2017年05月26日
インプットが終了し、直前期に入る段階での課題は、次の3点です。
① 積み残し科目をやりきる
② 忘却している箇所をよみがえらせる
③ 苦手科目の克服
まず、①の「積み残し科目をやりきる」ですが、インプットの学習でまだ手を付けていない科目があったり、中途半端に終わってしまっている科目があれば、まずはやりきってしまいましょう。
とりあえず、全科目のインプット学習を終えることが肝心です。
そして、すべての科目をとりあえず終了した人は、②の「忘却している箇所をよみがえらせる」ことに着手してください。
ただし、もう1回、1からテキストを読み直したり、過去問を最初からやり始めるのは、かなりの時間がかかります。
いったんインプット学習が終わっている状態なわけですから、その記憶をよみがえらせることをすればよいわけです。
その際には、問題演習を活用しましょう。
特に、模試や答練などのような「実施日」が決まっているものに対して、良い得点(納得できる得点)を取るという目的を伴ってやると、限られた日数でやらないとならないことになりますから、集中力が増します。
直前期は、じっくり知識を押さえていくというよりは、多少、時間に追われて取り組んでいくことに意味があります。
要は、アウトプットに立ち向かっていくという気構えです。
インプット学習は、「復習」が大事ですが、アウトプット学習は、事前の取り組み(=予習)が大事になります。
「模試だと一気に全科目になるからきつい!」という方は、答練だと1科目ずつ押さえていくことができます。
その分、学習スケジュールも立てやすくなります。
そして、3点目に「③苦手科目の克服」です。
苦手科目は、人それぞれですが、択一式の得点状況が思わしくない方の半数は、「年金」だと思われます。
苦手なことは自分自身でよくわかっているので、「よーし、徹底的にやるぞ!」と、意気込んで計画を立てますが、大半の方がその半分もできずに終わってしまいます。
苦手ということは、よくわからない箇所が多く、それだけにやる気も起きなくて、途中で投げ出してしまいたくなるからです。
苦手科目の学習には鉄則があります。
苦手な科目の復習は、頭からやらない
食事を例にたとえると、「おいしいもの」「栄養価の高いもの」から食べるようにします。
・おいしいもの=とりあえず、投げ出さずできそうな箇所
・栄養価の高いもの=試験に出題されやすい重要箇所
となります。
たとえば、年金を例にとると、年金の核となる「年金給付」を押さえてしまいましょう。
次の図の黄色で塗られた部分です。
全部をやろうとせずに、まずは黄色で塗られた部分だけやります。
やる順番としては、「国年」→「厚年」ではなく、
①「老齢基礎」→「老齢厚生」
②「障害基礎」→「障害厚生」
③「遺族基礎」→「遺族厚生」
④「1号独自給付」
国年と厚年の重なる部分をくくってしまうように復習をしてください。
計算式でいうと、
・A×B+A×C=A(B+C)
のようなものです。
・老齢基礎+老齢厚生=老齢(基礎+厚生)
として、老齢というくくりで国年・厚年を学習していってください。
この黄色の部分で着色された「年金給付」をやり終えると、力が付きますし、自信にもなって、その次の部分も比較的ラクにやれるようになります。
(嫌々ながらではなく。)
そして、第2弾が「被保険者」「保険料」「届出」です。
勢いよくやりきってしまいましょう。
これも国年・厚年を横断的にやるべきです。
(ちなみに、早苗講師の年金法対策講座は、この黄色と水色で塗られた部分を中心に取り上げます。)
ここまでやりきると、残りはあと少しです。
仮にこれ以上やりきれなくて、ここでとん挫してしまっても、「おいしいところ」と「栄養価の高いところ」は終了していますので、本試験でもなんとかなります。
「フーフー」言いながら1からやっても、途中で挫折してしまう可能性が高いことを考えると、この3弾に分けたやり方は効率的ですし、ひとつの箇所を乗り越えると達成感が生じ、自信につながるはずです。
参考にしてみてください。