2017年01月24日

「ランチタイム・スタディ」の第73問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。


さて、73問目は、択一式の健康保険法です。

正答率39%の問題で、難問です。

※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。



<問題(択一式 健保 問4)>


〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 被保険者の被扶養者が第三者の行為により死亡し、被保険者が家族埋葬料の給付を受けるときは、保険者は、当該家族埋葬料の価額の限度において当該被保険者が当該第三者に対して有する損害賠償請求権を代位取得し、第三者に対して求償できる。

B 被保険者である適用事業所の代表取締役は、産前産後休業期間中も育児休業期間中も保険料免除の対象から除外されている。

C 保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。ただし、その月に当該被保険者が受けた賞与によりその年度における標準賞与額の累計額が540万円(健康保険法第40条第2項の規定による標準報酬月額の等級区分の改定が行われたときは、政令で定める額。)を超えることとなる場合には、当該累計額が540万円となるようその月の標準賞与額を決定し、その年度においてその月の翌月以降に受ける賞与の標準賞与額は零とする。

D 保険医個人が開設する診療所は、病床の有無に関わらず、保険医療機関の指定を受けた日から、その指定の効力を失う日前6か月から同日前3か月までの間に、別段の申出がないときは、保険医療機関の指定の申出があったものとみなされる。

E 健康保険法第150条第1項では、保険者は、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導を行うように努めなければならないと規定されている。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・



A


   

-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説


A 〇 (法57条1項)本肢のとおりである。保険者は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度において、保険給付を受ける権利を有する者(当該給付事由が被保険者の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

B ☓ (法159条、法159条の3ほか)被保険者である適用事業所の代表取締役は、育児休業期間中の保険料免除の対象とならないが、産前産後休業期間中の保険料免除の「対象となる」。健康保険法において、保険料免除の対象となる育児休業とは、「育児介護休業法に基づく育児休業」のことであり、労働基準法における労働者をその対象としている。したがって、代表取締役は労働基準法における労働者には該当しないので、被保険者である代表取締役が育児休業を取得しても保険料免除の対象とはならない。一方、保険料免除の対象となる産前産後休業とは、「出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては98日)から出産の日後56日までの間において、妊娠または出産を理由として労務に服さないこと」であるため、代表取締役であっても、産前産後休業を取得したときは、保険料免除の対象となる。

C ☓ (法45条1項)前段部分は正しいが、健康保険法における年度の累計標準賞与額の上限は「573万円」である。平成28年4月から、累計標準賞与額の上限が540万円から573万円に引き上げられた。なお、賞与額の累計は、保険者を単位として行われる。

D ☓ (法68条2項、昭5.10.13保発52号)診療所のうち、病床を有する診療所については、本肢の自動更新の規定は適用されない。本肢は「病床の有無に関わらず」としているため、誤りとなる。

E ☓ (法150条1項)健康保険法第150条第1項は、保険者は、高齢者医療確保法の規定による特定健康診査及び特定保健指導を「行うものとする」と規定している。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・択一式の健康保険法問4は、Cが改正からの出題ですぐに誤りと気が付いた方が多かったようですが、正解肢A以外のB、D及びEの問題が難解であり、解答が割れる結果になりました。Aが正しいと自信があれば正解できたものの、あやふやな場合には、C以外で迷うこととなり、その結果、正答率が下がったものと思われます。



今日は練習問題はありません。

明日もがんばりましょう。

☞ 次の【ランチタイム・スタディ 74 】をご覧になりたい方はこちら




コメントする

名前
 
  絵文字