2021年03月
2021年03月26日
働く女性の実情
【令和元年年版働く女性の実情】
(3)配偶関係別労働力率~有配偶者は「20~24 歳」を除き各年齢階級で労働力率が上昇~
配偶関係別に令和元年の女性の労働力率をみると、未婚者は66.7%、有配偶者は56.0%、死別・離別者は31.9%となっている。
年齢階級別にみると、未婚者では「25~29歳」(92.9%)が最も高い。
一方、有配偶者は、「45~49歳」(79.3%)が最も高く、前年に比べ「20~24歳」を除く全ての年齢階級においても労働力率は上昇している。
10年前と比べると全ての年齢階級で労働力率は上昇しており、上昇幅が最も大きいのは「25~29歳」(18.5 ポイント上昇)であった。
女性の年齢階級別労働力率の底である「35~39歳」も 14.6 ポイント上昇している。
<ポイント>
・女性の労働力率は、未婚者約7割、有配偶者約6割、死別・離別者は約3割です。なお、未婚者とは結婚を1度もしたことがない女性、有配偶者は結婚して現在、夫が健在である女性、死別者は夫が亡くなってしまった女性、離別者は離婚した女性となります。ここで、死別・離別者の労働力率が約3割と低く、死別者は別として離別者は働かなければならない状況であるのに、どうしてこんなに労働力率が低いのかという疑問を持つ方がいらっしゃることと思います。実は、15歳以上の死別・離別者の女性の人数は1,162万人中、65歳以上の女性が865万人を占めており、65歳以上の女性の中には80歳や90歳の女性も含まれていますので、夫に先立たれてしまった高齢の女性はすべてこのカテゴリーに属することになります。死別・離別者というカテゴリーは、65歳未満であれば、離別者の方が圧倒的に多いのですが、65歳以上になれば、死別者の方が圧倒的に多くなるため、全体でみると、死別・離別者の女性の労働力率は低くなります。なお、15歳以上65歳未満女性の死別・離別者の労働力率だけをみると、86.2%(256万人÷297万人)となっています。
・女性の労働力率で最も高い年齢層は、未婚者は「25~29歳」、有配偶者は「45~49歳」となります。有配偶者は「45~49歳」が最も高いのは、子育てを終えて働き始める女性が増えるためと考えられます。
・有配偶者は10年前と比べると全ての年齢階級で労働力率は上昇していますが、上昇幅が最も大きいのは「25~29歳」とあるのは、通常、結婚を迎える年齢となり、以前は結婚と同時に仕事を辞めていた人が多かったところが、辞めなくなっていると考えてください。ここでは、前回取り上げた『10年前の平成21年と比較すると、上昇幅が最も大きいのは「60~64歳」』と混同しないようにしてください。10年前と比べて有配偶者の上昇幅が最も大きいのは「25~29歳」であり、女性全体となると、10年前と比べて有配偶者の上昇幅が最も大きいのは「60~64歳」となります。
明日もがんばりましょう。
2021年03月25日
働く女性の実情
【令和元年年版働く女性の実情】
(1)女性の年齢階級別労働力率 ~各年齢階級別労働力率が過去最高~
令和元年の女性の労働力率を年齢階級(5歳階級)別にみると、すべての階級の労働力率について、比較可能な昭和43年以降、過去最高の水準となった。
「25~29歳」(85.1%)と「45~49歳」(81.4%)を左右のピークとし、「35~39歳」(76.7%)を底とするM字型カーブを描いているが、M字型の底の値は前年に比べ1.9ポイント上昇した。
10年前の平成21年と比較すると、全ての年齢階級で労働力率は上昇しているが、上昇幅が最も大きいのは「60~64歳」であった(15.3ポイント上昇)。
また、「30~34歳」では10.3ポイント、「35~39 歳」では 11.2 ポイント上昇しており、グラフ全体の形はM字型から台形に近づきつつある。
<ポイント>
・ピークの年齢階級が、「25~29歳」と「45~49歳」であり、ボトムは「35~39歳」です。どれも「25歳~、35歳~、45歳~」と1の位が5から始まっていますので覚えやすいはずです。
・女性の労働力率で最も高い年齢階級は、「25~29歳」であり、次いで、「45~49歳」で共に8割を超えています。「45~49歳」は、昨年までは8割を超えていませんでしたので、今回、8割の大台に初めて乗りました。一番低いのが「35~39歳」で約7割5分ですから、M字型よりも、台形に近くなってきています。
・10年前の平成21年と比較すると、全ての年齢階級で労働力率は上昇しています。
・10年前の平成21年と比較して上昇幅が最も大きいのは「60~64歳」です。
(2)産業別女性雇用者数
女性雇用者について産業別にみると、「医療,福祉」が625万人(女性雇用者総数に占める割合23.0%)と最も多く、次いで「卸売業,小売業」519万人(同19.1%)、「製造業」299万人(同11.0%)、「宿泊業,飲食サービス業」234万人(同8.6%)の順となっている。
明日もがんばりましょう。
2021年03月24日
<問題(若年者の雇用の実態)>
〔問〕 若年者の雇用の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成30年若年者雇用実態調査の概況」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。なお、この調査は、平成30年10月1日現在のものであり、15歳から34歳を若年労働者としている。
A 若年労働者が就業している事業所の割合は76.0%となっておりその内訳は「若年正社員がいる」事業所の方が、「正社員以外の若年労働者がいる」事業所よりも割合が高い。
B 正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度についてみると、「制度がある」事業所の方が、「制度がない」事業所よりも多い。
C 若年正社員の「定着のための対策を行っている」事業所の方が、正社員以外の若年労働者の「定着のための対策を行っている」事業所よりも多い。
D 若年正社員が現在の会社から「定年前に転職したいと思っている」割合の方が、「転職したいと思っていない」割合よりも多い。
E 正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望をみると、「正社員として働きたい」が最も多く、次いで「正社員以外の労働者として働きたい」、「独立して事業を始めたい」の順である。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]) 平成30年10月1日現在で、若年労働者が就業している事業所の割合は76.0%となっておりその内訳は「若年正社員がいる」事業所が63.9%、「正社員以外の若年労働者がいる」事業所が38.1%となっており、「若年正社員がいる」事業所の割合の方が高い。
B 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]) 本肢のとおりである。正社員以外の労働者を正社員へ転換させる制度についてみると、「制度がある」事業所は53.4%、「制度がない」事業所は39.6%となっている。
C 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]) 本肢のとおりである。若年正社員の「定着のための対策を行っている」事業所は72.0%、正社員以外の若年労働者の「定着のための対策を行っている」事業所は57.1%となっている。
D × (平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]) 若年正社員が現在の会社から「定年前に転職したいと思っている」割合は27.6%、「転職したいと思っていない」割合は33.2%となっており、「転職したいと思っていない」割合の方が多い。
E 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]) 本肢のとおりである。正社員以外の在学していない若年労働者の今後の働き方の希望をみると、「正社員として働きたい」が41.8%、「正社員以外の労働者として働きたい」が 30.9%、「独立して事業を始めたい」が4.7%となっている。
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step3 コメント
・平成30年若年者雇用実態調査の概況から、「若年者の雇用の実態」に関する問題です。ここでは割合の数字そのものよりも、順番やどちらが多いかを明確にしておきましょう。
明日もがんばりましょう。
2021年03月23日
<問題(若年者の雇用の実態)>
〔問〕 若年者の雇用の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成30年若年者雇用実態調査の概況」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。この調査では、15歳から34歳を若年労働者としている。
A 若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考に当たり重視した点(複数回答)についてみると、「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「マナー・社会常識」が上位3つを占めている。
B 若年労働者の育成方針についてみると、若年正社員については、「長期的な教育訓練等で人材を育成」する事業所割合が最も高く、正社員以外の若年労働者については、「短期的に研修等で人材を育成」する事業所割合が最も高くなっている。
C 若年労働者の定着のために事業所が実施している対策別事業所割合(複数回答)をみると、「職場での意思疎通の向上」、「本人の能力・適性にあった配置」、「採用前の詳細な説明・情報提供」が上位3つを占めている。
D 全労働者に占める若年労働者の割合は約3割となっており、若年労働者の約半分がいわゆる正社員である。
E 最終学校卒業後に初めて勤務した会社で現在も働いている若年労働者の割合は約半数となっている。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A 〇 (平成30年若年者雇用実態調査) 本肢のとおりである。積極性や他者との関わり合いの中で円滑に業務を遂行することができる能力、スキルが重視されている。(R2-1A)
B 〇 (平成30年若年者雇用実態調査) 本肢のとおりである。(R2-1B)
C 〇 (平成30年若年者雇用実態調査) 本肢のとおりである。(R2-1C)
D × (平成30年若年者雇用実態調査) 全労働者に占める若年労働者の割合は27.3%となっており、その内訳は若年正社員が「17.2%」、正社員以外の若年労働者が「10.2%」となっている。(R2-1D)
E 〇 (平成30年若年者雇用実態調査) 本肢のとおりである。在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も働いているかどうかについてみると、「勤務している」が50.9%、「勤務していない」が47.4%となっている。(R2-1E)
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step3 コメント
・「平成30年若年者雇用実態調査の概況」からの若年者の雇用の実態に関する問題です。「若年者雇用実態調査」は5年に1度の調査ですが、調査内容が発表された時である令和2年本試験に早速出題されています。難易度が高い問題ではありますが、正解肢である「若年労働者の約半分がいわゆる正社員である」という誤りの箇所で気づいた受験生が多かったようです。
明日もがんばりましょう。
2021年03月22日
<問題(若年者の雇用の実態)>
〔問〕 若年者の雇用の実態に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「平成25年及び平成30年若年者雇用実態調査の概況」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。
A 若年正社員労働者の定着のために実施している対策をみると、「職場での意思疎通の向上」が最も高くなっている。
B 在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も「勤務している」割合は半数を超えている。
C 最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」、「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」、「元々、正社員を希望していなかった」が上位3つを占めている。
D 若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点について採用区分別にみると、新規学卒者、中途採用者ともに「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」、「体力・ストレス耐性」が上位3つを占めている。
E 過去3年間(平成22年10月~平成25年9月)に正社員以外の若年労働者がいた事業所のうち、正社員以外の若年労働者を「正社員へ転換させたことがある」事業所割合を事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど「正社員へ転換させたことがある」事業所割合が高くなっている。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況) 若年労働者の定着のために実施している対策(複数回答)をみると、「職場での意思疎通の向上」が正社員、正社員以外の労働者ともに最も高く、それぞれ59.0%、58.3%となっている。(H28-5C)
B 〇 (平成25年若年者雇用実態調査の概況) 在学していない若年労働者が初めて勤務した会社で現在も働いているかどうかについてみると、「勤務している」が51.7%、「勤務していない」が47.3%となっている。(H28-5E)
C 〇 (平成30年若年者雇用実態調査の概況) 最終学校卒業から1年間に、正社員以外の労働者として勤務した主な理由についてみると、「正社員求人に応募したが採用されなかった」が23.4%と最も高く、次いで「元々、正社員を希望していなかった」が 18.8%、「自分の希望する会社で正社員の募集がなかった」が11.2%となっている。(H28-5D)
D ☓ (平成30年若年者雇用実態調査の概況) 若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」がそれぞれ77.9%、76.0%と最も高くなっている。次いで「新規学卒者」、「中途採用者」と も「コミュニケーション能力」(71.1%、62.9%)、「マナー・社会常識」(61.0%、60.1%)と なっており、積極性や他者との関わり合いの中で円滑に業務を遂行することができる能力、スキルが重視されている。(H28-5A)
E 〇 (平成25年若年者雇用実態調査の概況) 過去3年間(平成22年10月~平成25年9月)に正社員以外の若年労働者がいた事業所のうち、正社員以外の若年労働者を「正社員へ転換させたことがある」事業所割合は46.6%となっている。これを事業所規模別にみると、事業所規模が大きくなるほど「正社員へ転換させたことがある」事業所割合は高くなっている。(H28-5B)
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step3 コメント
・「平成25年及び平成30年若年者雇用実態調査の概況」からの若年者の雇用の実態に関する問題です。本問は、平成28年に出題されたままの問題(ただし、A~Eの順番は変えています。)ですが、かなりの難問で、全く歯が立たなかった方が多かったはずです。Dが誤りであることは、採用選考にあたり重視した点について、「体力・ストレス耐性」は、重視する内容としては低いであろうことで判断するしかありません。いずれにせよ、上位2つの「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、「コミュニケーション能力」までは正しいのに、3番目にくるはずの「マナー・社会常識」が違うことにより誤りであるとするのは酷であり、難易度が高すぎる問題といえます。
・なお、ここでは、平成25年と平成30年の調査が重複していますが、過去問の問題はそのままにして、最新の調査である平成30年調査にある項目は30年のものを使い、30年調査には無いものは平成25年調査で判断しています。
明日もがんばりましょう。