2017年12月

2017年12月28日

「ランチタイム・スタディ」の第61問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、10月1日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2017」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



さて、61問目は、択一式の健康保険法です。

正答率55%&合否を分けた問題です。

※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%未満)」とで、15%以上差が開いた問題です。


<問題( 択一式 健保 問1)>

〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 全国健康保険協会の常勤役員は、厚生労働大臣の承認を受けたときを除き、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。

B 小規模で財政の窮迫している健康保険組合が合併して設立される地域型健康保険組合は、合併前の健康保険組合の設立事業所が同一都道府県内であれば、企業、業種を超えた合併も認められている。

C 任意継続被保険者の保険料の徴収に係る業務は、保険者が全国健康保険協会の場合は厚生労働大臣が行い、保険者が健康保険組合の場合は健康保険組合が行う。

D 健康保険組合が解散により消滅した場合、全国健康保険協会が消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。

E 全国健康保険協会は、市町村(特別区を含む。)に対し、政令で定めるところにより、日雇特例被保険者の保険に係る保険者の事務のうち全国健康保険協会が行うものの一部を委託することができる。


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step1 正解は・・・


C


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step2 解説

A 〇 (法7条の15) 本肢のとおりである。全国健康保険協会の役員(非常勤の者を除く。)には、本肢の兼業禁止規定が適用される。

B 〇 (法附則3条の2) 本肢のとおりである。地域型健康保険組合は、小規模で財政の窮迫している健康保険組合を対象に、同一都道府県内における健康保険組合の再編、統合の受け皿として、企業、業種を超えて設立される健康保険組合である。

C ☓ (法155条) 全国健康保険協会が管掌する健康保険の任意継続被保険者に関する保険料は、「全国健康保険協会」が徴収する。

D 〇 (法26条4項) 本肢のとおりである。全国健康保険協会は、解散により消滅した健康保険組合の権利義務を承継する。

E 〇 (法203条2項) 本肢のとおりである。なお、本肢の規定により市町村に委託する事務は、次のとおりである。
①受給資格者票の発行及び受給資格者票への確認の表示その他受給資格者票に関する事務
②特別療養費受給票の交付その他特別療養費受給票に関する事務
③保険給付(埋葬料の支給を除く)を行うために必要な保険料の納付状況の確認に関する事務及び被扶養者に係る保険給付に関する被扶養者の確認に関する事務


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問1の正解はCですが、A、B及びEに解答がばらけています。設問が細かい内容で学習するにもできれば避けてとおりたい箇所ではありますが、合格する実力のある人は、この問題を確実に得点しています。日頃のコツコツと積み上げていく学習が必要といえましょう。



明日もがんばりましょう。




2017年12月27日

「ランチタイム・スタディ」の第60問です。

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さて、60問目は、択一式の厚生年金保険法です。

正答率57%の問題です。



<問題( 択一式 厚年 問3 )>

〔問〕 厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 適用事業所以外の事業所に使用される任意単独被保険者の被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。

イ 産前産後休業期間中の保険料の免除の申出は、被保険者が第1号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者が使用される事業所の事業主が、また第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者である場合には当該被保険者本人が、主務省令で定めるところにより実施機関に行うこととされている。

ウ 障害手当金の額は、厚生年金保険法第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額であるが、その額が障害等級2級に該当する者に支給する障害基礎年金の額の2倍に相当する額に満たないときは、当該額が障害手当金の額とされる。

エ 厚生年金保険法第47条の3に規定するいわゆる基準障害による障害厚生年金を受給するためには、基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外の全ての傷病)に係る初診日以降でなければならない。

オ 任意適用事業所に使用される被保険者について、その事業所が適用事業所でなくなったことによる被保険者資格の喪失は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。

A(アとイ)  B(アとウ)  C(イとエ)
D(ウとオ)  E(エとオ)



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step1 正解は・・・


C


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step2 解説

ア ☓ (法18条1項) 任意単独被保険者が資格喪失の認可を受けて被保険者の資格を喪失した場合には、厚生労働大臣の確認は行われない。

イ 〇 (法81条の2の2第1項、2項) 本肢のとおりである。第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る保険料免除の申出は「事業主」ではなく「被保険者」が行うものとされている。なお、育児休業等期間中の保険料免除の申出も同様である(法81条の2第1項、2項)。

ウ ☓ (法57条) 前段部分は正しいが、障害手当金の最低保障額は、障害等級2級に該当する者に支給される障害基礎年金の額に4分の3乗じて得た額の2倍に相当する額とされる。

エ 〇 (法47条の3第1項) 本肢のとおりである。基準障害とは後発の傷病(基準傷病)による障害をいうため、基準傷病の初診日は、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日より後にあることが必要とされる。

オ ☓ (法18条1項) 任意適用事業所に使用される被保険者が、その事業所が適用事業所でなくなったことにより被保険者の資格を喪失したときは、厚生労働大臣による確認を要しない。




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step3 コメント

・択一式の厚生年金保険法の問3は組合せ問題でした。設問の内容としては、細かいところで覚えるのが面倒なところではありますが、組合せ問題という性質上、消去法か、正解である肢一つを見抜いて、正答にたどりつきたいところです。



明日もがんばりましょう。






2017年12月26日

「ランチタイム・スタディ」の第59問です。

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さて、59問目は、択一式の健康保険法です。

正答率58%の問題です。



<問題( 択一式 健保 問4 )>

〔問〕 健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 介護保険料率は、各年度において保険者が納付すべき介護納付金(日雇特例被保険者に係るものを除く。)の額(全国健康保険協会が管掌する健康保険においては、所定の国庫補助額を控除した額)を当該年度における当該保険者が管掌する介護保険第2号被保険者である被保険者の総報酬額の総額の見込額で除して得た率を基準として、保険者が定める。なお、本問において特定被保険者に関する介護保険料率の算定の特例を考慮する必要はない。

イ 被保険者に係る療養の給付は、同一の傷病について、介護保険法の規定によりこれに相当する給付を受けることができる場合には、健康保険の給付は行われない。

ウ 健康保険事業の事務の執行に要する費用について、国庫は、全国健康保険協会に対して毎年度、予算の範囲内において負担しているが、健康保険組合に対しては負担を行っていない。

エ 事業主は、被保険者に係る4分の3未満短時間労働者に該当するか否かの区別の変更があったときは、当該事実のあった日から10日以内に被保険者の区別変更の届出を日本年金機構又は健康保険組合に提出しなければならない。なお、本問の4分の3未満短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である者又は1か月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数の4分の3未満である者であって、健康保険法第3条第1項第9号イからニまでのいずれの要件にも該当しないものをいう。

オ 前月から引き続き任意継続被保険者である者が、刑事施設に拘禁されたときは、原則として、その月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。

A(アとイ)    B(アとエ)    C(イとウ)
D(ウとオ)    E(エとオ)



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step1 正解は・・・


A


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step2 解説

ア 〇 (法160条16項) 本肢のとおりである。介護保険料率は、毎年度、保険者が定める。

イ  〇 (法55条2項) 本肢のとおりである。同一の疾病又は負傷について、健康保険の保険給付と介護保険の保険給付とを受けることができるときは、介護保険の保険給付が優先される。

ウ ☓ (法152条) 健康保険組合に対して交付する国庫負担金は、各健康保険組合における被保険者数を基準として、厚生労働大臣が算定するとされており、健康保険組合に対しても国庫負担が行われている。

エ ☓ (則28条の3) 被保険者の区別変更の届出は、当該事実があった日から「5日以内」に提出しなければならない。

オ ☓ (法158条) 任意継続被保険者は、刑事施設に拘禁されたときであっても、「保険料の徴収は行われる」。





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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問4は組合せ問題でしたが、短文と長文の両方が混ざっています。択一式の問題を解くのに時間が足りない方にとっては、アとエの問題文が長文ですので、急いで読まないといけないと思ってしまい、そのため意味が理解できずに再度、読まなければならなくなってしまうなど、かえって時間がかかってしまうケースが見受けられます。こういう場合には、1問題で長考するよりも、短文の問題だけを片づけておくなど、全体のリズムや時間配分を優先することも一つの方法です。



明日もがんばりましょう。




2017年12月25日

「ランチタイム・スタディ」の第58問です。

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さて、58問目は、択一式の健康保険法です。

正答率58%の問題です。



<問題( 択一式 健保 問10 )>

〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 被保険者が、故意に給付事由を生じさせたときは、その給付事由に係る保険給付は行われないこととされているが、自殺未遂による傷病について、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められる場合は、故意に給付事由を生じさせたことに当たらず、保険給付の対象となる。

B 任意継続被保険者の標準報酬月額は、原則として当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額、又は前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する全被保険者の標準報酬月額を平均した額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額のいずれか少ない額とされるが、その保険者が健康保険組合の場合、当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額又は当該規約で定めた額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額のいずれか少ない額とすることができる。

C 前月から引き続き被保険者であり、7月10日に賞与を30方円支給された者が、その支給後である同月25日に退職し、同月26日に被保険者資格を喪失した。この場合、事業主は当該賞与に係る保険料を納付する義務はない。

D 標準報酬月額の定時決定について、賃金計算の締切日が末日であって、その月の25日に賃金が支払われる適用事業所において、6月1日に被保険者資格を取得した者については6月25日に支給される賃金を報酬月額として定時決定が行われるが、7月1日に被保険者資格を取得した者については、その年に限り定時決定が行われない。

E 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者が、報酬の一部を現物給与として受け取っている場合において、当該現物給与の標準価額が厚生労働大臣告示により改正されたときは、標準報酬月額の随時改定を行う要件である固定的賃金の変動に該当するものとして取り扱われる。



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step1 正解は・・・


D


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step2 解説

A 〇 (昭13.2.10社庶131号) 精神病その他の行為(結果を含む)に対する認識能力なき者にあっては「故意」の問題を生じない。したがって、精神異常により自殺を企てたものと認められる場合には、保険給付は為すべきものである。

B 〇 (法47条) 本肢のとおりである。なお、特例退職被保険者の標準報酬月額については、当該特定健康保険組合が管掌する前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における特例退職被保険者以外の全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額の範囲内においてその規約で定めた額を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額とする(法附則3条4項)。

C 〇 (法156条3項、法167条2項) 本肢のとおりである。前月から引き続き被保険者である者がその資格を喪失した場合においては、その月分の保険料は算定しない。したがって、資格喪失月において資格喪失前に支払われた賞与は、保険料徴収の対象とならない。

D ☓ (法41条3項) 6月1日に被保険者資格を取得した者は、その年の定時決定は「行われない」。

E 〇 (法43条1項、平25.5.31事務連絡) 本肢のとおりである。現物給与の標準価額が告示により改正された場合は、固定的賃金の変動に該当することから、随時改定の対象になる。なお、現物給与の価額に関して規約で別段の定めをしている健康保険組合が管掌する被保険者については、当該規約の定めによる価額の変更がなければ、随時改定の対象にはならない。


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問10は、どの肢も比較的、基本的な問題ではありますが、復習を怠っているとどうだったかがわからなくなってしまうことが想定される内容です。一度、インプットで学習した内容は、反復して復習して、知識を明確に固めておくことが大切です。



明日もがんばりましょう。




2017年12月22日

「ランチタイム・スタディ」の第57問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、10月1日の佐藤塾ブログの『「ランチタイム・スタディ2017」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。



さて、57問目は、択一式の労働者災害補償保険法です。

正答率60%&合否を分けた問題です。

※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%未満)」とで、15%以上差が開いた問題です。
※正答率がちょうど6割になりました。



<問題( 択一式 労災 問6)>

〔問〕 労災保険給付と損害賠償の関係に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 政府が被災労働者に対し労災保険法に基づく保険給付をしたときは、当該労働者の使用者に対する損害賠償請求権は、その保険給付と同一の事由については損害の填補がされたものとしてその給付の価額の限度において減縮するが、同一の事由の関係にあることを肯定できるのは、財産的損害のうちの消極損害(いわゆる逸失利益)のみであり、保険給付が消極損害の額を上回るとしても、当該超過分を、財産的損害のうちの積極損害(入院雑費、付添看護費を含む。)及び精神的損害(慰謝料)を填補するものとして、これらとの関係で控除することは許されないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。

B 労働者が使用者の不法行為によって死亡し、その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受けることが確定したときは、損害賠償額を算定するにあたり、当該遺族補償年金の填補の対象となる損害は、特段の事情のない限り、不法行為の時に填補されたものと法的に評価して、損益相殺的な調整をすることが相当であるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。

C 労災保険法に基づく保険給付の原因となった事故が第三者の行為により惹起され、第三者が当該行為によって生じた損害につき賠償責任を負う場合において、当該事故により被害を受けた労働者に過失があるため損害賠償額を定めるにつきこれを一定の割合で斟酌すべきときは、保険給付の原因となった事由と同一の事由による損害の賠償額を算定するには、当該損害の額から過失割合による減額をし、その残額から当該保険給付の価額を控除する方法によるのが相当であるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。

D 政府が被災労働者に支給する特別支給金は、社会復帰促進等事業の一環として、被災労働者の療養生活の援護等によりその福祉の増進を図るために行われるものであり、被災労働者の損害を填補する性質を有するということはできず、したがって、被災労働者の受領した特別支給金を、使用者又は第三者が被災労働者に対し損害賠償すべき損害額から控除することはできないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。

E 労災保険法に基づく保険給付の原因となった事故が第三者の行為により惹起された場合において、被災労働者が、示談により当該第三者の負担する損害賠償債務を免除した場合でも、政府がその後労災保険給付を行えば当該第三者に対し損害賠償を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。



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step1 正解は・・・


E


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step2 解説

A 〇 (昭62.7.10最高裁第二小法廷青木鉛鉄事件) 本肢のとおりである。政府が被害者に対し保険給付をしたときは、被害者が使用者に対して取得した損害賠償請求権は、保険給付と同一の事由については、損害が填補されたものとして、その給付の価額の限度において減額するものと解されるが、同一の事由の関係にあるとみられるのは民事上の財産的損害のうちの消極的損害(いわゆる逸失利益)のみであり、積極損害及び精神的損害はこれに当たらない。

B 〇 (平27.3.4最高裁大法廷フォーカスシステムズ事件) 本肢のとおりである。被害者が不法行為によって死亡した場合において、その損害賠償請求権を取得した相続人が遺族補償年金の支給を受けることが確定したときは、制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り、その遺族補償年金の填補の対象となる損害は不法行為の時に填補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整をすることが公平の見地からみて相当である。

C 〇 (平1.4.11最高裁第三小法廷高田建設事件) 本肢のとおりである。本件は、民事損害賠償額を算定するに当たって、被災労働者の過失分の減額(過失相殺)について、労災保険給付を控除する前に行うべきなのか、控除した後に行うべきなのかが争点となった事案であるが、最高裁判所の判例によると、「第三者行為災害の場合において被災労働者に過失があるときの労災保険給付の原因となった事由と同一の事由による損害賠償額の算定は、損害額から過失割合による減額をし、その残額から保険給付の価額を控除する方法によるのが相当である(控除前相殺説)」とされた。

D 〇 (平8.2.23最高裁第二小法廷コック食品事件) 本肢のとおりである。社会復帰促進等事業の一環として支給される特別支給金は、被災労働者の福祉の増進を図るためのもので、損害賠償義務の履行との関係についての調整規定も置かれていないことに照らすと、被災労働者の損害を填補する性質を有するものとはいえず、これを損害賠償の額から控除することはできない。

E ☓ (昭38.6.4最高裁第三小法廷小野運送事件) 補償を受けるべき者が、第三者から損害賠償を受け又は第三者の負担する損害賠償債務を免除したときは、その限度において損害賠償請求権は消滅するのであるから、政府がその後保険給付をしても、当該第三者に対し損害賠償を請求することはできない。



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step3 コメント

・択一式の労働者災害補償保険法の問6は、労災保険給付と損害賠償の関係に関する最高裁判例からの出題でした。それぞれの問題が長文であり、その意味するところを整理しくみ取るのに時間を要します。労基や労一での判例問題は今までも多く出題されていましたが、択一式において労災における判例の出題は予期せぬ問題だったと思います。焦らず落ち着いて対応したいところです。



来週もがんばりましょう。