2021年07月
2021年07月23日
<問題(職業能力開発)>
〔問〕 職業能力開発に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は「令和元年度能力開発基本調査」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
A 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所の割合は約75%であり、問題点の内容としては、「指導する人材が不足している」、「人材を育成しても辞めてしまう」、「人材育成を行う時間がない」が上位3つを占めている。
B 正社員に対してキャリア・コンサルティング制度を行うしくみを導入している事業所は、約4割であるが、制度を導入しておらず、かつ、導入を予定していない事業所にその理由をたずねると、「制度を知らない」、「労働者から制度導入の要望がない」、「制度導入のメリットを感じない」が上位3つを占めている。
C 職業能力評価を行っている事業所の評価結果の活用方法としては、「人材の採用」、「人材戦略・計画の策定」、「技能継承のための手段」が上位3つを占めている。
D 正社員または正社員以外の自己啓発に対して「支援を行っている」事業所の割合は約8割であり、支援内容としては、「教育訓練機関、通信教育等に関する情報提供」、「社内での自主的な勉強会等に対する援助」、「教育訓練休暇の付与」が上位3つを占めている。
E 技能継承の取り組みを行っている事業所は約3割となっている。取組みの内容は、「中途採用を増やしている」が最も多く、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」、「新規学卒者の採用を増やしている」と続いている。
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
A 〇 本肢のとおりである。(H24-4A)
B ☓ キャリアコンサルティングを行うしくみを導入していない事業所のうち、キャリアコンサルティングを行っていない理由としては、「労働者からの希望がない」が最も多く、次いで、「キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい」となっている。なお、前段部分は正しい。(H24-4C改)
C ☓ 活用方法の上位3つは、「人事考課の判断基準」、「人材配置の適正化」、「労働者に必要な能力開発の目標」である。(H24-4D改)
D ☓ 支援内容としては、「受講料などの金銭的援助」が最も多く、「教育訓練休暇(有給、無給の両方を含む。)の付与」は少ない。なお、前段の文章は正しい。(H24-4B改)
E ☓ 技能継承の取り組みを行っている事業所は「約8割」となっている。取組みの内容は、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」が最も多く、「中途採用を増やしている」、「新規学卒者の採用を増やしている」と続いている。(H24-4E改)
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step3 コメント
・「令和元年度能力開発基本調査」から「職業能力開発」の過去問で択一式からの出題ですが、かなりの難問です。Aについては、昨日取り上げた選択式の過去問焼き直し問題でお伝えしてきているので、Aが正しいとすぐにわかったという方もいらっしゃるでしょうが、通常、そうはいきません。前段の約75%と同時に、上位3つも正しいかどうかを判断しなければなりません。「能力開発基本調査」は、調査の年によって、微妙に聞かれ方が変わっていたりして、内容が異なってきています。このレベルはできなくても仕方ないと割り切るくらいの気持ちで臨んでください。
・Bについては、キャリアコンサルティング自体を知らないということはなく、「労働者が乗り気でない」のが一番の原因です。
・Cについては、職業能力開発をやる以上、「人事考課や配置転換に活かしたい」のが企業として当然のことです。
・Dについては、「お金の支給で済ませ、休みは与えたくない」のが本音です。
・Eについては、企業にとって、「技能承継の問題は、人手不足の問題と絡んで、企業存続のための重要な課題」ですから、関心も高く、取り組みを行う企業は8割を超えるのは当然といえます。
次回もがんばりましょう。
2021年07月22日
<問題(職業能力開発)>
「令和元年度能力開発基本調査(厚生労働省)」をみると、能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は A である。
能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所のうち、問題点の内訳については、「 B 」、「人材を育成しても辞めてしまう」、「人材育成を行う時間がない」が上位3つを占めている。
正社員の自己啓発に対して支援を行っている事業所は C である。
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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。
Aの選択肢
① 約1.5割 ② 約3.5割 ③ 約5.5割 ④ 約7.5割
Bの選択肢
① 育成を行うための金銭的余裕がない
② 鍛えがいのある人材が集まらない
③ 指導する人材が不足している
④ 適切な教育訓練機関がない
Cの選択肢
① 約2割 ② 約4割 ③ 約6割 ④ 約8割
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step2 正解は・・・
A ④ 約7.5割 (令和元年度職業能力開発基本調査)
B ③ 指導する人材が不足している (令和元年度能力開発基本調査)
C ④ 約8割 (令和元年度能力開発基本調査)
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step3 コメント
・平成29年度本試験選択式で「平成28年度能力開発基本調査」から「職業能力開発」が出題されています。Aについては、出題当時は、「約7割」でしたが、現在の統計数値では、若干、上がって「約7.5割」となっています。
・昨年の労一の選択式のA「えるぼし」、B「35歳未満の者が技能検定を受ける際の受講料を減免」の問題は、職業能力開発促進法からの出題です。ということは、職業能力開発に関しては、選択式で平成29年には「統計」から3肢、令和元年には「法令」から2肢が出題されていることになります。今年も要注意の箇所です。これ以外の能力開発基本調査の内容は熟読しておいてください。
明日もがんばりましょう。
2021年07月21日
職業能力開発
【令和元年度能力開発基本調査】
(9) 人材育成に関する問題点【事業所調査】
能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は76.5%と大半を占めている。
問題点の内訳(複数回答)は、「指導する人材が不足している」(58.1%)が最も高く、以下、「人材を育成しても辞めてしまう」(53.7%)、「人材育成を行う時間がない」(49.7%)と続いている。
(10) 技能の継承について【事業所調査】
技能継承に問題があるとする事業所は39.0%となっている。
技能継承の取組を行っている事業所の割合は84.6%と高く、企業規模別に見ると、「300~999人」が90.3%と取組の割合が最も高くなっており、「30~49人」が75.4%と取組の割合は最も低い。
取組の内容の内訳を見ると、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(64.2%)が最も多く、「中途採用を増やしている」(51.1%)、「新規学卒者の採用を増やしている」(30.9%)と続いている。
(11) 労働者に求める能力・スキルについて【企業調査】
企業の発展にとって重要と考える労働者の能力・スキルについては、正社員では「マネジメント能力・リーダーシップ」が50.8%で最も多くなっている。
次いで、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」(47.1%)、「職種に特有の実践的スキル」(37.4%)となっている。
正社員以外では「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が63.7%と最も多くなっており、次いで「職種に特有の実践的スキル」(38.6%)、「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」(35.3%)となっている。
(12) 職業能力開発推進者の選任状況【企業調査】
職業能力開発推進者の選任状況は、「すべての事業所において選任している」とする企業が11.6%、「一部の事業所においては選任している」とする企業が8.2%である。
両者を合わせても全体の4分の1に満たず、「いずれの事業所においても選任していない」企業が78.4%と多くを占める。
<ポイント>
・割と過去に多く出題されている箇所でもあります。細かいところまでは目が行き届かないと思われますが、目を通しておくだけでも、いざというときに助かるかもしれません。
次回もがんばりましょう。
2021年07月20日
職業能力開発
【令和元年度能力開発基本調査】
(7) 職業能力評価【事業所調査】
職業能力評価を行っている事業所は54.7%であり、正社員と正社員以外の両方に対して行っている事業所は32.8%、正社員のみに対して行っている事業所は21.5%、正社員以外のみに対して行っている事業所は0.4%である。
一方、職業能力評価を行っていない事業所は44.6%である。
企業規模別に見ると、正社員では規模が大きくなるほど実施率が高くなっており、正社員以外では、「1,000人以上」(49.2%)で高い。
職業能力評価を行っている事業所で、職業能力評価における検定・資格を利用している事業所は53.5%である。
また、利用している検定・資格は、「国家検定・資格(技能検定を除く)又は公的検定・資格」が75.8%、「民間団体が認定する民間検定・資格」が49.6%、「技能検定」が44.9%、「事業主等が認定する社内検定・資格」が34.5%となっている。
職業能力評価の活用方法は、「人事考課(賞与、給与、昇格・降格、異動・配置転換等)の判断基準」(81.8%)が最も高く、「人材配置の適正化」(60.4%)、「労働者に必要な能力開発の目標」(45.8%)と続いている。
職業能力評価を行っている事業所のうち、職業能力評価に係る取組に問題を感じる事業所は71.1%である。
職業能力評価を行っている事業所のうち、職業能力評価に係る取組の問題点の内訳は、「全部門・職種で公平な評価項目の設定が難しい」(70.9%)が最も多く、次いで「評価者が評価基準を把握していないなど、評価内容にばらつきが見られる」(50.4%)となっている。
(8) ジョブ・カードの認知状況【事業所調査】
ジョブ・カードの認知状況は、「内容を含めて知っており活用している」は2.7%になっている一方、「内容を含めて知っているが活用していない」が22.2%、「名称(言葉)は聞いたことがあるが内容は知らない」が42.6%、「名称(言葉)を聞いたことがなく、内容も知らない」が31.1%と、活用の前に内容そのものを知らない事業所が多い。
<ポイント>
・前回と同じで、ここでは全部に目を通した後には、細かい数字や順番はさておき、青字と赤字だけを拾い読みしてざっと認識しておきましょう。
次回もがんばりましょう。
2021年07月19日
職業能力開発
【令和元年度能力開発基本調査】
(6) キャリアコンサルティングの導入状況【事業所調査】
正社員に対してキャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所は39.4%である。
3年移動平均で見ると、近年、40%台前半を推移している。
正社員以外に対してキャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所は27.0%と、正社員に比べると低い水準となっている。
3年移動平均で見ると、近年、20%台後半を推移している。
企業規模別に見ると、正社員、正社員以外とも規模が大きくなるほどキャリアコンサルティングを行うしくみを導入している割合が高くなっている。
キャリアコンサルティングの実施時期は、「労働者から求めがあった時に実施する」が正社員(56.3%)、正社員以外(66.2%)ともに最も高くなっている。
次いで、「人事評価のタイミングに合わせて実施する」(正社員52.3%、正社員以外39.2%)、「1年に1回、3年に1回など、定期的に実施する」(正社員51.5%、正社員以外46.1%)が多い。
キャリアコンサルティングを行う目的は、正社員、正社員以外ともに「労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため」(正社員77.6%、正社員以外75.3%)が最も多く、次いで「労働者の自己啓発を促すため」(正社員67.1%、正社員以外57.2%)、「労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため」(正社員52.9%、正社員以外42.4%)が多い。
キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所で、どのようなことに対しての効果があったかを見ると、「労働者の仕事への意欲が高まった」(正社員53.0%、正社員以外53.3%)、「自己啓発する労働者が増えた」(正社員37.5%、正社員以外29.5%)が高い。
キャリアコンサルティングを行う上で問題点がある事業所は、正社員で67.3%、正社員以外で59.2%である。
問題点の内訳を見ると、「労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない」(正社員41.4%、正社員以外41.7%)、「労働者がキャリアに関する相談をする時間を確保することが難しい」(正社員40.2%、正社員以外38.3%)、「キャリアに関する相談を行っても、効果が見えにくい」(正社員39.0%、正社員以外39.1%)が多い。
事業所で相談を受けているのはキャリアコンサルタントであるかとの問いに「そうである」と回答したのは9.8%であった。
キャリアコンサルティングを行うしくみを導入していない事業所のうち、キャリアコンサルティングを行っていない理由としては、「労働者からの希望がない」(正社員42.7%、正社員以外39.5%)が最も多く、次いで、「キャリアコンサルタント等相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい」(正社員36.6%、正社員以外27.4%)となっている。
<ポイント>
・ここでは、全部に目を通した後には、細かい数字や順番はさておき、青字と赤字だけを拾い読みして頭に入れていってしまいましょう。
次回もがんばりましょう。