2019年03月

2019年03月21日

「平成30年版労働経済白書」読み解き9「「きめ細かな雇用管理」に向けた課題」の練習問題です。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。


〔問〕 「きめ細かな雇用管理」に向けた課題に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問においては「平成30年版労働経済白書」を参照している。

A 人事評価に満足していない従業員が挙げている理由としては、「評価者が直属の上司しかおらず、評価が一面的」が最も多く、次いで、「評価結果に基づく評価者からの指導・助言がない」などとなっている。

B 正社員と限定正社員の間で相互転換が可能なのか確認すると、限定正社員のいる企業の83.0%は「転換可能」となっているが、約17.0%は「転換不可」となっており、限定正社員となると、正社員に戻ることができない企業も少なくない。

C 正社員と限定正社員の間の基本給の差をみると、「正社員の方が高い」とする企業が39.7%、「基本給に差はない」とする企業は58.8%となっている。

D 正社員と限定正社員が双方の働き方を比較した際の正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「不合理な賃金差がある」が最も多く挙げられており、次いで、「共有がしっかりとなされない情報が多い」などとなっているが、限定正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「合理的な賃金差が設けられていない」が最も多く挙げられており、次いで、「労働時間と比較して、業務量が過大になった」などとなっている。

E 転勤を人材育成の一環と考えていない企業において、転勤を減らすために講じている取組をみると、「IT技術(テレビ会議等)の活用」が42.4%で最も挙げられており、次いで「出張の増加」「現地採用社員の増加」などが挙げられている。





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step1 正解は・・・



B



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step2 解説

A ☓ (平成30年版労働経済白書) 人事評価に満足していない従業員が挙げている理由としては、「評価が不明瞭で、恣意的になっている」が最も多く、次いで、「被評価者の仕事ぶりがよく把握されていない」などとなっている。

B 〇 (平成30年版労働経済白書) 本肢のとおりである。

C ☓ (平成30年版労働経済白書) 正社員と限定正社員の間の基本給の差をみると、「正社員の方が高い」とする企業が58.8%、「基本給に差はない」とする企業は39.7%となっている。

D ☓ (平成30年版労働経済白書) 正社員と限定正社員が双方の働き方を比較した際の正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「合理的な賃金差が設けられていない」が最も多く挙げられており、次いで、「労働時間と比較して、業務量が過大になった」などとなっているが、限定正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「不合理な賃金差がある」が最も多く挙げられており、次いで、「共有がしっかりとなされない情報が多い」などとなっている。

E ☓ (平成30年版労働経済白書) 転勤を人材育成の一環と考えていない企業において、転勤を減らすために講じている取組をみると、「現地採用社員の増加」が42.4%で最も挙げられており、次いで「出張の増加」「IT技術(テレビ会議等)の活用」などが挙げられている。


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step3 コメント

・平成30年版労働経済白書から、 「きめ細かな雇用管理」に向けた課題に関する問題です。限定正社員は、注目されている働き方でもありますので、正社員と限定正社員の給与や待遇の違いや意識・不満に関しては、一通り目を通しておきたいところです。



次回もがんばりましょう。




2019年03月20日

「ランチタイム・スタディ2019統計数値」の17日目は、「労働力調査詳細集計(速報)平成30年平均結果の概要」から「雇用者の雇用形態別の構成(正規・非正規など)」の調査記載内容の前半です。


「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



雇用者の雇用形態別の構成(正規・非正規など)前半

【労働力調査詳細集計(速報)平成30年平均結果の概要】


(1)正規の職員・従業員は53万人増加,非正規の職員・従業員は84万人増加

2018年平均の役員を除く雇用者5,596万人となり、前年に比べ136万人の増加となった。

このうち正規の職員・従業員3,476万人と53万人の増加となった。
一方、非正規の職員・従業員は2,120万人と84万人の増加となった。

男女別にみると、男性正規の職員・従業員が2,339万人と29万人の増加非正規の職員・従業員が669万人と22万人の増加となった。

女性正規の職員・従業員が1,137万人と23万人の増加非正規の職員・従業員が1,451万人と62万人の増加となった。


<ポイント>
・雇用者は、約5,600万人で、4割弱が非正規です。
・男性、女性の正規、非正規ともに増加しています。
・女性の非正規は、約1,500万人です。


(2)非正規の職員・従業員が多い年齢階級は男性では65歳以上及び55~64歳,女性では45~54歳及び35~44歳

非正規の職員・従業員を男女、年齢階級別にみると、男性は2018年平均で65歳以上が189万人(28.3%)と最も多く、次いで55~64歳が145万人(21.7%)、女性45~54歳が365万人(25.2%)と最も多く、次いで35~44歳が307万人(21.2%)などとなった。

雇用形態別にみると、パート・アルバイト1,490万人と76万人のなどとなった。


<ポイント>

・男性の非正規が多い年齢層は65歳以上で、女性の非正規が多い年齢層は45歳~54歳層と明確な違いがありますので要注意です。
・パート・アルバイトは、約1,500万人です。



明後日もがんばりましょう。



2019年03月19日

「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の16日目は、「一般職業紹介状況(平成30年分)について」から「労働力需給の動向」の推定予想問題(一部、過去問を含む)です。


「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


<推定予想問題(労働力需給の動向)>

〔問〕 労働力需給の動向に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 有効求人倍率とは、有効求人数を有効求職者数で除した率であり、この数値が1より大きいか小さいかで、労働市場の需要超過、供給超過の状態を知ることができる。

B たとえば、有効求人倍率1.08倍とは、仕事を探す人100人に対して108人分の仕事がある状態を指し、1を下回れば仕事不足を意味する。

C 平成30年平均の有効求人倍率は1.61倍となり、前年の1.50倍を0.11ポイント上回った。

D 平成30年平均の有効求人は前年に比べ3.1%減となり、有効求職者は3.8%増となった。

E 労働市場の動向を示す指標である求人倍率は、求人数を求職者数で除することにより得られる。求人倍率には新規求人と新規求職者の比である新規求人倍率と、有効求人と有効求職者の比である有効求人倍率があり、後者は景気の動向とほぼ一致した動きを示し、前者は先行的な動きを示すとされている。




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step1 正解は・・・



D



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step2 解説

A 〇 本肢のとおりである。

B 〇 本肢のとおりである。

C 〇 (一般職業紹介状況(平成30年分)について) 本肢のとおりである。


D ☓ (一般職業紹介状況(平成30年分)について) 平成30年平均の有効求人は前年に比べ3.1%「増」となり、有効求職者は3.8%「減」となった。

E 〇 本肢のとおりである。(H13-4A)



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step3 コメント


・「一般職業紹介状況(平成30年分)について」から「労働力需給の動向」の択一式問題でした。ここでは、平成30年平均の有効求人倍率「1.61倍」という数値と、その意味合い、増減を押さえておいてください。



明日もがんばりましょう。



2019年03月18日

「ランチタイム・スタディ2019統計数値」の15日目は、「一般職業紹介状況(平成30年分)について」から「労働力需給の動向」の調査記載内容です。


「ランチタイム・スタディ 2019統計数値」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『ランチタイム・スタディ 2019統計数値」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



労働力需給の動向

【一般職業紹介状況(平成30年分)について】


平成30年平均の有効求人倍率1.61倍となり、前年の1.50倍を0.11ポイント上回った

平成30年平均の有効求人は前年に比べ3.1%となり、有効求職者は3.8%となった。

<ポイント>

・企業が人手不足に悩んでいる状況ともなれば、求人は増え、その結果、求職者数は減りますから、有効求人倍率は高くなります。
・有効求人倍率が1.61倍ということは、1人の求職者に対して、1.61社の求人があることを意味します。



明日もがんばりましょう。



2019年03月17日

「平成30年版労働経済白書」読み解き9を始めます。

「平成30年版労働経済白書」読み解きの主旨については、1月20日の佐藤塾ブログの『
『「平成30年版労働経済白書」読み解き』 開始のお知らせ』をご覧ください。

9.「きめ細かな雇用管理」に向けた課題


●人事評価に満足していない従業員が挙げている理由
人事評価に満足していない従業員が挙げている理由としては、「評価が不明瞭で、恣意的になっている」が最も多く、次いで、「被評価者の仕事ぶりがよく把握されていない」「人事評価の結果が、給与や昇進に適切に反映されていない」「評価結果に基づく評価者からの指導・助言がない」「評価者が直属の上司しかおらず、評価が一面的」などが多い。


●限定正社員と正社員の基本給、昇進スピード等の比較
正社員と限定正社員の間で相互転換が可能なのか確認すると、限定正社員のいる企業の83.0%は「転換可能」となっているが、約17.0%は「転換不可」となっており、限定正社員となると、正社員に戻ることができない企業も少なくない。

正社員と限定正社員の間の基本給の差をみると、「正社員の方が高い」とする企業が58.8%と多いものの、
「基本給に差はない」とする企業も39.7%となっている。

限定正社員の基本給に差がある場合には、正社員の基本給の「8割超~9割以下」が44.3%と最も多く、次いで、「9割超」が25.2%、「7割超~8割以下」が23.7%となっている。

正社員と限定正社員の間の昇進スピードの差をみると、「正社員の方が早い」と「昇進スピードに差がない」とする企業の割合がおおむね同水準となっている。
ただし、将来の幹部候補を早期選抜する制度がある場合、限定正社員は対象にならない企業は47.3%となっている。


●正社員と限定正社員が双方の働き方を比較した際の不満の有無と具体的な事柄
正社員と限定正社員が双方の働き方を比較した際の不満の有無をみると、限定正社員の33.7%が不満を感じていることに加えて、正社員の19.7%が不満を感じている。

正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「合理的な賃金差が設けられていない」が最も多く挙げられており、次いで、「労働時間と比較して、業務量が過大になった」「合理的な昇進スピードの差が設けられていない」「限定正社員への仕事の割振り・調整が難しくなった」「計画的な休暇が取得しづらくなった」等が挙げられている。

他方、限定正社員が不満に感じている具体的な事柄をみると、「不合理な賃金差がある」が最も多く挙げられており、次いで、「共有がしっかりとなされない情報が多い」「不合理な昇進スピードの差がある」「労働時間と比較して、業務量が過大になった」等が挙げられている。


●転勤を減らすために講じている取組
転勤を人材育成の一環と考えていない企業において、転勤を減らすために講じている取組をみると、「現地採用社員の増加」が42.4%で最も挙げられており、次いで「出張の増加」「IT技術(テレビ会議等)の活用」などが挙げられている。


お疲れ様でした。
人手不足を解消し働き方改革を推進していくためには、正社員と限定正社員の両方における処遇や評価が社員に受け入れられていないといけないことから、これらの現状を認識した上での企業の取組は、社労士の業務としても重要な意味合いがあります。
次回は、この部分の練習問題です。