2017年04月20日

「第2次ランチタイム・スタディ」の第41問です。

「第2次ランチタイム・スタディ」の主旨については、2月21日の佐藤塾ブログの『第2次「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。


さて、41問目は、択一式の労働基準法です。

正答率66%の問題です。


<問題( 択一式 労基 問5 )>

〔問〕 労働基準法第26条に定める休業手当に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、当該労働者の労働条件は次のとおりとする。

・所定労働日:毎週月曜日から金曜日
・所定休日:毎週土曜日及び日曜日
・所定労働時間:1日8時間
・賃金:日給15,000円
・計算された平均賃金:10,000円

A 使用者の責に帰すべき事由によって、水曜日から次の週の火曜日まで1週間休業させた場合、使用者は、7日分の休業手当を支払わなければならない。

B 使用者の責に帰すべき事由により労働時間が4時間に短縮されたが、その日の賃金として7,500円の支払がなされると、この場合にあっては、使用者は、その賃金の支払に加えて休業手当を支払わなくても違法とならない。

C 就業規則の定めに則り、日曜日の休日を事業の都合によってあらかじめ振り替えて水曜日を休日とした場合、当該水曜日に休ませても使用者に休業手当を支払う義務は生じない。

D 休業手当の支払義務の対象となる「休業」とは、労働者が労働契約に従って労働の用意をなし、しかも労働の意思をもっているにもかかわらず、その給付の実現が拒否され、又は不可能となった場合をいうから、この「休業」には、事業の全部又は一部が停止される場合にととまらず、使用者が特定の労働者に対して、その意思に反して、就業を拒否する場合も含まれる。

E 休電による休業については、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しない。


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step1 正解は・・・



A

   

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step2 解説

A ☓ (法26条、昭24.3.22基収4077号) 休業手当は賃金債権が生ずべき日について使用者責任を問うものであるから、労働協約等により休日と定められている日(つまり、労働義務のない日)については、休業手当を支払う義務は生じない。したがって、設問の場合、所定休日である土曜日及び日曜日については、休業手当を支払う必要はないため、休業手当は5日分で足りる。

B 〇 (法26条、昭27.8.7基収3445号) 本肢のとおりである。その日の実際に支給された賃金額(7,500円)が平均賃金(10,000円)の100分の60に達しているため休業手当を追加で支給しなくても違法とはならない。なお、1労働日の一部を休業した場合に、労働した時間の割合で既に賃金が支払われていても、その日につき、実際に支給された賃金の額が平均賃金の100分の60に達しない場合には、その差額を支給しなければ法違反となる。

C 〇 (法26条、昭24.3.22基収4077号) 本肢のとおりである。就業規則の規定に基づく休日の振替を行った場合の休日については、休業手当の支払いは不要である。

D 〇 (法26条) 本肢のとおりである。使用者が特定の労働者に対して、その意思に反して就業を拒否した場合には休業手当の支払いが必要である。

E 〇 (法26条、昭26.10.11基発第696号) 本肢のとおりである。休電による休業については、原則として法26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないため、休業手当を支払わなくとも法26条違反とはならない。なお、「使用者の責に帰すべき事由」とは、使用者の故意、過失又は信義則上によって判断されるべきもので、不可抗力による場合は含まれない。




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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問5は、休業手当に関する実務的な問題でした。正解肢のAは、休業手当の支払いが所定休日の日も該当するか否かが論点でしたが、比較的よくできていました。実務に絡む問題は、定番となりつつありますので、避けずにじっくり対処したいものです。



今日は練習問題はありません。

明日もがんばりましょう。
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