)
C 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。(R1-2C)
D 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査) 本肢のとおりである。(R1-2D)
E 〇 (平成29年労使間の交渉等に関する実態調査)本肢のとおりである。(R1-2A)
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step3 コメント
・労働組合の実態からの過去問です。一昨年の本試験の問題でしたが、できましたでしょうか。
難易度的には、かなり難しい設問であり、Aは、正解である「81.9%」と問題文の「約3分の2」の違いで誤りと見抜くのは、かなり難しいです。
(ただし、正確には、前年の統計では正解が「91.3%」であり、本試験問題文では「約4分の3」となっていました。今回、「81.9%」と「約4分の3」の違いを問うのは酷なので、問題文は「約3分の2」に修正しています。)
また、他のB~Eが正しいことを見抜き、消去法でAにたどり着くことも難しい内容です。
本問のように、統計数値の問題は、明らかに正誤を見抜くのが難しい問題も散見されます。
次回もがんばりましょう。
2021年07月12日
ONEコイン模試については、この土日で既に終了している人、これから自宅受験でトライする人、それぞれだと思います。
ONEコイン模試を受験された方の中には、思ったより得点が伸びず、ショックを受けている人もいることと思います。
ただ、例年、同じで、この段階で高得点(たとえば、択一式で50点)をとれている人は、そう多くはいません。
模試をバネにして、本試験にどれだけプラスに持っていけるかが、勝負どころです。
したがって、結果だけに一喜一憂するよりも、気持ちを切り替えて、どうやって自分にプラスに取り込むかを考えてみましょう。
所詮模試は模試です。
本試験の踏み台にできるのであれば成果ありです。
では、踏み台にするためには、何が必要かということになりますが、おおまかに2つあります。
1つ目は、弱点を見つけ、そこを早めにつぶすこと。
社労士試験は、各科目に基準点がありますから、苦手な箇所や忘れてしまっている箇所があると足を引っ張られてしまいます。
ただし、今、気が付けば、修復可能です。
要するに、復習で補うことができればいいわけです。
ただし、復習は、2週間、3週間かけてやるよりも、できれば一気に片づけたいところです。
特に本試験前というこの時期は、ゆっくり時間をかけて多くを復習をするのではなく、全部を完全に飲み込めなくても、とにかく頭に叩き込むくらいの貪欲さと、短時間での集中力を養うことが大事です。
これが、そのまま本試験での問題を解くスピードと集中力につながるからです。
そして、もうひとつには、本試験のリハーサルとしての機能が模試にはあります。
解く科目の順番やマークシートの塗り方などのチェックをすることができますし、何より3時間半という長時間、体力を持たせることを自分自身の身体に覚えさせることもでき、思いもかけない収穫があるはずです。
本試験という本番で失敗しないように、今のうちに失敗しておくことがいわば免疫にもなります。
これから、自宅受験で受ける方も多くいらっしゃると思いますが、まずは全力でぶつかってみてください。
叩きのめされるかもしれませんが、そこでくじけず、負けじと前へ進む気迫が持てるかどうかが、合格できるかどうかにつながっていきます。
頑張っていきましょう。