2016年10月12日

「平成27年版働く女性の実情」が9月20日に公表されています。

今回は、その内容をご紹介いたします。

タイトルは、
「男女雇用機会均等法成立後30年で、M字型カーブの底の労働力率は20.6ポイント上昇」
です。


このタイトルだけでも、試験対策として、既に2つのことが読み取れます。
男女雇用機会均等法は、30年前に成立している(昭和60年制定、61年施行
・M字型カーブの底の労働力率は、この30年で20%上昇した


また、今回、気になる動きがありました。
まずは、次の文章をお読みください。

[本文1]
平成27 年の女性の労働力率を年齢階級別にみると、「25~29歳」(80.3%)と「45~49歳」(77.5%)を左右のピークとし、「30~34歳」を底とするM字型カーブを描いている。

M字型カーブ 平成27年版働く女性の実情


[本文1]のポイント>
・M字型の左のピーク = 「25~29歳」80.3%
                → 比較可能な昭和43 年以降初めて8割を超え
                  すべての年齢階級との比較において
                  過去最高の水準(要注意!)
・M字型の底 = 「30~34歳」(71.2%)
           → 平成20年から26 年は、「35~39歳」であったが、
             平成27年は「30~34歳」となった(要注意!)
・M字型の右のピーク = 「45~49歳」(77.5%)


<「M字型カーブの底」の推移>
・M字型の底は、昭和54年に「25~29歳」から「30~34歳」に移動して以来、「30~34歳」となっていたが、平成20年に初めて「35~39歳」となった。そして、今回、平成27年は再び「30~34歳」となった。

M字型カーブ図解 (完成)



続いて、次の文章にも目を通しておきましょう。

[本文2]
10 年前と比べ多くの年齢階級で労働力率は上昇しているが、上昇幅が最も大きいのは「60~64歳」であった(平成17 年から10.5 ポイント上昇)。

[本文3]
〇女性の配偶関係別労働力率~「30~34歳」の有配偶者、「50~54歳」の未婚者の労働力率上昇幅大

配偶関係別に平成27 年の女性の労働力率をみると、未婚者は63.3%、有配偶者は51.4%、死別・離別者は29.6%となっている。

年齢階級別にみた配偶関係別労働力率を10 年前(平成17 年)と比べると、未婚者は「50~54歳」が13.8 ポイント上昇と上昇幅が大きくなっている。有配偶者は「30~34歳」が12.3 ポイントの上昇と上昇幅が大きい。


<[本文2][本文3]のポイント>
10 年前と比べ労働力率の上昇幅が最も大きいのは、次のように分かれる。
 全体としては、「60~64歳」(10.5 ポイント上昇)
 未婚者は、「50~54歳」(13.8 ポイント上昇)
 有配偶者は、「30~34歳」(12.3 ポイントの上昇)

②配偶関係別に平成27 年の女性の労働力率をみると、
 未婚者は約60%、有配偶者は約50%、死別・離別者は約30%である。

※①も②も「6・5・3」と押さえましょう。


[本文4]
〇女性の産業別雇用者数
昭和60年は「サービス業」(464万人、女性雇用者総数に占める割合30.0%)が最多、平成27年は「医療,福祉」(578万人、同23.4%)が最多。


[本文5]
〇男女間賃金格差 ~所定内給与額の男女間格差は縮小傾向

一般労働者(※)の所定内給与額の男女間格差(男性=100.0 とした場合の女性の所定内給与額)は、昭和60 年は59.6 であったが、平成27 年は72.2 となっており、格差は縮小傾向が続いている。

※ 常用労働者のうち短時間労働者以外の者



過去問及び練習問題は、次回以降に掲載します。

☞ 続いて、「平成27年版働く女性の実情 2:過去問」 をご覧になりたい方はこちら
☞ 続いて、「平成27年版働く女性の実情 3:練習問題」 をご覧になりたい方はこちら




2016年10月11日

「ランチタイム・スタディ」の第6問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

さて、6問目には、択一式の労基が再び、登場です。

正答率87%の問題です。




<問題(択一式労基問3)>


〔問〕労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 使用者は労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。

B 労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合でも、使用者は当該賃金債権の譲受人に対してではなぐ直接労働者に対し賃金を支払わなければならないとするのが、最高裁判所の判例である。

C 1か月における時間外労働の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる事務処理方法は労働基準法第24条及び第37条違反としては取り扱わないこととされている。

D 使用者は、労働者が出産、疾病、災害等非常の場合の費用に充てるために請求する場合には、いまだ労務の提供のない期間も含めて支払期日前に賃金を支払わなければならない。

E 労働基準法第27条に定める出来高払制の保障給は、労働時間に応じた一定額のものでなければならず、労働者の実労働時間の長短と関係なく1か月について一定額を保障するものは、本条の保障給ではない。



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step1 正解は・・・





   

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step2 解説


A 〇 (法24条1項、則7条の2、昭63.1.1基発1号)本肢のとおりである。なお、口座振込み等がなされた賃金については、所定の賃金支払日の午前10時頃までには払い出しが可能となっているよう使用者に指導することとされている(平13.2.2基発54号)。

B 〇 (法24条1項、昭43.3.12最判小倉電話局事件)本肢のとおりである。労働者は民法の原則に従い、自己の賃金債権を第三者に譲渡することができるが、賃金債権が譲渡された場合であっても、譲受人への支払は法24条違反となるので、使用者は譲渡人たる労働者に対して支払わなければならない。

C 〇 (法24条1項、昭63.3.14基発150号)本肢のとおりである。本肢の事務処理方法については、賃金支払の便宜上の取扱いと認められるため、法24条及び法37条違反としては取り扱われない。

D ☓ (法25条)法25条(非常時払)は、「既往の労働」に対する賃金の支払を使用者に義務付けるものであり、いまだ労務の提供のない期間に対する賃金(前払の賃金)については、使用者に支払義務はない。

E 〇 (法27条、昭22.9.13発基17号)法27条は、労働者が労働した時間に応じ、一定額の賃金の保障を使用者に義務付けることを定めた規定である。保障給は、労働時間に応じた一定額のものである必要があり、一般的には、1時間当たりの保障給が明示され、実際に就労した時間数を乗じた賃金が支払われることになる。したがって、実際の労働時間の長短と関係なく1か月について一定額を保障するものは固定給であり、法27条の保障給には当たらない。



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step3 コメント

・法24条の「賃金支払の5原則」を中心とした基本問題です。誤っていた人の多くは、Cを選んでいましたが、このような事務処理方法については、賃金支払の便宜上の取扱いとして認められています。



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step4 プラスα(一読しておこう)

法24条(賃金支払の5原則)
① 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

② 賃金は、毎月1回以上一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。



法25条(非常時払)
使用者は、労働者が出産疾病災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。



法27条(出来高払制の保障給)
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。




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step5 練習問題(チャレンジしてみよう!)

法24条(賃金支払の5原則)
① 賃金は、通貨で、 A 労働者に、その B を支払わなければならない。ただし、法令若しくは C に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

② 賃金は、毎月 D 以上、一定の E を定めて支払わなければならない。ただし、 F に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。



法25条(非常時払)
使用者は、労働者が G 、疾病、災害その他厚生労働省令で定める H の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、 I の労働に対する賃金を支払わなければならない。



法27条(出来高払制の保障給)
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、 J に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。





step6 選択肢はありません。答を紙に書いてみてください。
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step7 正解は・・・



A:直接
B:全額
C:労働協約
D:1回
E:期日


F:臨時

G:出産
H:非常
I:既往
J:労働時間



明日もがんばりましょう。

☞ 次の【ランチタイム・スタディ 7 】をご覧になりたい方はこちら



2016年10月08日


平成28年版厚生労働白書が発売されました。

今回のテーマは、「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」です。

過去の厚生労働白書のテーマは次のとおりです。
平成27年版  人口減少社会を考える
平成26年版  健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~
平成25年版  若者の意識を探る
平成24年版  社会保障を考える
平成23年版  社会保障の検証と展望 
         ~国民皆保険・皆年金制度実現から半世紀~


やはり、このところ取り上げられている大きな問題は、「少子高齢化・人口減少」の問題です。


高齢化率(65歳以上人口の割合)は、ここ数年で次のように変化しています。

・5年前の国勢調査では、「23.0%
 ・「国勢調査(抽出速報集計)」結果(2016.6.29)では、「26.7%

他の国と比べても、抜きんでている数字であり、
4人に1人(以上)が高齢者」となっています。

高齢化 国別比較

                         出典元:「国勢調査(抽出速報集計)」結果(2016.6.29)

このグラフを見る限り、驚くべき実態が浮かび上がります。

日本の高齢化率は、1990年には世界第6位だったものの、その後、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアをごぼう抜きして現在、世界一となっただけでなく、その後の進展(グラフの傾斜)も他の諸国の追随を許さないほどの伸び率で高齢化が進んでいます。
(いわば、独走態勢(ぶっちぎり状態)に入ったかのような・・)

国がこの件にやっきになるのもうなずけます。
というのも、「少子高齢化・人口減少」が進むと、さまざまな問題が生じるからです。


<その1> 労働力が不足する

現在は、労働力人口は増加していますが、それは女性の労働力人口が増えているからであって、男性は減少しています。
少子高齢化で人口減少となれば、当然、労働力不足が懸念されることになります。

そのため、政府は、女性の社会進出(子育て支援策、ポジティブ・アクション等)、若年者の正規雇用化(ニート・フリーター対策、非正規対策等)、障害者雇用の促進(企業への法定雇用率の義務付け)、高齢者の雇用確保(勤務延長制度・再雇用制度、高年齢者雇用確保措置等)、外国人労働者の活用(高度外国人材の受入れ等)等、積極的にならざるを得ません。
(これらのことは、当然、試験の対象であり、狙われる箇所となります。)


<その2> 財政が破たんする

高齢者が多くなるということは、年金、医療、福祉(介護等)等の社会保障給付費がますます増大することを意味します。

国民皆保険・皆年金を維持していくうえでも喫緊の課題といえます。



これらのことを踏まえ、今回の平成28年版厚生労働白書は、どのようなことが書かれているのか、まだ、読んでいないのでわかりませんが、社会保険労務士を目指すみなさんとしては、知らないといけない知識となりますから、当然、試験で問われることになります。


現在、こういう政策に通じ、国がかかえる課題克服の実現に協力できる社労士が求められています。
昨今の情勢では、社労士本試験における白書の意味合いはますます深くなるといえそうです。