2017年06月

2017年06月30日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第89問です。

「第2次ランチタイム・スタディ」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『第2次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、89問目は、択一式の労働一般常識です。

正答率20%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※5人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 労一 問5 )>

〔問〕 我が国の企業における人材マネジメントの変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」によれば、1990年から2010年までの我が国の就業者の職業構造の変化をみると、生産工程・労務作業者が就業者に占める割合は大きく低下している一方で、管理的職業従事者、専門的・技術的職業従事者やサービス職業従事者ではその割合が上昇している。

B 「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」によれば、人材マネジメントの基本的な考え方として、「仕事」をきちんと決めておいてそれに「人」を当てはめるという「ジョブ型」雇用と、「人」を中心にして管理が行われ、「人」と「仕事」の結びつきはできるだけ自由に変えられるようにしておく「メンバーシップ型」雇用があり、「メンバーシップ型」が我が国の正規雇用労働者の特徴であるとする議論がある。

C 「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」によれば、企業の正規雇用労働者の管理職の育成・登用方針についてみると、内部育成・昇進を重視する企業が多数派になっており、この割合を企業規模別にみても、同様の傾向がみられる。

D 「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」によると、我が国の企業は、正規雇用労働者について、新規学卒者を採用し、内部育成・昇進させる内部労働市場型の人材マネジメントを重視する企業が多数であり、「平成24年就業構造基本調査(総務省)」を用いて、60歳未満の正規雇用労働者(役員を含む)に占める転職経験がない者の割合をみると6割近くになっている。

E 「平成26年版労働経済白書(厚生労働省)」によると、グローバル化によって激しい国際競争にさらされている業種が、外国からの安価な輸入財に価格面で対抗しようとして、人件費抑制の観点からパートタイム労働者比率を高めていることが確認された。




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step1 正解は・・・



E


   

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step2 解説

A 〇  (平成26年版労働経済白書) 本肢のとおりである。なお、ITによって代替、ないしは需要が減少する労働分野もある一方で、機械が代替できないような研究・開発といった知識労働や、状況に応じた対応が求められる販売・営業、さらに機械では代替できない肉体労働分野等では労働需要が高まることが考えられる。

B 〇  (平成26年版労働経済白書) 本肢のとおりである。日本は「メンバーシップ型雇用」であるために、配置転換でさまざまな職務を経験(ジョブローテーション)することになり、このジョブローテーションがある限り、職務で賃金を決めるのは困難となるため、日本の賃金体系は、勤続年数や能力(経験)といった年功給の要素が強くなっている。

C 〇  (平成26年版労働経済白書) 本肢のとおりである。企業の正規雇用労働者の管理職の育成・登用方針についてみると、内部育成・昇進を重視する企業が約7割であるのに対し、経験人材の外部調達を重視する企業は1割以下となっている。

D 〇  (平成26年版労働経済白書) 本肢のとおりである。転職経験が無い者は、60歳未満の正規雇用労働者(役員を含む)3,280万人のうち、57%を占める1,870万人となっている。

E ☓  (平成26年版労働経済白書) 製造業種など輸入浸透率が高い業種、すなわち貿易を通じて国際競争に厳しくさらされる企業が、必ずしもパートタイム労働者比率を高めて対応しているわけではない。グローバル化の影響は、価格競争を通じた人件費削減の観点や、固定的なものから変動的な雇用へと需要が移る可能性が指摘されるが、これまでのところ、貿易を通じた海外競争が激しい業種が必ずしもパートタイム労働者比率を高めているわけではないことが確認された。


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step3 コメント


・択一式の労働一般常識の問5は、平成26年版労働経済白書からの出題でした。解答もA~Eにまんべんなく分かれており、正解できた人でも、確信があって解答できた人はほとんどいなかったのではないでしょうか。

・Bに挙げられている「ジョブ型雇用」と、「メンバーシップ型雇用」については、明確に押さえておきましょう。日本は、メンバーシップ型雇用であるために、次のような5つの特徴が生じています。
①一括採用でスキルゼロの新卒を一から教育【新卒一括採用
②配置転換でさまざまな職務を経験【ジョブローテーション
③ジョブローテーションがある限り、職務で賃金を決めるのは困難、勤続年数や能力(経験)の年功給に【職能資格制度
④自分の仕事と他人の仕事が区別されないため、長時間労働に陥りやすい【長時間労働
⑤解雇は地位の剥奪なので簡単にできない【解雇制限



来週もがんばりましょう。
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2017年06月29日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第88問です。

「第2次ランチタイム・スタディ」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『第2次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、88問目は、択一式の雇用保険法です。

正答率20%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※5人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 雇用 問5 )>

〔問〕 高年齢雇用継続給付に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者は含めないものとする。

A 60歳に達したことを理由に離職した者が、関連会社への出向により1日の空白もなく被保険者資格を取得した場合、他の要件を満たす限り、高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となる。

B 初めて高年齢再就職給付金の支給を受けようとするときは、やむを得ない理由がある場合を除いて、再就職後の支給対象月の初日から起算して4か月以内に事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書を提出しなければならない。

C 高年齢雇用継続給付を受けていた者が、暦月の途中で、離職により被保険者資格を喪失し、1日以上の被保険者期間の空白が生じた場合、その月は高年齢雇用継続給付の支給対象とならない。

D 受給資格者が当該受給資格に基づく基本手当を受けたことがなくても、傷病手当を受けたことがあれば、高年齢再就職給付金を受給することができる。

E 高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、賃金額が雇用保険法第61条第1項に規定するみなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61に相当する額未満であるとき、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えない限り、100分の15となる。





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step1 正解は・・・



B


   

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step2 解説

A 〇  (法61条1項) 本肢の場合は、60歳に達したことを理由に離職した後、1日の空白もなく被保険者資格を取得したため、基本手当の支給を受けていない。したがって、高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となる。

B ☓  (法61条の2、則101条の7第1項・2項) 「やむを得ない理由がある場合を除いて」という規定はないため、本肢は誤りとなる。平成27年4月1日より、支給申請期間について『やむを得ない理由があるときは、この限りではない』という文言は削除された。また、平成28年2月施行の改正により、本肢の申請書は、原則として、「事業主を経由して」提出することとされた。

C 〇  (法61条2項) 本肢のとおりである。高年齢雇用継続給付の支給対象月は、「その月の初日から末日まで引き続いて被保険者であること」が必要とされる。

D 〇  (法61条の2第1項、法37条6項) 本肢のとおりである。傷病手当が支給されたときは、当該傷病手当が支給された日数に相当する日数分の基本手当が支給されたものとみなされるため、高年齢再就職給付金の支給対象となる。

E 〇  (法61条5項) 本肢のとおりである。一支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61に相当する額未満であるときの高年齢雇用継続基本給付金の額は、「支給対象月に(実際に)支払われた賃金の額×100分の15」となる。


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step3 コメント

・択一式の雇用保険法の問5は、高年齢雇用継続給付に関する問題でしたが、Eを除く各選択肢の難易度が高く、解答はB~Eに割れていました。正解肢であるBは、規定に無い項目が加わっていたため誤りとなる訳ですが、少々酷な問題といえます。学習がはかどっている方にとっても、明確に確信を持った解答を導くことは難しかったと思われます。



明日もがんばりましょう。
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2017年06月28日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第87問です。

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さて、87問目は、択一式の健康保険法です。

正答率21%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※約5人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 健保 問3 )>

〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 給与規程が7月10日に改定され、その日以降の賞与の支給回数が年間を通じて4回から3回に変更された適用事業所における被保険者については、翌年の標準報酬月額の定時決定による標準報酬月額が適用されるまでの間において支給された賞与については、標準賞与額の決定は行われない。なお、当該事業所の全ての被保険者について標準報酬月額の随時改定は行われないものとする。

B 被保険者が病床数200床以上の病院で、他の病院や診療所の文書による紹介なしに初診を受け、保険外併用療養費の選定療養として特別の費用を徴収する場合、当該病院は同時に2以上の傷病について初診を行ったときはそれぞれの傷病について特別の料金を徴収することができる。

C 健康保険組合が保険料の納付義務者に対して所定の事項を記載した納入告知書で納入の告知をした後、健康保険法第172条の規定により納期日前に保険料のすべてを徴収しようとする場合、当該納期日の変更については、口頭で告知することができる。

D 被保険者が刑事施設に拘禁されたときは、原則として、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付は行われない。また、前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合については、原則として、その翌月以後、拘禁されなくなった月までの期間、保険料は徴収されない。

E 同一の月に同一の保険医療機関において内科及び歯科をそれぞれ通院で受診したとき、高額療養費の算定上、1つの病院で受けた療養とみなされる。



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step1 正解は・・・



A


   

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step2 解説

A 〇  (法45条1項、法3条5項・6項、平15.2.25保発0225004号・庁保発21号) 本肢のとおりである。賞与の支給が7月1日前の1年間を通じ4回以上行われているときは、当該賞与は「報酬」に該当する。したがって、賞与の支給回数が、当該年の7月2日以降新たに年間を通じて4回未満に変更された場合においても、翌年の標準報酬月額の定時決定による標準報酬月額が適用されるまでの間において支給された賞与については報酬として扱われるため、標準賞与額の決定は行われない。

B ☓  (法86条1項、平26.11.21厚労告422号、平26.11.25保医発1125第9号) 選定療養費(選定療養に係る特別の費用)については、同時に2以上の傷病について初診を行った場合においても、1回しか徴収できない。したがって、それぞれの傷病について特別の料金を徴収することはできない。

C ☓  (法172条、則137条2項) 納入の告知をした後、保険料の繰上徴収の規定により納期日前に徴収しようとするときは、健康保険組合は、納期日の変更を納付義務者に「書面」で告知しなければならない。

D ☓  (法158条、法118条) 前月から引き続き一般の被保険者である者が刑事施設に拘禁された場合には、「その月」以後、拘禁されなくなった月の「前月」までの間、保険料は徴収されない。なお、被保険者がその資格を取得した月に刑事施設に拘禁された場合は、その翌月以後、拘禁されなくなった月の前月まで、保険料は徴収されない。

E ☓  (法115条、令43条9項、昭48.10.17保険発95号・庁保険発18号) 同一の保険医療機関であっても、歯科診療及び歯科診療以外の診療は「それぞれ別個の保険医療機関」とみなす。


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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問3は、Eを除く各選択肢の難易度が高く、解答がA、B、Dに割れていました。学習がはかどっている方にとっても、明確に確信を持った解答を導くことは難しかったと思われます。



明日もがんばりましょう。
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2017年06月27日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第86問です。

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さて、86問目は、択一式の労働基準法です。

正答率22%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※約5人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 労基 問4 )>

〔問〕 労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる賃金直接払の原則は例外のない原則であり、行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することも、同条違反となる。

B 過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。

C 退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反し無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。

D 労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確である場合の退職手当は、労働基準法第11条に定める賃金であり、同法第24条第2項の「臨時に支払われる賃金」に当たる。

E 労働基準法第24条第2項に定める一定期日払の原則は、期日が特定され、周期的に到来することを求めるものであるため、期日を「15日」等と暦日で指定する必要があり、例えば「月の末日」とすることは許されない。



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step1 正解は・・・



D


   

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step2 解説

A ☓  (法24条1項、昭25.8.4基収1995号) 賃金が民事執行法や国税徴収法などの法律に基づき差し押えられ、差押債権者が取立権限を取得した場合には、差押債権者に支払ってもよいとされている。

B ☓  (法24条1項、昭44.12.18最高裁第一小法廷福島県教組事件) 本肢は「その金額が少額である限り」としている点が、誤りである。金額が少額であるだけでなく、控除の時期、方法等からみても労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないことが必要とされる。

C ☓  (法24条1項、昭48.1.19最高裁第二小法廷判決シンガー・ソーイング・メシーン事件) 退職金債権放棄の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは、「有効である」。

D 〇  (法11条、昭22.9.13発基17号) 本肢のとおりである。なお、「臨時に支払われる賃金」とは、臨時的、突発的事由に基づいて支払われるもの及び支給条件はあらかじめ確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、かつ、非常に稀に発生するものをいう。

E ☓  (法24条2項) 「一定の期日」とは、その日が特定される方法が用いられればよい。したがって、例えば月給の場合、必ずしも「15日」等と暦日で指定しなくても「月の末日」とすることは認められる。

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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問4は、労働基準法に定める賃金等に関する問題です。B及びCは判例からの出題ということもあり、Eを除く各選択肢の難易度が高く、多くの方がBを解答していました。Bは、条件となる項目が抜け落ちているために誤りとなる訳ですが、正しいと思ってしまうことに無理はなく、少々酷な問題といえます。



明日もがんばりましょう。
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2017年06月26日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第85問です。

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さて、85問目は、択一式の国民年金法です。

正答率25%の問題で難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
※正答率が25%、すなわち4人に1人しか正解しなかった問題です。


<問題( 択一式 国年 問10 )>

〔問〕 国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況が以下のとおりである者(昭和25年4月2日生まれ)が、65歳から老齢基礎年金を受給する場合の年金額(平成28年度価額)の計算式として、正しいものはどれか。

【国民年金の被保険者期間に係る保険料納付状況】
・昭和45年4月~平成12年3月(360月)…保険料納付済期間
・平成12年4月~平成22年3月(120月)…保険料全額免除期間
(追納していない)

A 780,100円×(360月+120月×1/2)÷480月
B 780,100円×(360月+120月×1/3)÷480月
C 780,100円×(360月+108月×1/2+12月×1/3)÷480月
D 780,100円×(360月+108月×1/3+12月×2/3)÷480月
E 780,100円×(360月+108月×1/3+12月×1/2)÷480月




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step1 正解は・・・



E


   

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step2 解説

(法27条、平16法附則6条、9条、10条) 基礎年金国庫負担割合の引上げに伴い、保険料全額免除期間においてはそれまでの3分の1であった評価が、平成21年4月からは2分の1とされることとなった。したがって、本問の場合、平成12年4月から平成21年3月までの108月については3分の1を乗じ、平成21年4月から平成22年3月までの12月については、2分の1を乗じて得た月数で計算されることとなる。したがって、Eの式が正しい。


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step3 コメント

・択一式の国民年金法の問10は、「65歳から老齢基礎年金を受給する場合の年金額(平成28年度価額)の計算式」を問う問題でした。「保険料全額免除期間は3分の1であった評価が、平成21年4月から2分の1とされた」ことがわかっていれば、正解できた問題ですが、評価の切り替えが頭に無い場合は、Aを選んでしまうことになり、事実、半数以上の方がAと解答しています。
このような事例問題で計算式が列挙された場合、仮にAが正解だと思ったとしても、他の選択肢を検証してみてください。「C~Eで108月と12月に分かれているのはどうしてか?何か意味があるのでは?」と考えてみてください。そうすることで、「3分の1→2分の1」の時期があいまいでも、「以前は3分の1、今は2分の1」ということは理解できているはずですから、「あっ!もしかしたら・・・そういう意味か!」と、正解にたどりつくチャンス(ヒント)が生まれます。



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