2020年02月

2020年02月28日

「ランチタイム・スタディ2020統計数値」の第4回は、「労働力調査(基本集計)」から「雇用の動向」の調査記載内容です。


「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の主旨については、2月10日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2020統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



雇用の動向

【労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要】


(1)就業者 ――就業者は60万人の増加

就業者数は、2019年平均で6,724万人と、前年に比べ60万人増加(7年連続の増加)となった。
男女別にみると、男性3,733万人と16万人の増加女性2,992万人と46万人の増加となった。



(2)就業率 ――就業率は0.6ポイントの上昇

就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は、2019年平均で60.6%と、前年に比べ0.6ポイント上昇(7年連続の上昇)となった。
男女別にみると、男性69.7%と0.4ポイントの上昇女性52.2%と0.9ポイントの上昇となった


<ポイント>
・就業率は、昨年6割の大台に乗り、今回も0.6ポイント増えました。15歳以上人口に占める労働力人口(就業者と完全失業者を合わせた人口)の割合である労働力率が62.1%であり、15歳以上人口に占める就業者の割合である就業率が60.6%です。就業率は労働力率より1.5%ほど低く、どちらも上昇していますので、それだけ完全失業者数が減っていることを意味します。


(3)雇用者は68万人の増加

就業者を従業上の地位別にみると、雇用者数は2019年平均で6,004万人と、前年に比べ68万人の増加(10年連続の増加)となった。
就業者に占める雇用者の割合89.3%と0.2ポイントの上昇となった。
自営業主・家族従業者数は675万人と11万人の減少となった。

<ポイント>
・前回は自営業主・家族従業者が増加しましたが、今回は減少しました。そのため、就業者に占める雇用者の割合は上昇しています。
・就業者に占める雇用者の割合の89.3%は、9割に届かないものの約9割であると認識しておいてください。


(4)正規の職員・従業員は18万人の増加、非正規の職員・従業員は45万人の増加

正規の職員・従業員数は、2019年平均で3,503万人と、前年に比べ18万人の増加(5年連続の増加)となった。非正規の職員・従業員数は、2,165万人と45万人の増加(6年連続の増加)となった。
役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合38.2%と0.4ポイントの上昇となった。


<ポイント>
・正規の職員・従業員数は約3,500万人で、非正規の職員・従業員数は約2,200万人、ということは、雇用者約6,000万人のうち、役員が約300万人であるといえます。(ここでの正規の職員・従業員数、非正規の職員・従業員数には、役員は除かれています。)
・役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合の「38.2%」は重要です。また、上昇していますので、非正規の職員・従業員の割合が増えています。


(5)役員を除く雇用者に占める有期の契約の割合は26.0%

役員を除く雇用者を雇用契約期間別にみると、無期の契約は、2019年平均で3,728万人、有期の契約は1,467万人となった。
役員を除く雇用者に占める有期の契約の割合は26.0%となった。

<ポイント>
・役員を除く雇用者に占める有期の契約の割合は26.0%と、役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は38.2%を混同しないようにしてください。


(6)就業者が最も増加した産業は「教育,学習支援業」で13万人の増加

就業者を産業別にみると、「教育,学習支援業」は2019年平均で334万人と、前年に比べ13万人の増加、「医療,福祉」は843万人と12万人の増加などとなった。
一方、「卸売業,小売業」は1,059万人と13万人の減少となった。

<ポイント>
・ここは、例年、増減する産業がその年ごとに入れ替わるところですが、「医療,福祉」に関しては、一貫して増加しています。


(7)休業者を除く雇用者のうち週間就業時間が60時間以上の者の割合は0.4ポイントの低下

休業者を除く雇用者のうち週間就業時間が60時間以上の者の割合をみると、2019年平均で6.5%と、前年に比べ0.4ポイントの低下(9年連続の低下)となった。




来週もがんばりましょう。



2020年02月27日

「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の3日目は、「労働力調査(基本集計)」から「労働力人口の動向」の推定予想問題です。


「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の主旨については、2月10日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2020統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



<推定予想問題(労働力人口の動向)>

〔問〕 労働力人口の動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働力人口は、2019年平均で8,886万人と、前年に比べ56万人の増加(7年連続の増加)となった。

B 労働力人口比率は、2019年平均で62.1%と、前年に比0.6ポイントの上昇(7年連続の上昇)である。

C 2019年平均の労働力人口比率を男女別にみると、男性は7割を超えているが、女性は5割を超えていない。

D 労働力人口とは、18歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口をいう。

E 非労働力人口は、2019年平均で4,197万人と、前年に比べ66万人の増加となった。このうち65歳以上は2万人の減少となった。



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step1 正解は・・・



B



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step2 解説

A ☓ (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 労働力人口は、2019年平均で「6,830万人」と、前年に比べ56万人の増加(7年連続の増加)となった。なお、男女別にみると、男性は3,828万人と11万人の増加、女性は3,058万人と44万人の増加となった。

B 〇 (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。

C ☓ (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 2019年平均の労働力人口比率を男女別にみると、男性は7割を超えて(71.4%)おり、女性は5割を超えて(53.3%)いる。

D ☓ (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 労働力人口とは、「15歳以上」人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口をいう。

E ☓ (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 非労働力人口は、2019年平均で4,197万人と、前年に比べ66万人の「減少」となった。このうち65歳以上は2万人の「増加」となった。




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step3 コメント

・数字自体を丸暗記する必要はありません。誤りである場合、明らかな間違いとしている場合が多いため、それに気が付けば正解にたどりつくことができます。



明日もがんばりましょう。


2020年02月26日

「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の2日目は、「労働力調査(基本集計)」から「労働力人口の動向」の過去問です。


「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の主旨については、2月10日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2020統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



<問題(労働力人口の動向)>

〔問〕 労働力人口の動向に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問は、「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。

A  政府は、雇用失業の現状を把握する重要な調査として、総務省統計局において、標本調査により、全国の世帯とその構成員を対象に、毎月、労働力調査を実施している。

B 労働力調査では、労働力人口比率、完全失業者数、完全失業率などが発表されているが、労働力人口比率は、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合と定義され、百分比で表示されている。

C  2019年の女性の労働力人口は7年連続の増加となり、労働力人口総数に占める女性の割合は5割を上回っている。

D 65歳以上の労働力率は、ここ8年にわたり男女共に一貫して上昇している。

E  「平成21年版労働経済白書(厚生労働省)」及び「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要」によれば、日本の労働力人口は、1998年をピークに減少が始まり、その後一時期減少に歯止めがかかったものの、2008年に再び減少に転じた。その後2013年からは増加に転じている。政府は、高齢者の雇用を促進したり、女性が出産育児を機に労働市場から退出することが少なくなるような施策を実施したりしている。




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step1 正解は・・・


C


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step2 解説

A 〇 (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。(H16選改)

B 〇 (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。(H16選改)

C ✕ (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 2019年の女性の労働力人口は3,058万人で、7年連続の増加となったが、労働力人口総数6,886万人に占める女性の割合は高まってきているものの44.4%であり「5割を上回っていない」。(H21-4A改)

D  〇  (労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。ここ8年にわたり、65歳以上の労働力率は一貫して上昇している。(H22-2A改)

E   〇  (平成21年版労働経済白書、労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。労働力人口の推移をみると、1998年の6,793万人をピークに減少に転じ、2004年に年平均で6,642万人となった後、3年連続で増加を続けていたが、2008年に入って再び減少に転じた。ただし、2013年からは増加に転じ、2018年現在、6,830万人となり、6年連続の増加となっている。(H22-3B改)





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step3 コメント

・労働力人口の動向からの出題です。労働力人口は、以前は減少していましたが、現在、7年連続で増加しています。特に女性が著しく増えています。白書や統計数値の問題はやっかいで、すべての肢の正誤判断を完璧に解答することは確かに難しいことですが、本問Cのように、労働力人口総数に占める女性の割合は高まってきているものの、5割を上回るとなると男性よりも労働力人口が多いことになりますから、ここは確実に誤りだと見抜きたいところです。

・CやDのように、「7年連続(8年にわたり)」(要するに「5年」よりも大きい年数)という文言が出てきたら、その増減は特に押さえておきたいところです。なぜなら、5年~10年はいわば中期を意味し、10年となると長期を意味しますので、それだけ長くその傾向が続いていることになるからです。「5年連続」は、「3年連続」よりも意味合いがひとつ大きいものであり、「10年連続」は更に大きいものだと認識してください。なお、たとえば「5年連続」と文章に出てきた場合に、「5年」という数字を覚える必要はありません。おおまかに「5年未満」なら短期、「5年から10年」なら中期、「10年以上」は長期としてとらえておけばよいでしょう。



明日もがんばりましょう。




2020年02月25日

「ランチタイム・スタディ2020統計数値」の第1回は、「労働力調査(基本集計)」から「労働力人口の動向」の調査記載内容です。


「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」の主旨については、2月10日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2020統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



労働力人口・労働力率の動向

【労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の概要】


(1)労働力人口 ―― 労働力人口は 56 万人の増加

労働力人口15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は、2019年平均で6,886万人と、前年に比べ56万人増加7年連続の増加)となった。男女別にみると、男性3,828万人11万人増加女性3,058万人と44万人増加となった。


<ポイント>
・労働力人口の定義は、「15歳以上」人口で「完全失業者」が含まれる点に注意。
 (「18歳以上」や「20歳以上」ではない。)
・労働力人口6,886万人は、約7,000万人弱と押さえておく。
 (5,000万人台や8,000万人台の数字で出題された場合に誤っていることがわかれば良い。)
・労働力人口の男女比としては、当然ながら男性の方が多い。
・労働力人口の増加は、男女共に増えているものの、女性の方がより増えている。
・労働力人口は7年連続上昇しているが、その前5年は減少していることにも注意を払っておきたい。

<覚えておきたい他の用語>
・「生産年齢人口」・・・ 年齢別人口のうち、生産活動の中核をなす年齢の人口層を指し、日本では15歳以上65歳未満の人口が該当する。
・「年少人口」・・・15歳未満の人口
・「老年人口」・・・65歳以上の人口
・「被扶養人口」・・・「年少人口」と「老年人口」をあわせた人口

 
(2)労働力率(労働力人口比率)―― 労働力人口比率は0.6ポイントの上昇

労働力人口比率
(15歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、2019年平均で62.1%と、前年に比べ0.6ポイントの上昇(7年連続の上昇)となった。男女別にみると、男性71.4%と0.2ポイントの上昇、女性は53.3%と0.8ポイントの上昇となった。

<ポイント>
・労働力率は、62.1%と、6割を超えている。
・男性の労働力率は、7割超え、女性の労働力率は5割超え。


(3)非労働力人口は66万人の減少  

非労働力人口は、2019年平均で4,197万人と、前年に比べ66万人の減少(7年連続の減少)となった。このうち65歳以上2万人増加となった。

<ポイント>
・労働力人口が増えているため、非労働力人口は当然ながら減少となる。
・ただし、65歳以上は、逆に2万人の増加。

日本は人口減少化社会に入りました。人口が減少すると、労働力人口が減って、国力衰退(GDPの低下)につながってしまいます。そのため、政府は①女性、②高齢者、③年少者、④障害者、⑤外国人の労働者を増やすことで乗り越えようとして施策を打ち出してきています。よって、この分野が社労士試験にも出題される重要な箇所になるわけです。

明日もがんばりましょう。



2020年02月21日

「ランチタイム・スタディ」の第94問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
『「ランチタイム・スタディ2019本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、94問目は、選択式の社会保険一般常識です。

正答率7%の問題で、難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※本問は、ランチタイム・スタディの最終問題となります。(2019年本試験の中で最も難しかった問題です。)



<問題( 選択式 社一 C )>

介護保険法第115条の46第1項の規定によると、地域包括支援センターは、第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く。)及び包括的支援事業その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、 C を包括的に支援することを目的とする施設とされている。



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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。


⑭ 自立した日常生活
⑰ その地域における医療及び介護 
⑱ その保健医療の向上及び福祉の増進
⑲ 地域住民との身近な関係性の構築 
⑳ 要介護状態等の軽減又は悪化の防止



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step2 正解は・・・


⑱ その保健医療の向上及び福祉の増進(介護保険法115条の46第1項)

   

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step3 コメント


・選択式の社会保険一般常識のCは、介護保険法から地域包括支援センターの役割を問う問題でした。Cの述語が「包括的に支援する」なので、選択肢の中で「⑲ 地域住民との身近な関係性の構築」と、「⑳ 要介護状態等の軽減又は悪化の防止」は入らないことがわかっても、「⑭ 自立した日常生活」、「⑰ その地域における医療及び介護」についてはどちらを当てはめても意味が通りますから、条文に明確に目を通していた人以外は、勘に頼るしかなく、本問は正解できなくても仕方ありません。

・介護保険の役割を果たすうえでも、介護保険の財政を健全化するためにも、現在、自立できている人についてはできるだけ介護保険を利用しなくても済むように、また、軽度の要支援・要介護状態を重度化させないように、国は介護予防に力を注いできています。そういう意味では、市役所に設置されていることが多い「地域包括支援センター」の役割は増してきていると考えられますので、本試験でも再度、出題されることは十分、考えられます。

・もし、再び、選択式で同じ箇所が出題されるとしたら、次の赤字の語句が抜かれる可能性があると思われます。ひとつは、「地域包括支援センター」そのものが抜かれる場合と、地域包括支援センターの主な事業である「包括的支援事業」が抜かれるケースです。また、択一式で〇肢、又は赤字を別の語句に変えて✕もあり得るのではないかと思われます。

「介護保険法第115条の46第1項の規定によると、地域包括支援センターは、第1号介護予防支援事業(居宅要支援被保険者に係るものを除く。)及び包括的支援事業その他厚生労働省令で定める事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設とされている。」



「2019本試験ランチタイム・スタディ」は、これで終了です。
いつもご覧いただき、ありがとうございました。

来週からは、「ランチタイム・スタディ 2020統計数値」を開始します。
引き続き、よろしくお願いします。