2020年12月10日
71問目は、択一式の社会保険一般常識です。
正答率39%&合否を分けた問題です。
※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%未満)」とで、17%以上差が開いた問題で、2020年本試験択一式70問中、全部で10問あります。
<問題( 択一式 社一 問6 )>
〔問〕 確定給付企業年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A 加入者である期間を計算する場合には、月によるものとし、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月までをこれに算入する。ただし、規約で別段の定めをした場合にあっては、この限りでない。
B 加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、事業主が拠出すべき掛金の全部を負担することができる。
C 年金給付の支給期間及び支払期月は、政令で定める基準に従い規約で定めるところによる。ただし、終身又は10年以上にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならない。
D 老齢給付金の受給権者が、障害給付金を支給されたときは、確定給付企業年金法第36条第1項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、老齢給付金の額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。
E 老齢給付金の受給権は、老齢給付金の受給権者が死亡したとき又は老齢給付金の支給期間が終了したときにのみ、消滅する。
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
A × (法28条1項) 加入者期間を計算する場合には、加入者の資格を取得した月から加入者の資格を喪失した月の「前月」までを算入する。
B × (法55条2項) 加入者は、政令で定める基準に従い規約で定めるところにより、事業主が拠出すべき掛金の「一部」を負担することができる。
C × (法33条) 年金給付の支給期間及び支払期月については、終身又は「5年以上」にわたり、毎年1回以上定期的に支給するものでなければならないとされている。
D 〇 (法39条) 本肢のとおりである。
E × (法40条) 老齢給付金の受給権は、本肢の場合のほか、「老齢給付金の全部を一時金として支給されたとき」についても、消滅する。
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step3 コメント
・択一式の社会保険一般常識の問6は、確定給付企業年金法に関する問題でした。正解肢であるDの難易度が高いと思われますが、AとCは基本事項であり、BとEはよく考えればわかるため、消去法で正解したいところです。
明日もがんばりましょう。
2020年12月09日
70問目は、択一式の国民年金法です。
正答率40%の問題で、難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
<問題( 択一式 国年 問8 )>
〔問〕 国民年金法に基づく厚生労働大臣の権限等に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
ア 被保険者から、預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による保険料の納付をその預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があった場合におけるその申出の受理及びその申出の承認の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、厚生労働大臣が自ら行うことはできない。
イ 被保険者の資格又は保険料に関する処分に関し、被保険者に対し、国民年金手帳、出産予定日に関する書類、被保険者若しくは被保険者の配偶者若しくは世帯主若しくはこれらの者であった者の資産若しくは収入の状況に関する書類その他の物件の提出を命じ、又は職員をして被保険者に質問させることができる権限に係る事務は、日本年金機構に委任されているが、厚生労働大臣が自ら行うこともできる。
ウ 受給権者に対して、その者の身分関係、障害の状態その他受給権の消滅、年金額の改定若しくは支給の停止に係る事項に関する書類その他の物件を提出すべきことを命じ、又は職員をしてこれらの事項に関し受給権者に質問させることができる権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、厚生労働大臣が自ら行うことはできない。
エ 国民年金法第1条の目的を達成するため、被保険者若しくは被保険者であった者又は受給権者に係る保険料の納付に関する実態その他の厚生労働省令で定める事項に関する統計調査に関し必要があると認めるときは、厚生労働大臣は、官公署に対し、必要な情報の提供を求めることができる。
オ 国民年金原簿の訂正請求に係る国民年金原簿の訂正に関する方針を定め、又は変更しようとするときは、厚生労働大臣は、あらかじめ、社会保険審査会に諮問しなければならない。
A (アとイ) B (アとウ) C (イとエ)
D (ウとオ) E (エとオ)
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
ア 〇 (法109条の4第1項) 本肢のとおりである。本肢の厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。
イ 〇 (法109条の4第1項) 本肢のとおりである。本肢の厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされているが、当該権限は、厚生労働大臣が自ら行うことを妨げない。
ウ × (法109条の4第1項) 本肢の厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされているが、厚生労働大臣が自ら行うこともできる。
エ 〇 (法108条の3第2項) 本肢のとおりである。なお、本肢の情報の提供を求めるに当たっては、被調査者を識別することができない方法による情報の提供を求めるものとされている(法108条の3第3項)。
オ × (法14条の3第2項) 本肢の場合には、「社会保険審査会」ではなく「社会保障審議会」に諮問しなければならない。
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step3 コメント
・択一式の国民年金法の問8は、厚生労働大臣の権限等に関する問題でした。アからエはいずれの選択肢も難易度が高く、オの誤りがわかったとしても2択になることから、正解するのは難しかったと思われます。
明日もがんばりましょう。
2020年12月08日
69目は、択一式の健康保険法です。
正答率41%の問題で、難問です。
※難問とは、合格者でも正答率が50%を割ってしまっている問題を指します。
<問題( 択一式 健保 問9 )>
〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 被扶養者の認定において、被保険者が海外赴任することになり、被保険者の両親が同行する場合、「家族帯同ビザ」の確認により当該両親が被扶養者に該当するか判断することを基本とし、渡航先国で「家族帯同ビザ」の発行がない場合には、発行されたビザが就労目的でないか、渡航が海外赴任に付随するものであるかを踏まえ、個別に判断する。
B 給与の支払方法が月給制であり、毎月20日締め、同月末日払いの事業所において、被保険者の給与の締め日が4月より20日から25日に変更された場合、締め日が変更された4月のみ給与計算期間が3月21日から4月25日までとなるため、標準報酬月額の定時決定の際には、3月21日から3月25日までの給与を除外し、締め日変更後の給与制度で計算すべき期間(3月26日から4月25日まで)で算出された報酬を4月の報酬とする。
C 育児休業取得中の被保険者について、給与の支払いが一切ない育児休業取得中の期間において昇給があり、固定的賃金に変動があった場合、実際に報酬の支払いがないため、育児休業取得中や育児休業を終了した際に当該固定的賃金の変動を契機とした標準報酬月額の随時改定が行われることはない。
D 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者資格を取得した際の標準報酬月額の決定について、固定的賃金の算定誤りがあった場合には訂正することはできるが、残業代のような非固定的賃金について、その見込みが当初の算定額より増減した場合には訂正することができないとされている。
E 適用事業所に期間の定めなく採用された者は、採用当初の2か月が試用期間として定められていた場合であっても、当該試用期間を経過した日から被保険者となるのではなく、採用日に被保険者となる。
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step1 正解は・・・
C
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step2 解説
A 〇 (法41条1項、令元11.13保保発1113第1号) 本肢のとおりである。「外国に赴任する被保険者に同行する者」に係る被扶養者の認定は、「家族帯同ビザ」の確認により判断することを基本とする。
B 〇 (法41条1項、平29.6.2事務連絡) 本肢のとおりである。給与の締め日が変更になった場合における定時決定については、支払基礎日数が暦日を超えて増加したときは、通常受ける報酬以外の報酬を受けることとなるため、超過分の報酬を除外した上で、その他の月の報酬との平均を算出し、標準報酬月額を保険者算定する。なお、給与締め日の変更によって給与支給日数が減少した場合であっても、支払基礎日数が17日以上であれば、通常の定時決定の方法によって標準報酬月額を算定する。
C × (法43条1項、平29.6.2事務連絡) 育児休業取得中の被保険者について、無給期間中に固定的賃金に変動があった場合には、職場復帰後において、実際に変動後の報酬を受けた月を起算月として、随時改定が行われる。
D 〇 (法42条1項、平29.6.2事務連絡) 本肢のとおりである。被保険者資格を取得した際の標準報酬月額の決定について、例えば残業代が当初の見込みよりも増減した場合、標準報酬月額の訂正を行うことはできない。
E 〇 (法35条、昭13.10.22社庶229号) 本肢のとおりである。
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step3 コメント
・択一式の健康保険法の問9は、実務的な内容の問題が多く、かなり難易度が高い問題であったといえます。
明日もがんばりましょう。