2017年08月
2017年08月22日
最終確認で白書・統計数値に時間を割く人は多いと思います。
白書対策は、直前期に集中して行う方が効率がいいこともありますし、何より不安である分野でしょうから、少しでも見ておきたいという気持ちになるはずです。
白書・統計数値対策として、全部を片っ端から暗記していくことはまず不可能ですから、どこを拾い上げていけばいいかというと、次の手順で考えてください。
step1 数字を押さえる
例1)女性の賃金は過去最高となっており、男女間賃金格差(男性=100)は過去最小の「73.0」となっている。
→この場合、「7割強」または「4分の3程度」と押さえておきましょう。
特に大台に乗った数字は狙われやすい傾向にあります。
例2)労働力人口比率は、2016年平均で「60.0%」となった。
→前年は59.6%でしたから、大台に乗ったといえます。
数字を暗記するのではなく、数字の意味を押さえておきましょう。
例3)平成27(2015)年10月1日現在の我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合)は「26.7%」と、過去最高となった。
→この場合、26.7%という数字を暗記するのではなく、「4人に1人以上が高齢者(65歳以上)」とだけ覚えておけば正誤の判断が付きます。仮に、この数字を違う数値にして誤りとするような場合には、「25%未満」で誤りとするか、「30%以上」で誤りとするかになりますので、たとえば、「27.7%」で誤りのようなことはまずありません。
例4)企業調査において、終業時刻から次の始業時刻までの間隔(インターバル)の時間を一定以上確保する「勤務間インターバル制度」の導入状況を尋ねたところ、「導入している」は「2.2%」、「導入していない」は94.9%であった。
→たとえば、勤務間インターバルを「12時間」と設定していた会社で、ある社員がどうしても仕上げないといけない急ぎの仕事があって、残業を22時までしたとします。そうすると、次の日は、12時間後の朝10時の出社でいいはずですが、たいていの場合、次の日も当然、朝早く出社して仕事をすべきと考えますから、経営者側からすれば、通常、勤務間インターバルという制度を歓迎することはあまりありません。したがって、2.2%という低い数字になっていると押さえておきましょう。
ただし、次のようなものは暗記しておいてください。
例5)完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は、2016年平均で「3.1%」となった。
平成28年平均の有効求人倍率は「1.36倍」となった。 等
step2 増加しているのか、減少しているのか?
例6)就業者に占める雇用者の割合は「89.0%」となり、0.5ポイントの「上昇」となった。
→この場合、「89.0%」と「上昇」の両方を押さえておく必要があります。なお、「0.5ポイント」は必要ありません。
それでは、増減を押さえておかないとならないのは、どういうケースなのでしょうか。
それは、2つあります。
①5年(目安)以上、ずっと増加または減少している場合
②5年(目安)以上、ずっと増加していたものが減少になった場合(当然、逆もあります。)
したがって、年によって、増えたり減ったりしているケースは、増減を押さえる必要はありません。
step3 順番を押さえておく
「〇〇が最も多く、次いで□□、△△の順になっている。」に類する文章の場合、順番を入れ変えてくるケースが多いです。
例7)変形労働時間制を採用している企業割合は60.5%となっている。変形労働時間制の採用企業を種類別(複数回答)にみると、「1年単位の変形労働時間制」が34.7%、「1か月単位の変形労働時間制」が23.9%、「フレックスタイム制」が4.6%となっている。
→ここでは、企業割合の60.5%と、種類別の順番の両方が重要です。
例8)正社員以外の労働者がいる事業所について、正社員以外の労働者の活用理由(複数回答)を就業形態別にみると、契約社員では「専門的業務に対応するため」が、派遣労働者では「即戦力・能力のある人材を確保するため」が、パートタイム労働者では「賃金の節約のため」が最も高い割合となっている。
→これは、順番ではありませんが、活用理由を変えて聞いてくることが考えられます。
step4 企業規模や職業、性別・年齢による違いはみられるかどうか
例9)変形労働時間制を採用している1,000人以上規模企業に関してみると、「1か月単位の変形労働時間制」を採用している企業が最も多く、次いで「1年単位の変形労働時間制」、「フレックスタイム制」の順になっている。
→例7と比べてください。
例10)退職給付(一時金・年金)制度がある企業数割合は、75.5%で、企業規模別にみると、規模が大きいほど退職給付(一時金・年金)制度がある企業数割合が高くなっている。
例11)平成27年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均18.4日、そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は48.7%であり、50%には達していないが、これを性別でみた場合、女性は54.1%と50%を上回っている。
step5 喫緊の課題である長時間労働の是正に関する事項は特に重要
例12)将来的に過労死等をゼロにすることを目指し、平成32年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下、年次有給休暇取得率を70%以上、平成29年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする目標を早期に達成することを目指すこととしている。
→長時間労働の是正に対する政府目標が掲げられているということは、この目標の数字自体と実際の数字の両方を押さえておく必要があります。
(現行)
・週労働時間60時間以上の雇用者の割合 : 7.8%(6年連続の低下)
・年次有給休暇取得率 : 48.7%
・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合 : 59.7%
なお、例4に挙げた勤務間インターバルも、長時間労働の是正に関するためのものであり、重要用語ととらえておきましょう。
時間がなくて全部は確認できないという方は、step1だけで構いませんので押さえておきましょう。
step1だけで全体の半分位は網羅できますので、完璧にわからなくても、少なくとも5択から3択・2択に絞り込むことが可能となります。
やっかいなところですが、暗記だけが得意な人よりも、情勢がわかって厚生労働行政の各種問題に対処できる社労士を求めていることからすれば、白書・統計数値の問題は重要な位置づけです。
目をそらさず、最低限のところは押さえておくようにしてください。

2017年08月18日

総仕上げ3日間の中で、最終日の得点が一番良かったようです。
おそらく3日目となり、70問を解くのにも慣れてきたためではないかと思います。
ただ、3日間でいろいろな得点の方がいると思います。
もし、3日目の得点が一番振るわなかったのであれば、体力面や疲れが原因だと思われますから、本試験では十分な体力で臨むようにしましょう。
もし、2日目の得点が一番振るわなかったのであれば、改正対策が不十分であるかもしれません。改正に目を通しておきましょう。
逆に、2日目の得点が一番良かった方は、改正については十分、学習ができていると思われますので、改正に絡まない通常の問題を確実に取れるように、幅広い項目に目を通す必要があります。
3日間の得点を科目別にみて、得点がいずれも低い科目があるようでしたら、多少、重点的に見ておく必要があります。
ただし、総仕上げ3回に関しては、平均点にばらつきがありますので、単に科目別の得点状況だけをみるのではなく、平均点以上の得点が取れていたかどうかが、一つの目安になります。
たとえば、厚生年金でが1日目から3日目まで毎回6点だったとした場合、厚生年金の平均点は、1回目5.0点、2回目5.2点、3回目7.1点ですから、同じ6点でも、1、2回目は良いとしても、3回目が振るわなかったことになります。
全体では、平均点以上いっていたとしても、各科目で平均点を上回っているかどうかはみておきましょう。
ランク別で考えると、3回ともSランクの方、または2回Sランクで1回Aランクの方は、択一式の得点は申し分ないと思われますので、残された日数は選択式対策を施してください。
3回ともAランク以上の方は、相応の実力の持ち主で、合格ラインに達しています。択一式の中でも気になる科目や項目は択一式を意識しながらも、選択式対策に軸足を移してください。
3回ともBランク以上の方は、今1歩のところです。残された日数をどう過ごすかで、結果が違ってくる可能性があります。手が届くところにきていますので、苦手科目を中心に択一式対策を最後まで貫いていきましょう。
A、B、Cランクをまたいでいるような方は、浮き沈みが激しい原因を探っておきましょう。先ほど書きました改正対応が施されているか否かや、長文に弱い、あるいは体力、または気分によって変わってくるなど、Aランクにいけるために何が不足しているのか、何が原因なのかを知って、対処することをおすすめします。
Cランク、Dランクが多かった方は、本試験当日まで択一式対策一本で臨んでください。択一式を上げなければ、社労士試験の土俵に上ることはできません。そのために何をすべきかというと、手っ取り早いのが、「数字」を押さえることです。最後まで諦めてはいけません。このランクであった人でも、確率は低いものの、合格している人が過去にはいます。
ぜひ、総仕上げ講座の得点と正答率、平均点をうまく活用して、最後の追い込み学習に役立てていってください。
fight!です。

総仕上げ講座の1日目の正答率をお知らせいたします。

1日目の合格ラインを設定するとすれば、正答率をみる限り、45点というところでしょうか。
なお、正答率が高かった問題(やさしい問題)を水色で、
正答率が低かった問題(難しい問題)を黄色で着色しています。
また、Sランクは上位2割、Aランクは上から2割~4割、Bランクは上から4割~6割、Cランクは上から6割~8割、Dランクは上から8割~10割です。
参考にしていただき、復習にお役立てください。
2日目、3日目の正答率も準備が整い次第、アップします。
よろしくお願いします。

2017年08月15日
なお、第3次ランチタイム・スタディは、今回が最終回となります。
(補正しきれない健保ABの問題はカットしています。)
「第3次ランチタイム・スタディ」の主旨については、7月10日の佐藤塾ブログの『第3次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。
さて、最終回となる24問目は、労働一般常識です。
正答率70&36&25%の問題です。
※選択式労一C=70%、D=36%、E=25%(C及びDは正答率がEより高いものの同じカテゴリーですので、Eの正答率に合わせここで掲載しています。)
※前回の正答率59%から一気に落ちています。正答率36%と25%が同じ科目にきていますので、1科目の難易度としてはかなり難しいと言えます。
<問題( 選択式 労一 CDE )>
労働時間の実態を知る上で有効な統計調査は、事業所を対象として行われている C である。この調査は、統計法に基づいて行われる D であり、調査対象となった事業所に対して報告の義務を課しており、報告の拒否や虚偽報告について罰則が設けられている。
C は、労働時間の他に、常用労働者数、パートタイム労働者数、現金給与額、 E についても調べている。
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step1 次の選択肢の中から答を選んでください。
Cの選択肢
⑬ 就労条件総合調査
⑮ 賃金労働時間等制度総合調査
⑱ 毎月勤労統計調査
⑳ 労働力調査
Dの選択肢
⑨ 一般統計調査
⑩ 基幹統計調査
⑫ 悉皆統計調査
⑰ 標本統計調査
Eの選択肢
⑪ 裁量労働対象者数
⑭ 出勤日数
⑯ 年俸制対象者数
⑲ 有給休暇日数
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step2 正解は・・・
C → ⑱ 毎月勤労統計調査 (厚生労働省「毎月勤労統計調査」)
D → ⑩ 基幹統計調査 (厚生労働省「毎月勤労統計調査」)
E → ⑭ 出勤日数 (厚生労働省「毎月勤労統計調査」)
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step3 コメント
・平成26年の労働一般常識の選択式C、D及びEは、毎月勤労統計調査からの出題でしたが、統計調査そのものを問う異色の出題といえます。Cの「毎月勤労統計調査」は、厚生労働省所管の調査であることや常用労働者数やパートタイム労働者数を調査対象としていること等をヒントにをなんとか得点したいところです。
・平成26年の労働一般常識の選択式は、2点救済となりましたので、3問失点できたわけですが、他の問題も合わせて再度、確認しておきましょう。
「平成26年の労働一般常識の選択式A」の問題(正答率88%)はこちら
「平成26年の労働一般常識の選択式B」の問題(正答率75%)はこちら
本日で第3次ランチタイム・スタディ は終了です。
ご覧いただき、ありがとうございます。
明日からは、本試験へ向けての心構え・本試験当日の留意点等をお伝えしていきます。